脳・神経の病気

このコーナーは著書「MMS 真昭社」に記載されているものを抜粋して掲載してあります。リンクしてもつながらないものや治療法などについては、本を参照して下さい。

1. 気管支炎 2. 肺炎 3. 肺気腫 4. 過換気症候群
5. 呼吸不全 6. 睡眠時無呼吸症候群 7. 気胸 8. 胸膜炎(肋膜炎)、膿胸
9. 肺水腫 10. 気管支喘息

1  気管支炎

咳や痰が主な症状とする気管支の炎症です。気管支炎には、急になる急性気管支炎と慢性化した慢性気管支炎の二つがあります。発生の違いがあり、急性気管支炎が慢性気管支炎を悪化させることはあっても、急性から慢性に移行することはないと言うのが西洋医学の考え方のようです。急性は年齢の関係なく誰でも罹(かか)るが、慢性は40歳以上、特に高齢者に多いようです。(西洋医学)図14

1-1急性気管支炎

急性気管支炎は、上気道の炎症で、きっかけは風邪や喫煙過多、大気汚染などの刺激によって、咽頭、喉頭などの筋肉が、異常な反応して炎症をつくるものです。(西洋医学)

●症状
咳が出て、発熱し痰が出てくる。更に鼻汁、鼻づまり、のどの痛み、しわがれ声、頭痛などが起こり、ひどくなると喘息のように咳が止まらなくなる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
ウイルスによって呼吸器感染症の一部分症で、咽頭炎、喉頭炎に伴って気管支粘膜に炎症が波及して起こる。

●MMS解釈
その主たる原因は、咽頭、喉頭のコリです。それに加えて気道のコリが原因しています。最初は風邪による病原菌や埃、煤煙などによって、咽頭や喉頭部の筋肉を刺激されて咳が出ます。(詳細は症状の咳の項を参照)それを何回も続けると咽頭や喉頭部の筋肉が炎症を起こします。その炎症を起こしてデリケートになっている部分に、起因となった病原菌や埃だけではなく、その筋肉を動かす動作や、飲食などの刺激が咳を誘発します。また、咳をするときには、腹筋、胸筋、肋間筋、胸鎖乳突筋、背筋などの筋肉を使いますが、頻繁に咳を続けていると、それらの部分の筋肉が固まりコリをつくります。そして、そのコリを、日常のさまざまな動作で刺激したときに咳がつくられます。咳をしてもコリがつくられなければ、その部位をいくら刺激されても咳は出てきません。
鼻汁や鼻づまり
耳下のコリ、鼻道、上唇鼻翼挙筋のコリがつくっています。
発熱
胸鎖乳突筋のコリが原因です。

咽頭、喉頭、気道の胸鎖乳突筋の起始(頸の付け根)部のコリがつくります。

●治療法
気管支炎を治すには、まず咽頭、喉頭の筋肉を解し、気道の胸鎖乳突筋の起始部を解します。発熱のある場合は胸鎖乳突筋の中央部を解します。鼻汁や鼻づまりは胸鎖乳突筋の停止部(耳下)、鼻道、上唇鼻翼挙筋のコリを解していきます。これらの筋肉を解してまだ咳が止まらない場合は、腹筋、胸筋、肋間筋、胸鎖乳突筋、背筋などの咳をつくる部位を探しだし、そのコリを取ることです。
部位を探す方法は、直接筋肉に触れたり、あるいは届かないところには気を送り刺激すると、割と簡単に咳が出てくるので比較的簡単に探ることができます。しかし、多部位に渡っているので、注意深く探すことが必要です。

1-2慢性気管支炎

気管支炎の慢性的な炎症で痰と咳が出てきます。偶に蓄膿症や扁桃炎をつくる場合もあるようです。

●治療法
急性気管支炎と同様、咽頭、喉頭のコリを取り、胸鎖乳突筋を解した後、咳をつくっている筋肉を解すことで治ります。ただし、長年患って慢性化しているので、筋肉は異常に固まっていることが多く、また他部位に渡っています。

2  肺炎

主に病原体の感染が原因で起こる肺の炎症を総称して肺炎と呼んでいます。西洋医学では、ウイルス性、マイコプラズマ性、クラミジア性、細菌性、真菌性、原虫、寄生虫性などの種類があるとしています。

●症状
発熱、悪寒、咳、胸痛の症状が出る。重症になると、唇や爪が紫になるチアノーゼや呼吸困難を起こす。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
原因は、病原菌の感染による。市中型肺炎と院内型肺炎があり、市中型肺炎は、健康な人が罹る肺炎で、風邪に続いて起こり風邪が原因となる。病原菌は各種のウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどあり、細菌では、肺炎球菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などある。この肺炎になりやすい人は、体力が衰え抵抗力のない人で、呼吸器疾患や心臓病、糖尿病などの慢性病の人や、高齢者、乳幼児も罹りやすい。
院内型肺炎は、慢性疾患を持つ高齢者に多く、院内型とは入院患者に多発することから付けられた名である。

●MMS解釈

ブドウ球菌

ブドウ球菌

病原菌や煤煙などのさまざまな刺激によって肺の筋肉が固まり炎症を起こしていくのが原因です。(図3)
多くの場合、胸鎖乳突筋の起始部が異常に固まっていることによって、肋間筋の動きを阻害し呼吸困難を起こし、それを押して無理やり呼吸することでつくられる場合が多いようです。風邪の咳によってもつくられます。

呼吸のできない状況に置かれた肺に、最初に刺激を与えた病原菌が繁殖し、検査の結果、病原菌が発見されるので、病原菌による病気とされてしまっているようです。抗生物質でいくら病原菌を殺してもなかなか治りません。その理由は。薬は血液の中に含まれそれが全細胞に届けられます。しかし、固まった筋肉の細胞には血液は流れていきません。病気と関係の無い血液循環の良い細胞にだけ薬は流れていきます。薬が目的の場所に届かなければ意図した効果が出る訳がありません。これが投薬治療の欠点です。
肺炎になると、悪寒、発熱、咳、痰、胸痛などのさまざまな症状をつくりますが、肺炎とそれらの症状を一緒に考えてはいけません。症状は、症状の項で述べている部位を解せば治っていきます。

気管支炎のところで述べている咳の取り方と同じです。
胸痛
肋間筋のコリを解していけば取れてきます。
西洋医学では、気管支炎と同じようなウイルス性、マイコプラズマ性、クラミジア性、細菌性、真菌性などの病原菌が肺炎の原因であるとしています。しかし、人間のからだの中には、40兆を超える微生物が住んでいると言われています。普段、肺炎の原因と言われる病原菌も他の微生物と均衡を保っていますが、肺炎を起こす原因の気道や呼吸筋を固めていくと細胞に変性を起こしていきます。その環境が病原菌には住みやすければ、異常に繁殖していくと考えられます。その状況のときに検査をすれば、多量の病原菌が発見されるために、病原菌が肺炎の原因と考えられてしまうのでしょう。病原菌は、肺炎のきっかけをつくりますが原因ではありません。病気や年齢は原因にはなりません。

●治療法
まず、気道を解し、胸鎖乳突筋の起始部の鎖骨付近のコリを取り、胸筋、肋間筋そして腹直筋のコリを取った後、肺全体に気を送って解していけば肺炎は治ります。

6  睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に10秒以上無呼吸が現れるものを睡眠時無呼吸症候群と言っています。鼻や喉が塞(ふさ)がって起こるものや上気道の咽頭、喉頭など固め、肋間筋を固めてつくるものとあります。
ひどい鼾(いびき)を伴っている無呼吸は、鼻道、上唇鼻翼挙筋や耳下の筋肉のコリが起因しています。鼾を多少もっている無呼吸は、胸鎖乳突筋、喉、声帯、気道のコリがつくっています。いずれもそれらの部位のコリを取り、胸鎖乳突筋の起始、鎖骨よりの部分と肋間筋を解すと治っていきます。この病気のコリは硬く固まっている場合が多いので、コリを解しても元の硬い状態に戻る率が高いので、数回施術を行う必要が出てきます。

10 気管支喘息

症状は、「ヒューヒュー」や「ゼィゼィ」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえ、咳が出て、空気をうまく吐くことができなくなる。その発作を繰り返すという病気です。

●症状
初め喉の詰まる感じや、脳が締め付けられる感じがあり、やがて喘鳴が起き、呼吸が苦しくなってくる。呼吸困難がひどくなると、横になっていられなくなり、前かがみになって座って呼吸をしなければならなくなる。呼吸困難が続いた後、咳や痰が出てくる。咳は空咳で、痰は透明で粘り気が強い。重度になると咳が持続し、血中のが不足しチアノーゼ状態に陥ることもある。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
アレルギー原因説が主力で、細菌やウイルスの感染、自律神経の失調やストレスなどの精神的疾患によって起こる。

●MMS解釈
西洋医学は、この病気の主たる原因をアレルギーとしています。MMSはそれを否定します。
気管支喘息の原因は、胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋(図3)のコリで、その収縮によって気道を圧迫し狭めて空気の出入りを悪くすることから始まります。
最初、咳は、気道に病原菌の侵入や埃、塵などの刺激を受けて反応してつくられます。それが続くと、やがて気道の筋肉は傷つき炎症を起こしデリケートになります。そのようになると些細な刺激によっても過敏な反応をして咳が出てくるようになります。
咳をするには、胸鎖乳突筋や胸筋、肋間筋、腹筋などの他さまざまな筋肉を使います。特に胸鎖乳突筋の起始部、胸筋、肋間筋の筋肉は、呼吸を左右する筋肉です。
咳をする度に緊張収縮していると、これらの筋肉は弛緩する間がなく固まったままとなりコリをつくります。そして気道は激しく出る空気のために傷つき炎症し糜爛(びらん) し、より過敏になっていきます。
喘息になると息を吐くことができなくなるのも特徴です。呼吸は、肋間筋、胸筋、胸鎖乳突筋などの呼吸筋を使って行われます。息を吸うとき、伸筋である外肋間筋が働き、肋骨を外に動かし胸郭を膨張させて空気を吸い込んでいきます。スポイトのゴムを膨らませて、先端から水が入るのと同じ原理です。
そして、スポイトのゴムを凹ますように、屈筋である内肋間筋を使って肋骨を内側に縮め、息が吐き出されます。
咳の多発によって外肋間筋が固まります。胸郭を収縮させようと内肋間筋を使いますが、外肋間筋の方が強いためにその働きができなくなり、息が吐けなくなります。ひどくなると内肋間筋まで固まってしまいます。
肋間筋を固めていくと、呼吸する度に無理な筋肉使いとなります。それが肋間筋をますます硬く固め、そして膨張していきます。筋肉を鍛えると盛り上がり大きくなるのと同じでことです。
喘息の女性罹患者の多くが、胸郭が異常に大きくなって固まっています。肋間筋のコリが原因です。肋間筋や胸鎖乳突筋などの呼吸筋が動かなくなると、僧帽筋や広背筋を使って胸郭を動かすことになります。仰向けに寝ると息ができなくなる。と言う人が多いのですが、それは、自分の体重で肩の僧帽筋や背中の広背筋を押さえつけて動けなくしてしまうことで起きることです。

●治療法
まず、胸鎖乳突筋(特に起始)、甲状腺筋、喉頭筋、咽頭筋を解し気道を確保する。ただし、これらの筋肉を解していくときに咳が出てきます。強く圧するようなことをしてはいけません。気を送るようにして解していくことです。咳によってつくられた過敏な筋肉が正常になると咳も治まってきます。次に胸乳突筋、胸筋、肋間筋の順で解していきます。
長期に渡って喘息を患い、ステロイド治療を受けている場合、腎機能のダメージも大きいので、仙棘筋、腎臓を解していくことも忘れてはいけません。そして、徐々にステロイドの服用や吸引を断っていかなければなりません。この薬を断たなければ、絶対に完治はあり得ません。