下痢とは便の水分が増えた状態の事をいう。
便の形成
排泄物は小腸でかなりの水分を吸収されるがまだ水溶液で上行結腸を通過移動する間に水分が吸収されて半流動体になり、横行結腸で粥状になり、下行結腸で半固形から固形になるようだ。食事をしてから便として排泄されるまで24~72時間を要する。
下痢にはいくつかの原因が考えられる。
①回盲弁やその周りの筋肉のコリ。
②大腸のコリ。
③異物を排泄しようとする働き
④インフルエンザウイルスの刺激
⑤肛門の弁の不具合
①弁のコリからなる下痢
回盲弁が固まったり周りの筋肉が固まると回腸と上行結腸の弁が開き放しになる。小腸で、ある程度水分が吸収されれるものがされずに上行結腸に流れ込む。また、回腸にあってまだ消化吸収されていないものまで大腸に流れ込んでしまう。水量の多い大量の排泄物が大腸に流れ込めば、その処理能力を超える。そして押し出され固形化する前の便が出てしまう。特徴は下腹に痛みがある。
②大腸のコリ
大腸にコリが出来ると腸壁が硬くなり水分の吸収が出来にくくなる。つまり水分の吸収能力が落ちる。またぜん動運動も出来なるが、回腸から排泄物が押し出されれば先に詰まっている液状の便が押し出される。しかし水分を充分に吸収出来ずにあるので、液状のままに排泄される。これは慢性の下痢に多い。腹が張った感じがある。
③異物処理の為の下痢
身体の中に異物が入るとそれを早く体外に押しだそうという機能が働く。回盲弁が開き大腸に送りだし水分を吸収しないままに排泄してしまう。
④インフルエンザウイルスの刺激
インフルエンザのウイルスが体内に侵入するとその刺激でいろいろな部位の筋肉が緊張し固まる。回盲弁や大腸にそれが起きると便が固まらず流動物のままになる。その状態の時に、やはりウイルスの刺激によって緊張した下腹が収縮して大腸を圧迫すればその力で外に押し出される。またウイルスの刺激で直腸や肛門筋が緊張すると、括約筋などに締まりがなくなり排泄物が流れ出してしまう。
⑤肛門の弁の不具合
便を排泄する際や便が出ないようにしておくためには肛門の開閉を自由の行えるようでなくてはならない。しかし括約筋や腹筋、臀筋などが固まりコリを作ると、便を押し出す力や流れない様に止めておく機能が損なわれてしまう。便意をもよおした時肛門が開き腹筋の力によって押し出されて便が出てくる。 肛門筋が何かの刺激を受けて緊張し固まってしまうと弁が閉まらなくなる。すると便は出てしまう。それが頻繁に行われると、大腸で固形になる前に便が出る。
施術法
①の場合
右下腹の虫垂部分にコリがある。その部分は硬くなり通常は痛みがある。それを解し、結腸全体を解していく。
②の場合
結腸を圧すると痛みがある。上行、横行、下行と大腸全体を解していく。最初は硬く存在感があるものが解れてくると分からなくなってくる。それを目安とすると良い。
③の場合
異物が排泄されるまで続くが、小腸を含めて腹部全体を解す必要がある。また異物が何であるかを確かめ、入れないようにすることである。
④の場合
⑤の場合
股間、腸腰筋、中臀筋、肛門筋、膀胱筋を解し、大腸全体を解す。