8月15日から18日の三日間、毎年志賀高原でサマーミュージックキャンプが行われています。今年で28回を向えました。主催されている先生方には敬意を表します。
そこで、私は15年特別講師として、演奏者のための呼吸法や姿勢、楽器の持ち方などの構えのレクチャーを行ってきました。
今年、指導してきたものの中から、写真撮りしたものを紹介していきます。
フルート
すべての楽器に共通して言えることですが、出来る範囲で楽器を立てた方が良いことが分かっています。多くのフルート奏者は、肩より上に水平に近い形で構えられています。これが音色や指の動きを悪くしています。「何故動かないんだ」と指を叱るより、楽器を写真2のように構えるだけで指はスムースに動くようになります。音は勿論、水平に近いか前より数段変っていることに気がつくはずです。
クラリネット
「僕の大好きなクラリネット」木管楽器の代表的な楽器です。
もともと吹くとき、自然と楽器は下に下がります。私の持論での楽器を立てると良い音になるということでは問題がないのですが、楽器を下げすぎると首が曲がり、音が出にくくなります。良い音を作るためには、いたずらに楽器を立てることではなく、首を胴体から真直ぐに伸ばした状態に保つことが大切です。そのことによって気道が開かれ空気の通りが良くなり良いがつくられます。写真1を参照ください。
それを写真2のように壁を背にして、特に腰の部分を壁にくっつけます。
特に女性の場合、腹部が前に出て、腰を反らし、重心を後ろにしがちです。そうすると後ろに倒れてしまうので首を前に出すことになり、女性独特のカーブ曲線を描いてしま
します。この姿勢は決して健康的にも良くないのですが、特に楽器奏者にとっては致命的になります。
壁に背を付けた時、腰の部分に手を差し込み、手が入らないようにくっつけることです。足は平行にすることです。このようにすると背の肩甲骨の部分が開き、音が出やすくなります。
これは必ずしもこうしなさいという訳ではなく、目的は肩甲骨と肩甲骨の間をフラットにすることなので、充分訓練を積み自然とそれが出来るようになれば、足の角度にこだわる必要はありません。
トロンボーン
このレッスンは小野先生の指導のもとに行われていた時間に私のレッスンを加えた形で行われました。
それまで如何しても出せなかった音がスムースに出てきます。
姿勢を変え、構えを直しただけのことです。20人近くいたレッスン生や聴衆がその変化に驚きました。
小野先生は言います。「いくら音楽性を求め表現を教えても、フィジカルな部分が出来ていないとその表現が出来ないということがわかりました」
その通りなのです。楽器が音を出しているのではなく、演奏する人の身体が音をつくっているのですが、皆さん忘れています。いや思ってもいないのではないでしょうか。良い音を求めて高価な楽器を手に入れても、あなたの身体がどうしようもなかったら良い音は出てこないのです。
まず楽器を持って練習するのではなく、演奏するための万全の身体をつくっていくこと、あるいは調整していくことをしなければならないのです。
ピアノ
誰が弾いても同じ音が出ると思っている人が多いのではなのでしょうか。弾き手の姿勢や構え方で音は大きく変化するのです。まだあります。筋肉を使い分けることでも音は大きく変化します。全ての楽器を演奏する際、筋肉を使い分けることで音色が変わることを発見しました。特にピアノはベースになる音は作られています。通常はこれを強弱とスピードで変えています。ピアノの音質を変えることは出来ませんでしたが、筋肉を使い分けることで変えることができます。試してみてください。