眼の病気

このコーナーは著書「MMS 真昭社」に記載されているものを抜粋して掲載してあります。リンクしてもつながらないものや治療法などについては、本を参照して下さい。

1. 近視 2. 遠視 3. 乱視 4. 老眼(老視)
5. 斜視 6. 眼筋麻痺 7. 眼球乾燥症(ドライアイ) 8. 眼底出血
9. 網膜剥離と飛蚊症 10.白内障 11. 緑内障 12. 眼精疲労

1 近視

グラフィックス2近いところは良く見えるが遠いものはぼやけて見えないのが近視です。
現代の医療では「治らない」と医療者たちは公言しています。また、病気によるものでない単純な近視の場合、コンタクトレンズや眼鏡で矯正し視力が出れば問題がない。故に、近視は「治さなければならない病気ではない」とも言っています。
原因

●西洋医学的解釈
本態性。入ってきた光が、網膜よりも前に像を結ぶために、遠くがかすんでしまう。

●MMS解釈
「入ってきた光が、網膜よりも前に像を結ぶ」と西洋医学では言っています。それなら、何故そのような状態をつくり上げるのか?それが重要です。それを無視すれば原因は不明のままです。
カメラやビデオとは違い人間の目は「物を見る」という意識が働かなければ見えません。目に光が入ってくるから見える訳ではありません。見るための機能が働き、それで見えてくるのです。
網膜の前に画像が結ばれるから遠くがかすむというのも納得のいく理論ではありません。
人間は、近くを見ると意識したとき眼球を前に出し、遠くを見ると
きには後ろにします。そのことで距離感も掴めます。見るという意識が、筋肉を動作させ焦点を合わせていきます。近視になってしまうのは、遠くを見ようとしたとき、眼球を動かす筋肉が固まって動かないためで、近くしか見られない位置に固定されているからです。
眼球の周りに、眼球を動かすための筋肉があります。(図23)眼球の上側にある筋肉を上直筋、下側にある下直筋、鼻梁側にあるのが内
直筋、外側にあるのが外直筋です。他にも上斜筋や下斜筋があります。そして、それらの筋肉の外側は伸筋、内側は屈筋になっています。また、眼球についている側は停止で、付け根側は起始となります。(以後一つ二つの筋肉を指す場合、それらの筋肉を表すとき、上直筋、下直筋、内直筋、外直筋の四つの筋肉を同時に述べるとき、上直筋、下直筋・・・・と並べると繁雑になるため、単に直筋とします)これらの筋肉が眼球を動かして、方向性や距離を掴んでそれを調整しているのです。
眼球の根元は視神経や動静脈があり視床に固定されています。近くを見るとき、直筋の外側の伸筋が働きせり出すように眼球が前に出てきます。必然的に眼球は縦楕円になり、その先端にある水晶体も縦楕円になって凸レンズをつくります。逆に遠くを見るときには、直筋の内側の屈筋が働き眼球が後方に引っ張られ横楕円状になり水晶体が凹になります。
近視は、胸鎖乳突筋や頭板状筋などの頸筋が固まって目への血流が悪くなっているときに、真剣に物を見て凝視したり、長時間一つのものを見ているなどをしていると、直筋が固まって眼球を前後に動かすことができなくなります。そしてその状態を続けていると、直筋が硬直してコリになり完全に眼球の前後運動ができなくなります。この状態が近視と言えます。
近視は、硝子体と水晶体がどんぐりのように縦楕円形になっている訳ですから、網膜と水晶体の距離が遠くなります。単にこれを見ると、西洋医学がいうように「網膜の前に焦点が合わさり像が網膜の前につくられる」と、なります。
近視をつくる直筋のコリは上直筋、内直筋、外直筋のコリですが、ときには単独で固まっている場合もあります。この直筋のコリを進行させるのは、胸鎖乳突筋、頭板状筋、頭半棘筋、棘上筋のコリで、このコリが直筋への血流を阻害し、直筋の代謝を衰えさせ老化させてしまうからです。また、胸鎖乳突筋のコリによる収縮が、直筋を引っ張り、動きを妨げてしまうことでも近視が起きてきます。そして、胸鎖乳突筋のコリは、目を動かす神経の動眼神経の働きを阻害します。
胸鎖乳突筋、棘上筋、直筋のコリを取っていくと、瞬時に明るくなり視力が回復してきます。しかし、一端緩んだ筋肉も時間が経つと硬くなり、何もしなければ元の固まった筋肉となり、明るさも視力も衰えてしまいます。それを防ぐには固まった筋肉を繰り返し解していくことです。
近視は、徐々に改善されていくのがベストです。施術が正しければ必ず良い結果が出てきます。0.01の視力の人が1.0の視力に改善したという例もあります。

2 遠視

遠視は、遠いところも近いところも見えにくく、しっかり見るように努力しないと見えないので非常に疲れると言います。

原因

●西洋医学的解釈
目の調整をしない状態では、網膜の後ろにピントが合わさるようになっている。遺伝的な素因が大きい。子供に多く、成長するに従って正視や近視にもなってくるというデータもある。治療法はなく、眼鏡を掛けて調整するしかない。

●MMS解釈
遠視は、正視の状態より眼球が平べったくなっています。それも、周囲の直筋のコリによってつくられます。近視は、直筋の伸筋側が固まって凝っているのに対して、遠視の場合には、伸筋側、屈筋側の両方にコリをつくっています。このことで眼球の前後運動がスムースにできなくなっています。
見るためには、硬く固まった直筋の屈筋を無理に伸筋で押して眼球を丸くするために、相当の力が必要となり疲労の原因になります。
これも、直筋への血流不足が原因で、血流を阻害している胸鎖乳突筋を解し、目への血行を良くした後、直筋を解し、硬くなった眼球を軟らかくしていくと改善されます。

3 乱視

何処にも焦点が合わず、物が二重に見える。このような症状をもつのが乱視です。

●症状
遠いところも近いところも見え難く疲れやすい。物が二重に見える(復視)。斜視でも、二重に見えることがあるが、斜視は、片目で見たときは一つに見えることで乱視と斜視に分けている。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
乱視は、正乱視と不正乱視に分けられる。正乱視は角膜のカーブの程度によって起こるもの。正視と近視(遠視)が組み合わされて起こる単乱視。近視と近視(遠視と遠視)が組み合わされて起こる複乱視、近視と遠視が組み合わされた混合乱視などである。
不正乱視は、角膜の病気や怪我などによって起こる視力障害。
乱視になる原因は、主として角膜にあり、先天性が多い。角膜は、瞼によって常に押されているからである。不正乱視では、角膜の病気や白内障の手術後や角膜移植後にも起きる。この場合は医原病である。

●MMS解釈
西洋医学では、「瞼で常に角膜が押されている」としています。しかし、瞼が角膜を押して歪がませるような力を持っているとはとても思えません。
乱視の原因となるのは、直筋や眼輪筋のコリによるものですが、四つある直筋の、一つの直筋の全部が固まりコリをつくれば近視や遠視になっていきますが、直筋の一部だけを固めると、その筋肉の収縮が眼球を変形させ水晶体を歪ませます。そのために像が歪んでしまうと考えています。また、眼球自体のコリが歪みをつくります。
眼輪筋のコリも水晶体を歪ませます。上瞼の眼輪筋は比較的強い力を持っていて、その一部が固まると焦点が合わなくなってきます。水晶体の歪みと同時になると複雑な乱視となります。
西洋医学では、角膜だけに問題があると指摘していますが、わたしの経験から言えば硝子体、水晶体の歪みの方が乱視の主原因と言えます。

4 老眼(老視)

年を経て近くのものが見えなくなった状態を老眼と言っています。「近視だったから老眼にはならない」という人がいますが、そのようなことはありません。近視の人でも遠視の人でもなる病気です。

●症状
新聞や本を見るとき目から離さないと良く見えない、薄暗いところでは小さな字が読みにくい、などの症状で老眼が始まります。近くは見えにくいが遠いところは見えるのが老眼です。

原因

●西洋医学的解釈
近くを見るとき、毛様体筋が収縮して水晶体が厚くなり近くを見ることができるが、水晶体に弾力がなくなり、水晶体が厚くなったり薄くなったりできなくなったのが老眼。また、治すことはできないので眼鏡を掛けて調整するという方法を用いる。

●MMS解釈
毛様体筋という薄い筋肉では水晶体を動かすことはできません。水晶体を動かすのは直筋です。そのことは近視や遠視の項で述べているので重複をさけます。
原因は、直筋が老化し萎縮して眼球を奥に引っ張り水晶体が凹レンズになって固定されてしまうためです。萎縮の原因は、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋、頭半棘筋、頭板状筋、棘上筋などのコリが直筋への血流を阻害するからです。血流不足から代謝が衰え老化し、それが進んで萎縮していきます。それらのコリを取って直筋のコリを取っていくと、即座に視力が回復していきます。ただし、一端固めた筋肉は直ぐにその状態に戻ってしまうので、頻繁に解す必要があります。
老眼で霞んで見えなくなるのは、眼輪筋に眼房水が溜り、水を通して物を見るようになるからです。
眼球には血管はありません。眼球へ栄養を運ぶのは房水という水ですが、その水の循環が悪くなるから霞んでしまうのです。その循環を阻害するのは、隅角の部分と、目頭や目尻にある涙線筋のコリです。コリの圧迫によって菅が詰ってしまうからです。この循環が極端に悪くなると眼圧が上がってきます。
房水の循環が悪くなると、目の下にたるみが出てきます。つまり目袋です。また、瞼が垂れ下がってきます。
「光量の無い薄暗いところで見えない」それは、房水の循環が悪くなり新しい栄養素の高い房水が水晶体に流れなくなるからです。放っておけば水晶体が老化し、ますます見えなくなってしまいます。
眼輪筋、隅角、直筋、水晶体のコリを取っていくと近くをはっきり見ることができるようになります。

5 斜視

物を見るときに、片方の目は目標方向を見ているのに、もう片方の目は違う方向を見ているというのが斜視です。
西洋医学では、内斜視と外斜視に分けています。内斜視というのは、片方の目が目標点より内側を向いているもので、外に向いているものを外斜視と言っています。内斜視には、焦点合わせのときに生じる調節性内斜視とそれ以外の非調節内斜視があり、上下にずれている斜視を上下斜視と呼んでいる。そして、常に斜視になっているものを恒常性斜視と言い、時々起こる斜視を間欠性斜視と言っています。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
乳児期から幼児期の眼の機能の発達途上、感覚系、神経系などの障害があると発生し、左右の目に視力の差があり両眼でうまく見ることができず斜視になる。また、遠視や目の筋肉、神経の異常によってもなる。

●MMS解釈
斜視の原因は、ほとんどが直筋(眼球の周りにある六つの筋肉)のコリによって起こります。例えば、片方の目の外直筋が固まっていれば内斜視になり、内直筋が固まれば外斜視になります。また、眼球の片側が固まっている場合もあります。
その他にも、片方の上唇鼻翼挙筋が固まり、眼輪筋が固まって眼球が動かない場合もあります。それに、胸鎖乳突筋のコリの影響が高く、胸鎖乳突筋のコリを取っただけで斜視が治ったという例もあります。また、瞼の下の筋肉やこめかみの筋肉が固まっていても斜視をつくります。これらの筋肉のコリは単独であったり複数であったりします。
西洋医学でいう間欠性斜視は、これらの筋肉がちょっとした刺激によって固まって起きます。また、筋肉が固まるクセを持ってしまう場合もあります。恒常性斜視は常にこれらの筋肉が固まっていると解釈すれば良いでしょう。

●治療法
まず、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋のコリを取っていきます。中間部の喉側のコリは影響が高い。斜視になっている側の咬筋、上唇鼻翼挙筋、眼輪筋のコリを取り様子を見て斜視に影響なければ直筋を解していきます。段階を経て施術していくと原因が掴みやすくなります。

6 眼筋麻痺

目の筋肉が麻痺して、眼球をスムースに動かせなくなるのを眼筋麻痺と言っています。

原因

●西洋医学的解釈
生まれつきの場合と事故、腫瘍、炎症、出血、糖尿病、目の病気、脳や神経、全身のなどいろいろな原因で起こる。

●MMS解釈
いろいろな病気が原因すると言ったら、例えば、糖尿病が治らなければ治らないことになってしまいます。他の病気が原因ではありません。一つの病気がつくられる過程で、さまざまな部位が固まっていきます。眼筋麻痺を糖尿病や他の症状の所為にしてはいけません。糖尿病は糖尿病、顔筋麻痺は顔筋麻痺として考えることです。糖尿病になるようなからだでは、当然、胸鎖乳突筋なども固めています。その胸鎖乳突筋のコリの位置が、動眼神経を圧迫する位置であれば、眼筋麻痺になっても不思議はありません。
眼筋麻痺は、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋、頭半棘筋、頭板状筋、上唇鼻翼挙筋、咬筋、眼輪筋、直筋などのコリがつくっています。その中でも胸鎖乳突筋と直筋のコリが主原因と言えます。

●治療法
原因を先に掴めれば治療は早く済みます。しかし、そう上手くはいきません。原因を特定できないとき、前記した筋肉を探ってみることです。硬く痛みのある部位が原因であることが多いので、その筋肉のコリを取っていくことです。

7 眼球乾燥症(ドライアイ)

目が乾く病気です。ドライアイとも言います。結膜から涙が出なくなるために起こる病気と西洋医学では述べています。

●症状
目が乾燥した感じとともに痛みが出てくる。角膜も濁ってくる。角膜や結膜の表面に傷が付き眩しくなるなどの症状がある。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
スティーブンス.ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)などに罹り全身の粘膜が犯される病気やビタミンA不足、結膜、涙腺の萎縮、トラコーマなどによって起こる。

●MMS解釈
現代医療の治療法をみると、頻繁に人工涙液を点眼する方法と、手術して涙が鼻の方に流れる出口である涙点を塞いで少しでも涙を溜めるようにするというものです。
「何ともいやはや」と言いたい姑息療法です。このような手術をしたら、病気が治ったとき、涙点を塞いでしまっている訳ですから、今度は涙が溢れてしまいます。それとも治らないという前提で行っているのでしょうか。
水源地に、たっぷりと水はある。だが、途中の配管が詰まって流れて来ない。このようなものがドライアイです。配管の詰まりを取れば涙水は流れます。流れて来ない水を待って出口を堰き止めても水は溜まりません。いつ降るか分からない雨の日を待つというのでしょうか?策のない話です。それに、涙を溜め込んではだめで、循環させなくてはいけません。
主原因は胸鎖乳突筋のコリで、角膜が硬くなり、眼球の外側上にある涙腺の部分を固めるとこの病気になります。涙腺と隅角の部分を解せば、涙は循環するようになります。

8 眼底出血

眼底にある大小血管が破れて出血するものです。

原因

●西洋医学的解釈
浅い部分の出血、深層部の出血でその原因となる病気が判る。浅い部分の出血は、高血圧症、動脈硬化症、視神経の病気のときに起き線状や全面が真っ赤になる。深層部の出血は、糖尿病、貧血、白血病に起き、点や斑点の形になる。動脈が白くなっていれば、高血圧症で、白く、光っていれば動脈硬化症、動脈硬化に小さな膨らみが見えれば糖尿病、静脈の壁が白くなっていると結核である。
●MMS解釈
出血はいろいろ考えられますが、まず、眼底の動静脈が脆(もろ) くなっていることが直接の原因です。それは、眼底への血流不足から眼底動静脈の代謝が衰え老化した結果です。
その脆くなった血管に、強い血圧が加わったとき、血管が破れて出血します。それをつくるのは、胸鎖乳突筋のコリが主原因です。出血していても、この部分のコリを解し、血流を正常にすると出血は治まっていきます。
西洋医学では、さまざまな病気の所為にしてしまいます。それでは、真意が見えてきません。
もし、西洋医学のいうように高血圧が原因なら、高血圧症の人全員が眼底出血にならなくてはいけなくなります。
高血圧の多くは、頸筋の胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋、棘上筋などのコリが原因でつくられます。その一部のコリが、極端に血管を狭窄したとき、その先の血流は強い流れとなって動眼動脈に流れ込み、その先の毛細血管に流れ込んだとき、老化した血管が破れて眼底出血をつくります。
高血圧をつくる原因と眼底出血をつくる原因は同じようなところにあります。ですから、高血圧症になっている人の多くが眼底出血を起こす要因を含んでいるということです。他の病気についても同じようなことが言えます。

9 網膜剥離と飛蚊症

網膜が眼底から剥離した状態を言います。剥離は進行していくので早めに手当をする必要があります。

●症状
目の前に虫が飛んでいるような飛蚊症が起き、急に起こったり数が増えてきたりする。光がちらつく感じや物が歪んで見えるようになる。
網膜剥離になると、視野障害が出てくる。剥離が眼球の上に起これば下の方が欠けて見え、視力も落ちてくる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
網膜に裂け目ができ、硝子体の変化した液体が網膜の後ろに入り込み剥離させる。近視が強くなり眼球が大きくなり、網膜を引き伸ばし裂け目をつくる。強度の近視の人は打撃を受けないよう注意することが大切である。

●MMS解釈
まず、眼底への血流が悪くなっています。胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋のコリが原因です。眼底の筋肉に血液が流れていかなければ網膜へも血液は流れていかず代謝が衰え老化します。老化し萎縮していくと眼底筋肉と網膜の粘着性が無くなり剥離していきます。
網膜は眼底筋肉にくっついています。網膜と眼底筋肉がともに老化して萎縮した場合そのままですが、網膜だけが萎縮した場合、収縮率の違いから眼底筋肉から剥がれてしまいます。
また、直筋が固まりコリをつくるとその収縮が硝子体を圧迫して眼球を変形させます。その力で網膜を剥離させてしまいます。
飛蚊症になるのは、水晶体が硬くなり一部分が固まり、そこに房水が流れずタンパク質の塊ができ、その部分はレンズの役目をしなくなり欠けて見えるようになります 。その原因をつくっていくのは、胸鎖乳突筋の停止部のコリです。それが顔面動脈を圧迫して血液循環を阻害し塊をつくります。また、咬筋、頬筋のコリも、その下を通っている眼角動脈を圧迫し、血液循環を悪くして塊をつくっていきます。
また、硝子体の一部が眼底から離れてそれが網膜に影をつくるとも考えられますが、いずれにしても眼底への血行不良がもたらすものです。

●治療法
胸鎖乳突筋や咬筋、頬筋のコリを取り顔面動脈、眼角動脈の流れを良くしていくことです。上唇鼻翼挙筋、眼輪筋、こめかみなども良く解した後、眼球をデリケートタッチを用いメルトタッチで解していくことです。

10 白内障

水晶体が白く濁る病気です。以前は「白底翳(そこひ) 」と呼ばれていました。先天性の白内障と老化現象の結果としての老人性白内障があります。

●症状
視力が衰えてくるという以外、自覚症状はありません。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
先天性白内障というのは生まれつき水晶体が濁っているもの。老人性白内障が最も多く、高齢になり水晶体の栄養が悪く濁ってくるものであるが、若い年齢層にもある。
先天性には、遺伝性と妊娠中の病気 (代表的なものには風疹)があり、X線照射や薬剤の影響によるものもある。
老人性白内障は、老化現象だが、目に怪我をした後に起こる外傷性白内障、糖尿病罹患者の糖尿病性白内障、ステロイド薬を長期服用して起こるステロイド白内障、放射線が目に当たって起こる放射線性白内障、目の病気が原因となる併発白内障などがある。
視力が落ちてきても放っておくか目薬を点眼するしかない。一端、濁った水晶体は透明にはならない。後は、手術してレンズを入れるなどの方法がある。

●MMS解釈
老化現象というのは、細胞が老化するのであって高齢になったからといってなるものではありません。細胞の老化の原因は、代謝の衰えであり、血流不足から起こってくるものです。
白内障は、典型的な眼球やその一部である水晶体への血流不足から起こります。その血流不足は、眼角動脈、顔面動脈を圧迫するからで、胸鎖乳突筋や咬筋、頬筋、上唇鼻翼挙筋、眼球のコリが原因です。これらのコリを取っていくと、水晶体の濁りが取れ透明になってきます。しかし、代謝時間に関わることなので、病状によってはかなりの期間を要するときもあります。
糖尿病白内障などの治療に関しても、糖尿病がつくるのではなく、糖尿病のような病気になる人は、目の血流も悪くなっている。だからなる。と、考えるのがリーズナブルです。

11 緑内障

眼球内の圧力(眼圧)が高くなり目の働きが損なわれる病気です。
白内障の「白底翳」に対して、急性緑内障では、角膜が浮腫外から緑色に見えるので「青底翳」と言っているようです。慢性の緑内障では瞳孔は黒く見えます。
眼球の中には、目の栄養素を運ぶ房水という水が循環しています。その房水の量は常に一定ですが、房水の出口である隅角の部分が詰まってしまい流れにくくなり、房水が一定の量を超えて溜まるために水圧が高くなり、その圧力で眼球を圧迫するために見えなくなってしまう病気です。(西洋医学)

●症状
急性緑内障では、急に眼圧が高くなり、視力が悪くなり、目の痛みや頭痛を起こす。吐き気をもよおすこともある。
慢性緑内障では、正常より眼圧が高い状態が続き、だんだんと視力が悪くなり、視野も狭窄され失明することもある。自覚症状は、ある人も無い人もいて一律ではない。
緑内障の視野狭窄は、最初に鼻側が狭くなり、進行していくと中心が見えるだけで周りが見えなくなる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
隅角が狭くなって起こる閉塞隅角緑内障。隅角の働きが悪くなって房水が流れ難くなって起こる開放隅角緑内障や広隅角緑内障がある。
急性緑内障では、閉塞隅角緑内障が起き、慢性緑内障では、開放隅角緑内障が起きる。

●MMS解釈
まず、目だけの問題ではありません。肩コリや首のコリが大きく関係しています。
房水が循環されず眼球内に溜まり眼圧を高めてしまうのは、隅角の部分の問題だけではありません。
西洋医学でいう、閉塞隅角緑内障や開放隅角緑内障、広隅角緑内障が起きるのは、隅角部の筋肉にコリをつくり固めてしまい隅角の開閉をし難くさせてしまうからですが、まだ他にも理由があります。
隅角から流れ出た房水は、鼻涙管から鼻の方に流れていきますが、上唇鼻翼挙筋や下鼻道部を固め、菅を詰まらせてしまうと、房水は循環されなくなります。
視力の衰えは、眼角動脈、顔面動脈の流れを悪くすることで、直筋や眼球の筋肉を老化させるからです。血流も良くして固まった直筋や眼球のコリを取っていけば視力は改善します。
斜視は、上唇鼻翼挙筋、咬筋、頬筋、眼輪筋のコリが原因です。慢性緑内障で最初に起きる鼻側の視野狭窄は、多分に側頭頭頂筋、前耳介筋のコリが眼球を外側に引っ張り視野を狭窄させているからです。
慢性緑内障が進み中心部しか見えなくなってしまう。それは、目を取り囲む顔面全体の筋肉や、眼輪筋、直筋のコリが眼球を動けなくさせてしまうことの他、浮腫がタンパク質でできている水晶体を駄目にしているからです。
浮腫の起きる原因は、房水の循環を悪くしたまま放置するからで、早めに房水の循環を良くすれば済むことです。房水の循環を良くして眼圧が低くなったら、眼球を解していけば浮腫は無くなります。いずれも多種の筋肉のコリが原因です。固まった筋肉を解していけば改善される病気です。

12 眼精疲労

眼精疲労は病気ではありません。目が疲れるという症状です。

●症状
目を使うと、目が痛い、疲れる、霞む、眩しい、涙が出る、充血するなどの他、頭痛や肩コリ感、吐き気をもよおすと言った症状がある。

原因

●西洋医学的解釈
遠視、乱視などの屈折異常、結膜、角膜の病気、緑内障など目そのものに原因がある場合。
妊娠、妊娠中絶、授乳、高血圧、低血圧、心臓、胃腸、腎臓の病気、自律神経やホルモン、代謝の異常などのからだの状態が悪い場合。
照明や小さいものを見続けたとき、ノイローゼ、ヒステリー、不安などの環境や心理的な要因。以上が眼精疲労をつくる。治療は目薬をつける。

●MMS解釈
眼精疲労をつくる原因は何か?最初にあげられるのは、棘上筋、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋のコリで、次に、咬筋、頬筋、上唇鼻翼挙筋、眼輪筋、そして眼球のコリです。
西洋医学の「からだの異常からくる」と漠然としたものでは原因を掴むことはできません。
何処かにからだの異常をつくったとき、棘上筋や胸鎖乳突筋を固めていきます。一つの筋肉でもその位置の違いによって症状は変わってきます。棘上筋や胸鎖乳突筋のコリの位置が目に影響する部分であれば、眼精疲労を引き起こすことになります。環境や心理的なものからというのも、そのことによって、棘上筋や胸鎖乳突筋などを固めていくからです。
しかし、高血圧、低血圧、心臓病、妊娠や妊娠中絶からも眼精疲労が起きるとしたら、眼精疲労は治せなくなります。また、西洋医学では高血圧も低血圧も本態性です。原因不明なものが何で眼精疲労の原因と言えるのでしょうか?
目の病気からの眼精疲労も同じようで、不自由な目を使って物を見ていれば、肩や首が固まってしまいます。
乱視の場合、苦労して物を見ることになります。それでは正常な人に比べて疲れます。それが、胸鎖乳突筋や棘上筋を固めていきます。そのコリが眼精疲労をつくるのです。目の病気がつくるのではありません。その証拠に、棘上筋や胸鎖乳突筋のコリを取っていくと眼精疲労は無くなります。
目が痛い、疲れる、霞む、眩しい、涙が出る、充血するなどの症状を考えてみましょう。
目が痛い、霞む、眩しい
眼輪筋や眼球のコリが原因です。胸鎖乳突筋のコリを取った後、眼輪筋や眼球を解していけば症状は無くなります。
涙が出る場合
涙腺部のコリが原因です。コリによって涙腺を閉じることができず涙が止まらなくなるのです。
充血する場合
胸鎖乳突筋のコリ、眼輪筋、直筋のコリが原因です。
頭痛
目の使い過ぎなどで胸鎖乳突筋、頭半棘筋、頭板状筋などを固めたとき、眼球を固めたときに起こります。
吐き気
胸鎖乳突筋の起始部や鳩尾部にコリをつくると起きます。
眼精疲労は病気ではありません。一つの症状です。眼精疲労をつくっている原因を取れば解消です。
以上のことから、各所につくるコリが眼精疲労の素です。目薬をつけても治りません。一時的に目がすっきりするだけのことです。