鼻・喉・耳の病気

このコーナーは著書「MMS 真昭社」に記載されているものを抜粋して掲載してあります。リンクしてもつながらないものや治療法などについては、本を参照して下さい。

1. 急性鼻炎 2. 慢性鼻炎 3. 鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎) 4. 花粉症
5. 副鼻腔炎 6. 喉頭炎 7. 急性扁桃炎 8. 難聴
9. 外傷性難聴 10.突発性難聴 11. 老人性難聴 12. メニエール病

1 急性鼻炎

鼻腔粘膜に急性の炎症が起こったもの。所謂鼻風邪です。

●症状
鼻や喉に乾燥感や刺激を感じ、初期には、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりと言った症状が出る。
鼻詰まりは、両側に起こり長く続くことが多く、閉鎖性鼻音を引き起こす。最初、鼻水は透き通っているが、徐々に粘膜性となり、黄色や青緑色になってくる。
鼻の炎症が喉や耳に波及すると、発熱し、扁桃炎や気管支炎に発展していく。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
ウイルスや細菌の感染、化学物質や埃、冷気などの刺激によって起こる。体調不良なども影響する。

●MMS解釈
胸骨舌骨筋や胸鎖乳突筋(特に停止部分)、上唇鼻翼挙筋などにコリをつくると、些細な刺激によっても、咽喉や鼻腔筋肉が反応し緊張します。その状態が続くと、やがて炎症を起こし、敏感になってきます。
その、敏感になった部位は、ウイルス、細菌、埃、匂い、冷気や乾燥した空気などの刺激に敏感に反応し緊張して固まっていきます。
鼻の場合は、耳下の胸鎖乳突筋の停止部や上唇鼻翼挙筋のコリが原因で、喉の場合は、胸鎖乳突筋全体と起始部分、胸骨舌骨筋、扁桃腺のコリが原因しています。

●治療法
胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋を解し、頬骨に沿って頬筋、咬筋、上唇鼻翼挙筋を解していきます。その後、鼻腔、鼻道を解していきます。原因部位のコリを解しきれば、ほとんどの鼻炎は治ります。

2 慢性鼻炎

慢性鼻炎とは、鼻腔粘膜の炎症が治らずに続いているもので、急性鼻炎を適切な治療を施さずにいて慢性に移行することが多い。
西洋医学では、慢性単純性鼻炎、 慢性肥厚性鼻炎、慢性萎縮性鼻炎の三種に分けています。
慢性単純性鼻炎 鼻腔粘膜に炎症を起こして長期的に赤く腫れ上がっている状態。
慢性肥厚性鼻炎 炎症度合いが進み鼻腔粘膜が厚く固くなったもの。
慢性萎縮性鼻炎 鼻腔粘膜や骨組織が萎縮して鼻腔が広くなり、鼻腔壁に黄褐色の痂皮(かひ)(かさぶた)ができるもので、悪臭を放つようになってきます。(西洋医学)

●症状
慢性単純性鼻炎
鼻詰まりが主な症状。片方ずつ詰まることが多く、粘性または粘膿性の鼻汁が出る。鼻汁が喉に入って痰になって出てくることも多い(後鼻漏(こうびろう))。頭痛、頭重、嗅覚障害がある。
慢性肥厚性鼻炎
鼻詰まりが強く、鼻汁、後鼻漏、頭痛、嗅覚障害がある。鼻腔粘膜が赤くなり腫れて厚くなる。
慢性萎縮性鼻炎
鼻腔が広大となり、鼻甲介(びこうかい) は萎縮します。鼻の中に痂皮ができ、鼻や喉の乾燥感が起きる。両側共に鼻が詰まり持続し、痂皮が腐って悪臭を放つ。鼻汁は慢性。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
慢性単純性鼻炎
急性単純性鼻炎を繰り返すことから移行することが多い。
慢性肥厚性鼻炎
急性単純性鼻炎を繰り返すことや慢性単純性鼻炎が悪化して移行していく。慢性副鼻腔炎の分泌物による刺激、ちり、ほこりや化学的刺激を繰り返し受けたときに発症する。鼻腔の形の異常、体質にもよる。
慢性萎縮性鼻炎
本態性。体質、遺伝、細菌、内分泌、ビタミン欠乏症、栄養神経障害、自己免疫疾患などによってかかると言われているが、原因は不明。

●MMS解釈
慢性単純性鼻炎
鼻腔が何らかの刺激によって緊張して固まり、血液循環が悪くなり炎症を起こし、赤く腫れ上がります。刺激は、塵や埃、匂い、化学的刺激、冷気などさまざまです。固まった鼻腔の筋肉を解していけば治ります。
慢性肥厚性鼻炎
胸鎖乳突筋の停止部(耳下)と鼻甲介にコリをつくると、鼻詰まりを起こします。強く固まれば鼻詰まりがきつくなります。鼻汁、後鼻漏も鼻甲介のコリが原因です。嗅覚障害もつくります。鼻甲介の筋肉が固まり血液循環が悪くなると炎症も起こし、鼻腔粘膜が赤く腫れて厚くなってきます。頭痛は胸鎖乳突筋のコリが原因です。
慢性萎縮性鼻炎
胸鎖乳突筋、上唇鼻翼挙筋、咬筋が固まってくると、鼻甲介への血流が悪くなります。鼻甲介は、代謝が衰えて老化し萎縮していきます。当然鼻腔間は広がってきます。
代謝の衰えた部分に痂皮がつくられていきます。その時点で手当てをしなければ痂皮が腐り悪臭が起きてくることになります。

3 鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

鼻腔粘膜が、ある物質に対してアレルギー反応を起こすもの。

●症状
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状が出る。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
遺伝的な体質と環境的な要因が関係している。環境的な要因には、アレルゲンになる物質や住居やオフィスなどの建材や家具など、天候や気温、ホルモン分泌の変化などさまざまな要因が原因となる。アレルゲンとは、アレルギー反応を起こす物質をいう。

●MMS解釈
遺伝的体質。西洋医学では、よく遺伝的なものを病気の原因としています。遺伝的と言われると、病気になってしまった人にとっては「避けられない要素」になります。そして、真に遺伝的なものであったら、「病気は治せないもの」になってしまいます。
人は、先祖から受け継いだ遺伝子をもって生まれてきます。当然、先祖に似た体質をもっていることは否(いな) めません。似たような筋肉であれば、諸動作も似てきます。当然先祖がつくったような不具合や病気をつくっていく確率が高くなるでしょう。しかし、遺伝は先天的なもの。後天的にいくらでも変えていくことができます。
例えば、親がガンになった。「わたしもなるのではないか」と考えがちです。問題は、
1 なりやすい体質をもっている。
2 同じような姿勢や動作を行いがち。
このことから、親と同じ病気をつくってしまう要因を含んでいることは確かですが、生活習慣や姿勢や動作などが変わっていれば、同じ病気になることはありません。病気は、遺伝子がつくるではなく、自分の生活習慣や姿勢や動作が、筋肉を固めてつくっていくのです。

●アレルギーとは
アレルギーとは、「本来なら無害であるはずの抗原に対する免疫反応によって引き起こされる疾患である」と、西洋医学は定義付けています。
また、大辞林では「ある種の物質の摂取または接触によって、生体内に抗体がつくられ、同じ物質の再摂取、または、再接触により抗原抗体反応が起きて病的症状が現れる状態」としています。
西洋医学の説明の多くは、「抗原抗体反応」のように、何故、抗原に対して抗体反応が起きるのか?の説明は全く無く、いきなりこのような反応が起きるという結果から始まります。
抗原抗体反応という説を立てるなら、抗原抗体反応が起きる理由の説明がなければなりません。反応は結果ですから反応を起こす原因の説明が無ければ、アレルギー反応の理論は肯定し難いものになります。

●自己過敏反応
人は、さまざまな刺激や情報を、目や耳、鼻で感じる他、大部分は肌で感じ取っています。その感じ取る部分が、過敏に反応をしてしまう。これを「自己過敏反応」とわたしは名付けました。
自己過敏反応は、特に肌や粘膜に顕著に現れます。肌が過敏になる原因のひとつは、肌への血行不良です。血行不良を起こした肌は老化していきます。また、一部分を固めると血液循環に不具合を起こし炎症をつくっていきます。老化した肌は傷つき、その部分は非常にデリケートになって緊張していきます。炎症を起こした部分も同様です。炎症を起こしたり、傷ついたりしてデリケートになった部分に、刺激を与えられたとき、その部分は過敏に反応していきます。その反応が、多種の筋肉を刺激し固め、コリをつくり、そのコリがさまざまな症状をつくっていきます。また、固まった筋肉の部位の違いによって、症状は変化していきます。これが自己過敏反応です。
また、自己過敏反応は、そのときのからだの状態によっても変化していきます。例えば、からだが緊張状態にあるときや、多くの部位に筋肉のコリがある場合、血液やホルモンなどの体液の運行が異なってきます。このときの反応は、からだが正常なときの反応とは当然違ってきます。
抗原とは、からだに抗体反応を起こさせる物質ということですが、抗原は全ての人に於いて一律ではなく、反応も一律ではありません。何故なのでしょうか?
これは、前述のように、からだに緊張や筋肉にコリがないときと、あるときでは、反応が違ってくるからです。一般的に抗原と言われているものも、緊張や筋肉のコリが無い人には抗原では無くなります。
腕に傷があるとき、そこに塩をかけられたらどうでしょうか。からだは緊張し痛みが走ります。傷がなければ、何のこともありません。傷のある人には、塩は抗原であっても、傷のない人には、抗原ではありません。
自己過敏反応を引き起こすもの。西洋医学でいう抗原にあたるものを、MMSでは単に刺激を与えるもの全てと考えています。何故なら、人のからだの条件によって変わるものだからです。
もう一つ例えれば、手に傷をつけたところ、あるいは挫いて炎症を起こしている場所に、無作為に触れられたとき、誰でも敏感に反応します。それが強ければ、からだは緊張して固まっていきます。歯医者さんに行って、歯を抜かれたり、グラインダーで削られたりしたとき、麻酔が効いていなければ、からだに力が入って固まってしまいます。

●アレルギー反応と自己過敏反応
アレルギー反応と言われているものは多数あります。現代医療では、全て投薬を使って対症療法を行っています。
MMSでは、アレルギー反応を自己過敏反応と捉えています。原因(アレルゲンは原因ではありません)を取り除けば治るものです。この考えのもとで臨床経験したもの全てを治してきています。その一例を示します。
1 乳製品、小麦粉、卵、青魚などにアレルギー反応を示す食物アレルギー。これは、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋、腸、肝臓などのコリを取っていくことで無くなりました。
2 埃、塵など起こるダストアレルギー。
胸鎖乳突筋とその停止部、棘上筋、上腕、顔面全体のコリを取ることで無くなりました。
鼻アレルギー
胸鎖乳突筋(特に停止部)上唇鼻翼挙筋、鼻甲介にコリをつくることで起こります。これらの部位を解し、血流を良くしていけば、鼻アレルギーは無くなります。
くしゃみ、鼻水
上唇鼻翼挙筋、鼻甲介のコリが原因。
鼻詰まり
胸鎖乳突筋(特に停止部)上唇鼻翼挙筋、鼻甲介のコリが原因です。

4 花粉症

花粉によって引き起こされる症状を花粉症と言っています。

●症状
くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、嗅覚異常、目の痒み、涙などの症状があり、耳の痒み、咳の発作もみられる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
風媒花(ふうばいか)の花粉が直接の原因で、罹(かか) る人もいれば罹らない人もいる。アレルギーを起こしやすい体質の人に罹りやすい。
ディーゼル自動車の出す排気ガスの成分と、混合したときに花粉症が発症しやすい。

●MMS解釈
胸鎖乳突筋の停止部や上唇鼻翼挙筋、鼻甲介が固まりコリをつくることで、過敏になった鼻腔粘膜が反応し症状をつくるものです。鼻アレルギーと同じと考えて良いでしょう。
西洋医学では、さまざまな解釈を加えています。しかし、症状を一時的に抑えることはできても治せてはいません。MMS理論通り治療を行えば、100%改善、治癒させることができます。
鼻水、鼻詰まり
上唇鼻翼挙筋、鼻甲介のコリを取っていきます。
目の痒み
眼輪筋のコリを取り、隅角も解せば痒みは消え涙も無くなっていきます。
頭痛や「ボォー」とした頭重感
胸鎖乳突筋の頭痛をつくる部位、頭半棘筋のコリを解せば消えていきます。

胸骨舌骨筋のコリが原因していることが多いのですが、長い期間咳が出ている場合には、かなり多くの範囲に、咳によってつくられたコリが存在します。そのコリを刺激すると咳が出ます。それらのコリを探して取ること必要です。

5 副鼻腔炎

鼻腔の周りにある四つの副鼻腔に炎症が起こる症状です。慢性になった慢性副鼻腔炎を蓄膿症(ちくのうしょう)とも言います。

●症状
鼻水、鼻詰まりがあり、副鼻腔の炎症のある部分には痛みがあり、副鼻腔は赤く腫れてきます。長い期間炎症を起こした状態におくと、鼻水が膿(う) みをおび、粘性のある鼻汁となります。嗅覚障害、頭痛、頭重感もつくります。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
急性鼻炎を起こした後、鼻腔粘膜の炎症が副鼻腔に及んで発症するケースが多い。虫歯や外傷から細菌感染してそれが原因となって発症することもある。

●MMS解釈
胸鎖乳突筋の停止部にコリがあって、且つ上唇鼻翼挙筋、鼻甲介、頬筋、咬筋にコリをつくるとこの病気になります。急性鼻炎を起こしても、その時点で原因部位のコリを取っておけば罹ることはありません。
嗅覚障害
鼻甲介、上唇鼻翼挙筋を解していけば解消します。
頭痛、頭重感をつくるのは
痛みなどで緊張し、胸鎖乳突筋を固めることでつくっていきます。胸鎖乳突筋のコリを取っていけば症状は無くなっていきます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)も原因は同じです。

7 急性扁桃炎

急性咽頭炎のうち、特に扁桃の炎症のひどいものを言います。

●症状
急に、高熱を発し悪寒を感じるが、全体の体調はそれほどでもない。しかし、喉に痛みがあり、嚥下ができなくなる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
風邪のウイルス感染によるものがほとんどで、同時に細菌感染も起こる。連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球菌が検出される。しかし、これらの細菌は常在菌として常に存在しているのだが、過労などで、からだの抵抗力が無くなったときに、炎症が起きてくる。

●MMS解釈
原因は、急性咽頭炎と同じです。特にそれが扁桃に集中しただけのことです。ただし、炎症を起こした時点で直ぐに炎症を取っていれば扁桃炎に進むこともありませんが、手当をしなかったり、薬を飲んで対症療法で済ませたりしていると、炎症が悪化しこの病気になってしまいます。

8 難聴

音が聞こえ難くなる病気です。

●症状
音が聞こえなくなる。突然聞こえなくなる。高い音が聞こえない。耳鳴りが出る。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
西洋医学では、難聴を伝音性難聴と感音生難聴の二種類に分けている。伝音性難聴とは、耳垢栓塞、中耳炎などの外耳や中耳に障害があって起こるもので、手術やその他の方法で治る可能性が高い難聴をいう。
感音生難聴は 、内耳から聴覚中枢までの音を感じる部分に障害があって起こるもので、蝸牛に原因のある内耳性難聴、中枢側に原因のある後迷路性難聴、先天性難聴、外傷性難聴、薬剤性難聴、突発性難聴、メニエール病、老人性難聴などで、原因が解っているが聴力の回復が難しいものを感音性難聴という。

●MMS解釈
病気は、原因を正しく理解していれば大概は治るものです。治らないというのは、原因が間違っているのか、治療が間違っているかのどちらかです。
例えば老人性難聴などは、歳をとるからなると言われ、なかば必然的なものであると捉えられています。しかし、本当に歳をとるとなってしまうなら、老人全員が難聴になってしまいます。
「原因は解っているが治らない」と西洋医学では言っていますが、結果を原因と勘違いしているようです。
例えば、「蝸牛に原因のある内耳性難聴」というのがありましたが、蝸牛(図24)が変性を起こしていることは原因ではなく結果です。蝸牛に変性を起こすものが原因です。(因みにその原因は、胸鎖乳突筋の停止部のコリです。コリが血管を圧迫し血流や神経伝達を阻害しているからです。
老人性難聴、運良く自力で治っていく人はいます。しかし、治療で治ったという話を聞きません。
老人性難聴を、元のように回復させるのは、さほど難しくありません。しかし、個人差があります。全員が「治る」と断言することはできませんが、どの人も充分改善できる病気です。ただ、長年、補聴器をつけているような場合、内耳周りの筋肉が硬く固まっていることが多く治し難くなります。
他の難聴でも、原因を探って対処すれば、かなりの確率で治すことや改善させることができます。
聞こえなくなったからと言って、直ぐに補聴器をつけるのは問題です。西洋医学は治らないという前提があるから補聴器を進めるのでしょうが、着けているとますます治し難くなってしまいます。

8-1外傷性難聴

一定以上の騒音や爆発音を長時間聴くことによって起こる難聴で、頭部外傷などの外の力によって起こる難聴を外傷性難聴と言います。

●症状
耳鳴り、耳出血、脳脊髄液の漏出、顔面神経麻痺、髄膜炎、意識障害などが出る。(西洋医学)

原因

●MMS解釈
音の大きいロックミュージックなどを、ヘッドホンを使って聴いていたり、機械の発する大きな音のする工場で作業をしたりしていると、難聴になってしまう人がいます。事故によって頭部に障害をもち、その影響で難聴になる場合もあります。起因は全て外部要因です。
音響性難聴は、胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋などのコリが原因です。特に胸鎖乳突筋の停止部(耳下)のコリの影響が強く、胸骨舌骨筋も耳下のコリ、内耳介や外耳介のコリもそれに加わります。ときには鼻詰まりが原因だったというのもあります。耳鳴りの原因も同じようなものです。
しかし、事故により起ったものは、損傷を受けた部位や程度によって、原因は多少違ってきます。

●騒音を聞いたときの難聴
大きい音、周波数の高い音を聞いたとき、鼓膜の破損を防ぐために、聴覚路を狭めて音を小さくしようとする働きが起こります。それは、胸鎖乳突筋の停止部を収縮させてつくられます。それを、常時あるいは長時間続けていると、筋肉が硬く固まったままになりコリがつくられます。その状態のとき、小さな音を聴くために聴覚路を広げようとしても、固まった筋肉は聴覚路を広げることができず、小さな音が聞こえません。そして、そのまま放置すれば、コリが進行し筋肉が萎縮して聴覚路を塞いでしまい、全く聞こえなくなってしまうでしょう。

●その他の難聴
何らかの要因で胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋を固めてつくってしまう難聴。いずれもコリをつくっている筋肉を解していくと改善されます。

8-2突発性難聴

突然聞こえなくなってしまう難聴で、働き盛りの人に多い。

●症状
突然、片方の耳に難聴が起こり、目眩や耳鳴りがする。また、自閉感(耳が詰まった感じ)も起きる。

原因

●西洋医学的解釈
原因不明であることが突発性難聴の特徴である。ウイルスの感染、内耳に酸素や栄養素を送る循環器の障害などが原因。
早期に治療を行えば、感音性難聴には珍しくかなりの聴力改善が期待できる。

●MMS解釈
西洋医学の病気の原因の多くは「ウイルスや細菌」です。目に見えないものを原因とされたら、それを否定することはその検査機器を持たないわたしたちにはできません。まずは「ウイルスや細菌」の責任にせず、触って確かめられる部位から原因を探っていくのが賢明なやり方です。
耳が聞こえなくなる原因は、胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋、棘上筋を固めてしまうことで、共通しています。
突発性難聴の場合、何らかの要因があって、それらの筋肉を強固に固めてしまって起きるものです。
しかし、いきなり胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋が強く固まるわけではありません。普段から首筋の筋肉を固めていて、そこに何かの刺激を受けたときに反応し強く固まってしまうのです。
起因は、連続作業で首筋を固めたり、風邪の熱や頭痛で首筋を固めたり、寝違いを起こしたりと、さまざまです。くしゃみをしてから聞こえなくなったという人もいます。
起因は何であれ、胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋、棘上筋を固めたことによるものであることは間違いがありません。

8-3老人性難聴

老化にともなって内耳から聴覚中枢までの聴覚路の全般に老人性の退化が起こり、聞こえが悪くなるものと、西洋医学では言っています。

原因

●西洋医学的解釈
西洋医学では、老化による細胞の変性や萎縮が原因。

●MMS解釈
最初に、老人=老化ではありません。若年でも、細胞が老化している人は少なくありません。
原因を歳の所為にされたら、老人は反論ができなくなってしまいます。少なくとも施術者は、自分で治せないことを棚に上げて歳の所為にしてはいけません。
この病気も、胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋、棘上筋のコリが原因です。
老人性難聴の人を多数みてきました。そのほとんどを、この三つの筋肉のコリを取っていくことで解決してきました。
しかし、強く固まったコリを持っている人や、全体の筋肉が老化している人は、直ぐに元に戻ってしまうことが多いのも事実です。
筋肉は、元の筋肉に戻るという特性があります。コリをつくっている人は、解してもしばらくすると、そのコリにまた戻ってしまうというものです。しかし、繰り返しコリを解して良い状態をつくっていると、今度はその状態に戻るようになります。
せっかく治った難聴が元に戻ってしまった。それには筋肉の特性の他に、患者さん自身の姿勢であるとか、それまでの悪いクセが原因で悪い方に戻してしまっていることがあります。その場合、適切な指導をして生活習慣の見直しをしてもらう必要があります。
また、他の原因として、耳に耳糞が溜まっていて聴覚路を塞いでいたという笑えない話もあります。固定観念を捨てて原因を探る目を持つことでしょう。
西洋医学のように、老化による細胞の変性や萎縮が原因と高を括ってはいけません。歳を取るから起こるのではなく、筋肉にコリをつくり固めていくから起こるのです。老人に多いというのは頷けますが、歳をとったからというのは間違いです。

9 メニエール病

前触れなしに目眩が起きる。メニエール病の特徴です。

●症状
突然、目眩の発作が起こる。初期は安静にしていても目眩が起こる。その内に、頭を動かした時に目眩が起きるようになる。頭を動かしたとき目眩の他に悪心や嘔吐を伴うときがある。
目眩にもいろいろありますが、メニエール病のめまいは、回転性の目眩がほとんどです。ときには、ふらふらするような、目眩もあるようです。片方の耳に、難聴や耳鳴りを伴うこともあります。また、顔色が蒼白になる、冷や汗や吐き気も起こす、などのこともあります。

原因

●西洋医学的解釈
本態性。治療法もない。時間が経ち自然と治るのを待つ。

●MMS解釈
現代医療では耳鼻咽喉科の分野です。目眩の原因を内耳や三半規管の障害と捉えているからで、難聴や耳鳴りが伴うなどのことから、耳鼻咽喉科の分野になったのでしょう。
メニエール病の特徴の目眩は、頭半棘筋、頭板状筋のコリが主因で、それに胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋のコリが加わります。決して、三半規管の障害ではありません。メニエール病の目眩も、他の目眩もその原因は共通です。
難聴や耳鳴りは、難聴の項で説明しているのと変わりはありません。ただし、胸鎖乳突筋は長い筋肉なので、その起始部のコリ、停止部のコリ、中間部のコリ、その場所によって症状が変わってきます。
顔面蒼白
胸鎖乳突筋の総頚動脈側のコリが原因です。
冷や汗
鎖乳突筋の中間部のコリが原因です。そのコリを取れば治ります。