呼吸器系の病気

このコーナーは著書「MMS 真昭社」に記載されているものを抜粋して掲載してあります。リンクしてもつながらないものや治療法などについては、本を参照して下さい。

1. 気管支炎 2. 肺炎 3. 肺気腫 4. 過換気症候群
5. 呼吸不全 6. 睡眠時無呼吸症候群 7. 気胸 8. 胸膜炎(肋膜炎)、膿胸
9. 肺水腫 10. 気管支喘息

気管支炎

気管支炎とは、咳や痰を主な症状とする気管支の炎症です。西洋医学では、急性気管支炎と慢性気管支炎の二つに分類されています。

西洋医学の解釈

急性気管支炎は、主にウイルスや細菌感染により引き起こされる一過性の炎症で、風邪の延長として発症することが多く、年齢に関係なく誰にでも起こります。一方、慢性気管支炎は、長期間にわたる気管支の炎症により持続的な咳や痰が見られるもので、40歳以上の中高年者に多く見られます。

西洋医学では、「急性気管支炎が慢性気管支炎へ移行することはない」としていますが、急性の炎症が慢性的な状態を悪化させることはあると認められています。

  • MMS理論による解釈

MMSでは、気管支炎の本質的な原因を「首や胸郭周囲の筋肉のコリ」による血流障害と神経の圧迫と考えています。

特に胸鎖乳突筋、斜角筋、肋間筋、肩甲下筋などが過緊張を起こし、肋間神経や迷走神経を圧迫すると、咳反射が過敏になり、炎症が起こりやすくなります。さらに、気管支周囲の筋肉が硬直すると、気道の通気性が悪化し、痰が排出されにくくなり、咳が慢性化していきます。

また、気管支を取り巻く血流が悪化することで、局所の免疫力が低下し、ウイルスや細菌感染の温床になりやすくなるのです。したがって、急性も慢性も、本質的には筋肉のコリと血流障害が根本的な原因であると考えます。

  • 治療法

MMSの治療では、以下の筋肉を丁寧にほぐしていきます。

脚の筋肉群・胸鎖乳突筋(特に起始部と停止部)・斜角筋群・肩甲下筋、前鋸筋・肋間筋(特に第2〜第6肋間)・頸椎から出る神経根(特にC3〜C6)これらの筋肉をほぐすことで、気道を支配する神経や血管の圧迫が解放され、炎症や咳反射が収まりやすくなります。

慢性気管支炎の場合は、長年の筋肉の緊張が定着しているため、1回や2回の施術では改善しにくいこともありますが、継続して施術することで、咳や痰の軽減が期待できます。

また、日常生活においては、猫背やうつむき姿勢、冷えによる肩や背中の緊張を避けることも再発予防に有効です。

04-01-1急性気管支炎

性気管支炎とは、咳や痰、発熱などを主症状とする気道の急性炎症です。炎症の主な部位は気管支ですが、その発端は咽頭や喉頭にあります。

  • 西洋医学の解釈

西洋医学では、急性気管支炎は風邪や喫煙過多、大気汚染などによって上気道が刺激され、咽頭・喉頭に炎症が生じ、それが気管支へ波及して発症するとされています。ウイルス感染による呼吸器感染症の一部であり、咽頭炎、喉頭炎に続いて気管支粘膜が炎症を起こすと説明されています。年齢を問わず誰にでも起こる可能性があり、数日から数週間で回復することが多いとされています。

  • 症状(西洋医学)

咳(乾いた咳や痰のからんだ咳)・発熱・痰の増加・鼻汁、鼻づまり・喉の痛み・しわがれ声(嗄声)・頭痛・咳が激しくなり、喘息様の状態になることもある。

  • MMS理論による解釈

MMSでは、急性気管支炎の本質的な原因を「咽頭・喉頭周辺の筋肉のコリ」および「気道周辺の筋肉のコリ」と位置づけます。風邪や埃、煤煙、病原菌といった外的要因がきっかけとなり、咽頭・喉頭部の筋肉に刺激が加わると、咳反射が起こります。この咳を何度も繰り返すことで、筋肉が炎症を起こし、コリが形成されるのです。さらに、その部位がデリケートになっていると、飲食や会話といった日常の刺激でも咳が誘発されるようになります。咳を起こす筋肉には、腹筋・胸筋・肋間筋・胸鎖乳突筋・背筋などがあり、頻繁な咳によってこれらの筋肉にもコリが生じ、咳が慢性化していくのです。

各症状の原因筋(MMS的分析)

咳:咽頭・喉頭・気道の筋肉のコリ(胸鎖乳突筋の起始部など)

鼻汁・鼻づまり:耳下、鼻道、上唇鼻翼挙筋のコリ

発熱:胸鎖乳突筋の中央部のコリ

痰:咽頭・喉頭・気道を取り囲む胸鎖乳突筋の起始部のコリ

  • 治療法

急性気管支炎を改善するには、まず咽頭・喉頭の筋肉の緊張を解き、気道周囲の胸鎖乳突筋の起始部を丁寧にほぐしていきます。発熱がある場合には、胸鎖乳突筋の中央部も施術対象とします。鼻汁や鼻づまりには、胸鎖乳突筋の停止部(耳下)、鼻道、上唇鼻翼挙筋を重点的に解します。これらの筋肉を解した上で、それでも咳が止まらない場合には、以下の咳をつくる主要な筋群にアプローチします。

腹筋・胸筋・肋間筋・胸鎖乳突筋・背筋これらの筋肉のコリは、直接触れて確認するか、または手が届かない深部には「気」を送るようなイメージで間接的に刺激を与えることでも確認できます。咳が誘発されるポイントが見つかれば、そこが施術対象となります。

咳をつくる部位は多部位にわたるため、丁寧で注意深い観察と触診が求められます。

04-01-2慢性気管支炎

慢性気管支炎は、気管支に慢性的な炎症が起き、痰や咳といった症状が長期間持続する病気です。急性気管支炎が短期間で自然に改善されるのに対し、慢性気管支炎は長年の刺激や炎症によって筋肉が強く固まり、慢性化しているのが特徴です。

  • 西洋医学の解釈

西洋医学では、慢性気管支炎はおもに40歳以上の中高年者に多く見られるとし、喫煙や大気汚染などが原因とされています。急性気管支炎とは区別されており、急性が慢性へ移行するわけではなく、慢性の気道炎症が急性化して悪化することがあると説明されます。

症状としては、粘液を伴う咳(特に朝方)や、呼吸困難、痰の慢性的な分泌などが挙げられます。また、蓄膿症や扁桃炎などの他の炎症性疾患を併発する場合もあります。

  • MMS理論による解釈

慢性気管支炎の本質的原因は、咽頭・喉頭・気道の筋肉に生じた長期間にわたる「強固なコリ」にあります。初期の急性炎症において筋肉が刺激され、それを繰り返すことで筋肉は慢性的に硬直し、症状を慢性化させていきます。

咳や痰といった症状は、コリのある筋肉が日常の動作や呼吸によって反応し続けているために引き起こされます。また、コリが周

囲の組織へと波及すると、蓄膿症や扁桃炎といった症状も併発する可能性があります。

  • 治療法

治療の基本は、急性気管支炎と同様です。まずは咽頭・喉頭の筋肉のコリを取り除き、続いて胸鎖乳突筋の起始部・中央部を丁寧に解します。その上で、咳をつくっている筋肉──腹筋、胸筋、肋間筋、背筋など──のコリを的確にほぐしていきます。

ただし、慢性気管支炎の場合は以下のような特徴があるため、より慎重かつ根気のある対応が求められます。

・長年のコリにより筋肉が異常に硬くなっている

・症状が多部位に広がっている可能性がある

・咳のきっかけとなる部位が分かりにくい場合がある

そのため、筋肉を直接触れるほか、呼吸や咳の反応を利用しな

がら、反応部位を注意深く探り、刺激に反応する筋を的確に特定

していく必要があります。

慢性気管支炎もまた、原因である筋肉のコリを根本から解消することで、症状は改善していきます。

04-02肺炎

ブドウ球菌
 
 

肺炎とは、主に病原体の感染によって起こる肺の炎症を総称したものです。西洋医学では、ウイルス性、マイコプラズマ性、クラミジア性、細菌性、真菌性、原虫性、寄生虫性など、さまざまな病原体による肺炎の種類があるとしています。

  • 西洋医学の解釈

肺炎の原因は、各種病原菌の感染とされています。発症形式には「市中型肺炎」と「院内型肺炎」があり、市中型は風邪をきっかけに誰にでも起こり得る肺炎で、肺炎球菌、連鎖球菌、各種ウイルスなどが関係するとされます。

一方、院内型肺炎は慢性疾患を持つ高齢者など、抵抗力の低下した入院患者に多発し、病原性の強い菌によるものが多いとされています。

  • 症状

発熱・悪寒・咳・痰・胸痛・呼吸困難(重症時)・チアノーゼ(唇や爪が紫になる)

  • MMS理論による解釈

肺炎は、最初に風邪や大気汚染、煤煙、病原体などの刺激によって気道が刺激され、呼吸に関わる筋肉が反応してコリをつくり、その結果、呼吸がしにくくなるという過程でつくられていく病気です。

中でも、胸鎖乳突筋の起始部(鎖骨付近)のコリが重要な要因となります。この部位が強く固まると、肋間筋の動きが阻害され、呼吸困難となります。呼吸困難な状況に無理に空気を送り込もうとすると、肺の筋肉にも負担がかかり、炎症が進行していきます。

このような環境において、もともと存在していた病原菌が異常に増殖し、検査で発見されるため、肺炎の原因と誤認されるのです。しかし、MMSでは病原菌はあくまで「きっかけ」に過ぎず、根本的な原因は筋肉のコリによる血流と代謝の異常と考えます。

薬は血液によって全身の細胞に運ばれますが、固くなった筋肉には血液が届かず、薬も届きません。これが、抗生物質を投与しても肺炎が治らない理由の一つです。根本的な治療には、原因であるコリを取り除く必要があります。

  • 症状ごとの原因筋(MMSの見解)

・咳:気管支炎の項で述べたように、咽頭、喉頭、気道、胸鎖乳突筋、腹筋などのコリ

・胸痛:肋間筋のコリ

・発熱:胸鎖乳突筋中央部のコリ(発熱の項を参照)

肺炎を引き起こす筋肉のコリは、しばしば風邪の咳や、気道を取り巻く筋肉の過緊張によって作られていきます。呼吸筋が硬直すれば酸素供給が不足し、肺の細胞に変性が起こりやすくなります。そこに病原菌が増殖すれば、さらに炎症が進むという悪循環を生みます。

重要なことは、病原菌はあくまで誘因であって「原因」ではないという視点です。

  • 治療法

治療の第一歩は、以下の筋肉のコリを的確に見つけ、丁寧にほぐしていくことです。

気道の筋肉、胸鎖乳突筋の起始部(鎖骨付近)、胸筋、肋間筋、腹直筋、これらの筋肉をほぐし、肺全体に気を送りながら、肺周囲の筋肉の柔軟性を回復させていきます。そうすることで肺の血流と代謝が正常化し、炎症は自然と収まっていきます。

なお、肺炎によって現れる咳や発熱などの症状は、別々の筋肉のコリが原因です。それぞれの項で述べた施術方法を適用することで、症状も改善していきます。

04-03肺気腫

肺気腫は、慢性気管支炎などと並び、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を代表する病気です。主な症状は息切れで、肺胞が破壊されて大小さまざまな穴が多発し、肺の弾力性が低下することで、スムースな呼吸ができなくなります。

  • 原因
  • 西洋医学の見解

肺気腫の原因について、西洋医学では明確なメカニズムは解明されていません。加齢に伴って肺胞壁の弾力が徐々に失われ、古いゴムのように弾性が低下していくところに、喫煙や大気汚染、感染症などの外的要因、および遺伝的体質などの内的要因が重なって発症するとされています。

  • MMS理論による解釈

MMS理論では、息切れの主な原因は腹直筋、胸鎖乳突筋、肋間筋といった呼吸補助筋の「コリ」にあると考えます。これらの筋肉が硬くなることで、胸郭の拡張が妨げられ、呼吸動作が制限されます。さらに、肋間筋や胸筋、胸鎖乳突筋のコリにより、局所の血流と

代謝が悪化し、その結果、肺胞膜を構成する細かな筋繊維や組織が脆弱になっていきます。この状態が長期にわたると、肺胞に穴があき、肺の弾性が損なわれるのです。つまり、肺胞の

04-10気管支喘息

気管支喘息は、咳や呼吸困難を反復する呼吸器の病気です。「ヒューヒュー」「ゼィゼィ」という音(喘鳴)が聞こえ、咳が出て、

空気をうまく吐き出すことができなくなります。発作は周期的に起こり、特に夜間や明け方に悪化する傾向があります。

  • 症状(西洋医学的解釈)

発作は、のどの詰まり感や、脳が締め付けられるような感覚から始まり、次第に喘鳴が出て呼吸困難が強まっていきます。重度

になると横になっていられず、前かがみになって座った姿勢でなければ呼吸ができなくなることもあります。

咳は空咳が多く、痰は粘り気の強い透明なものが出ます。さらに進行すると、咳が持続して**血中の酸素濃度が低下し、チアノーゼ(皮膚や唇が青紫になる症状)**を呈することもあります。

  • 原因
  • 西洋医学の見解

現代医学では、気管支喘息の主な原因はアレルギー反応とされており、ダニや花粉、ホコリ、ペットの毛などが引き金になると考えられています。その他にも、細菌・ウイルス感染、自律神経の失調、精神的ストレスなども発作の要因になるとしています。

  • MMS理論の解釈

MMS理論では、喘息の本質的な原因は呼吸筋(とくに胸鎖乳突筋や胸骨舌骨筋)の強いコリであると捉えています。これらの筋肉が固くなって収縮し、気道を物理的に圧迫することで呼吸が困難になるのです。

喘息発症の流れを以下のように解釈します。

もともとは病原菌や異物(埃、花粉など)に対する咳反射として始まる。

咳のしすぎにより、気道周辺の筋肉が傷つき、炎症や緊張を引き起こす。

過敏になった筋肉がさらに咳を誘発し、呼吸筋が固まり、喘息状態に陥る。

また、息を吐き出すときに使用される内肋間筋がうまく働かなくなることで、息がうまく吐けないという喘息特有の状態が起こりま

す。これは、外肋間筋が固まり、内肋間筋の動きを妨げているからです。

喘息の患者さんの多くは、肋間筋や胸郭が過度に硬く盛り上がっており、肩や背中の僧帽筋・広背筋を代償的に使って呼吸しているため、仰向けで寝ると自分の体重によってそれらの筋肉が動かなくなり、呼吸ができなくなるのです。

  • 治療法

MMSによる治療法では、まず全身の血流を改善することから始めます。以下のような順序で施術を行います。

大腿部の筋肉を解し、全身の血液循環を改善する

胸鎖乳突筋(特に起始部)、甲状腺筋、喉頭筋、咽頭筋をやさしく解すことで気道を確保する
※この際、強く圧したり揉んだりするのではなく、「気を送るように」丁寧に行うことが重要です。

咳によって過敏になった筋肉が緩むことで、咳も自然と治まっていきます。次に、胸筋、肋間筋の順で解していくことで呼吸をスムースにします。

長期間に渡り喘息を患い、ステロイドを服用・吸入している方の場合は、腎機能に大きなダメージがあると考えられます。そのため、仙棘筋や腎臓周囲を解し、腎機能を回復させる。

同時に、ステロイド薬の服用や吸引を徐々に中止していくことが必要です。

薬を使い続けていては、根本的な完治は望めません。筋肉のコリを取り除き、身体の代謝と循環を正常に戻すことで、喘息は治っていきます。

変性は呼吸筋のコリによる代謝不全が根本にあると捉えます。

  • 治療法

治療の第一歩は、腹直筋や胸鎖乳突筋、肋間筋などのコリを丁寧に取り除くことです。これにより代謝が回復し、肺胞周囲の組織の修復が促されます。

ただし、肺気腫の患者さんの多くは、腎機能の低下や血液・水分代謝の異常により、「水筋肉」と呼ばれる、ぶよぶよと弾力を失った筋肉の状態になっていることが多く見られます。したがって、呼吸筋のコリを取ると同時に、腎臓の機能を回復させ、水分代謝を正常化させる施術もあわせて行うことが重要です