女性の病気

このコーナーは著書「MMS 真昭社」に記載されているものを抜粋して掲載してあります。リンクしてもつながらないものや治療法などについては、本を参照して下さい。

1. 月経痛(月経困難症) 2. 子宮内膜症 3. 子宮筋腫 4. 子宮萎縮症
5. 卵巣炎 6. 不妊症

1 月経痛(月経困難症)

下腹部の圧迫感や痛み、腰痛、頭痛、吐き気、イライラ、だるさなどの月経随伴症状が出ます。これらの症状が強く出て日常生活が困難になる場合、月経困難症と言っています。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
機能的月経困難症と器質的月経困難症に分けている。機能的月経困難症とは、子宮や卵巣には何の異常もなく機能的なものを言い、器質的月経困難症とは、子宮や卵巣に病気があるもので、性器の炎症、子宮筋腫、子宮内膜症、癒着性子宮後屈症などの病気である。

●MMS解釈
西洋医学でいう機能的月経困難症についてその原因を考えてみます。
月経とは、初潮から閉経までの期間、4周期を目安に子宮の内膜が剥がれることを言います。内膜は、子宮が膨張することで破れて剥がれます。
子宮が膨張すると、その周りにある筋肉や回腸、大腸を圧すことになりますが、筋肉や回腸、大腸が軟らかければ自由に動きそのスペースを譲り問題はありません。しかし、コリをつくって固まっていると、子宮が膨張しようとしても容易にできなくなり、周りの筋肉や回腸を圧迫します。それが神経を圧迫し痛みをつくります。
月経痛を取るには、子宮周りの筋肉と腸を解して軟らかくしていけば痛みは無くなります。
月経痛がひどいとき、それに耐えるために腹部や首筋に力が入り、腹直筋や腹斜筋、胸鎖乳突筋を固めていくことで腹痛や便秘、頭痛、貧血を起こします。症状を取るには、原因部位を解すことです。症状の章で述べている原因や治療と何ら変わりはありません。

2 子宮内膜症

子宮内膜や子宮内膜様の組織が、子宮体部の内面以外の場所に増殖する病気です。
子宮内膜は、卵巣から分泌される女性ホルモンの働きによって、約28日の周期で月経を起こし、子宮内膜が子宮の内面以外の場所につくられても、周期的にも月経と同じ出血を起こします。
しかし、出血はしても、つくられた内膜が処理されないために溜まり、膿腫(のうしゅ) になったりします。卵巣にできるものでは、チョコレート膿疱があります。それは、膿腫の中にタール様に変化した古い血液を含んだもので、色がチョコレートのようになるのでその名前が付けられました。
子宮内膜症は、子宮の壁にできるものと、子宮の外にできるものとがあります。(西洋医学)

●症状
つくられた場所、大きさなどによって違っている。月経時に腫瘍部分が大きくなり月経困難症をつくる。
下腹痛、腰痛などの月経痛をつくる。その他にも、過多月経や過長月経もつくる。ダグラス窩にできると、子宮頚部や直腸の上部、S状結腸などを固め、それが性交時に激しい痛みを起こす。腸を圧迫すれば、通過障害や腸閉塞もつくっていく。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
本態性。原因不明。

●MMS解釈
正常な月経を繰り返すには、子宮への血流が潤沢でなければなりません。
子宮への血流が不足したとき、さまざまな症状や様態をつくり出していきます。この子宮内膜症もその一つです。
子宮への血流が不足すると、代謝が衰え子宮が老化していきます。子宮内壁は硬くなり、内分泌腺が潰れ、女性ホルモンを子宮内に分泌できなくなります。しかし、溜まった女性ホルモンは外に出す必要があり、その時に出やすい場所に分泌されます。そして、そこに内膜がつくられていきます。これが子宮内膜症であると考えています。場所は、卵巣、ダグラス窩、腹膜、膣、外陰部、膀胱、手術の傷などいろいろあるようです。そして、つくられた場所によって症状が変わってきます。
子宮内膜症の原因は、潤沢に流れるべき子宮への血液が衰えてしまうことにあります。腹筋や腸、股関節、恥骨周りの筋肉を軟らかく解し、子宮への血液循環を正常にしていき、内膜症のできた部位を解していけば、内膜症は消えていきます。

3 子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の筋腫で、昔は「できもの」とか「しこり」と呼ばれてきました。現代では、4人に1人がなると言われています。年齢別には30代が最も多く、次に40代が多いという統計があります。
大きさは、豆粒大のものからフットボール大のものまであります。また、複数できることが多いのも特徴です。
できる場所はいろいろで、子宮の内膜に向かってできる粘膜下筋腫、子宮の外側にある子宮漿膜(しょうまく) に向かってできる漿膜下筋腫、子宮の筋肉の中にできる筋層内筋腫などがあり、子宮の頚部や膣部にできるものもある。(西洋医学)

●症状
筋腫が小さい内は症状がありませんが、大きくなってくると、さまざまな症状をもたらします。それは、当然大きくなった筋腫が周りの部位を圧迫していくからで、過多月経や不正性器出血、貧血、便秘や頻尿をつくっていきます。また、常に腹部が張ったような膨満感をつくりだします。

原因

●MMS解釈
過多月経には理由があります。大きくなった筋腫が内膜を外に押した場合、通常の内膜では破れてしまいます。それに対抗するために内膜が厚くなります。体積の増えた内膜が破れて出てくるので月経量が増えるのです。
また、筋腫による圧迫を受けて一部の静脈部にうっ血部をつくると、内膜が破れたときに内膜内にうっ血していた血液が同時に出てくるので、通常の月経より出血量は増えてきます。
貧血
多量に出血をすれば当然起こりうることですが、胸鎖乳突筋のコリが原因しています。
便秘
大腸や直腸、括約筋を圧迫することでスムースな便の運行が阻害されて起きてきます。
頻尿
筋腫が膀胱の平滑筋を圧迫して刺激を与え、それが、膀胱内に尿が溜まって排泄時期にきたときと同じ反応を自動調節機能に与えてしまうためです。
膨満感
大きくなった筋腫が腸や腹筋を刺激して緊張をもたらすものです。

4 子宮萎縮症

正常であったはずの子宮が萎縮した状態を子宮萎縮症と言っています。

原因

●西洋医学的解釈
生理的な萎縮と病的な萎縮がある。生理的な萎縮としては、更年期以降に女性ホルモンの低下によって徐々に子宮が萎縮する老人性の子宮萎縮。また、授乳期にホルモンの影響によって子宮が萎縮する。
病的な子宮萎縮では、結核、ガン、糖尿病、慢性的な肝臓病、甲状腺、性中枢などの病気によるもの。また、卵巣機能の停止などが起きて子宮萎縮が起こる。

●MMS解釈
子宮萎縮は、子宮への血行不良によって起きてきます。全ての細胞は代謝を繰り返しています。子宮も同じで、常につくり替えがなされていなければなりません。代謝に必要なのは潤沢な血液です。それが供給されなくなれば代謝が衰え子宮は老化し萎(しぼ)んでいきます。
子宮への血流を阻害するものは、下腹にある子宮への動静脈の部分を圧迫する腸腰筋のコリや股関節上部、恥骨周りのコリです。これらのコリを解し、血流を良くしていけば回復します。
病気によって子宮萎縮がつくられる訳ではありません。病気によってつくられるなら、その病気になったら全ての人が子宮萎縮を起こしてしまいますが、現実にそのようなことは起きていません。やはりここも、「その病気になっている人の多くが子宮萎縮になっているという因果関係はあるが、直接の原因ではない」と、すべきでしょう。
糖尿病や肝臓病を患っているほとんどの人が、腸腰筋、股関節を固めコリをつくっています。
ガンになっている場合、そのできた部位にもよりますが腸腰筋や股関節を固めている人は多く、また、抗ガン剤を使っていれば全身の筋肉が萎縮します。当然子宮萎縮も起こり得ることです。

5 卵巣炎

卵巣に起った炎症を卵巣炎と言います。卵巣だけに起るということはなく卵管も炎症を起こしていることが多いようです。

●症状
発熱して下腹痛、卵巣の炎症によって膀胱や直腸が圧迫されて頻尿や便秘が起きる。慢性的になると、下腹の疼痛、鈍痛、腰痛が起きたりする。また、月経量が異常に多くなる、月経痛が出るなどが起きる。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
卵巣炎は、細菌の感染によって起きる。また、分娩、流産、早産、人工妊娠中絶などの際に、細菌の感染を誘引しやすい。

●MMS解釈
炎症の全ては、静脈の血管が詰まり心臓側に血液が流れなくなっているのに、動脈からは血液が流れ込み膨らんで緊張している状態です。
卵管や卵巣が、硬い腸などによって圧迫を受けデリケートになっているとき、細菌や異物が侵入して刺激されると、過敏な反応をし、筋肉を緊張収縮させます。その収縮が静脈を潰し詰まらせていきます。しかし、血液は動脈を通して流れ込んできます。卵巣の平滑筋は膨れ、腫れ上がってきます。これが卵巣炎です。
卵巣が正常な状態なら、細菌が侵入してきても異常な反応はせず炎症は起きません。細菌は原因ではなく、異状をつくっている卵巣に問題があるのです。細菌を駆除する薬を飲んでも治らないのは、その理由からです。

6 不妊症

子供を希望しながら2年以上妊娠しない状態を不妊症と言っています。明らかに女性に原因がある場合を女性不妊。男性に原因がある場合を男性不妊と言います。(西洋医学)

原因

●西洋医学的解釈
女性不妊の原因は
1 卵巣機能の異常。
2 卵管通過性の異常。
3 子宮の異常
4 膣の異常。
5 全身性疾患。
をあげています。
治療法は、1の卵巣機能の異常には、排卵誘発を行い、下垂ホルモン剤などの薬物療法。
2は、卵管通気法、卵管通水法を用いる。それで効果が無ければ手術。
3~5についての治療法は無いようです。

●MMS解釈
この悩みをもった女性の下腹に触れると、ほとんどの人が血液の循環が悪く冷たい下腹をしています。また、硬く締まったようになっています。
女性の下腹には、膀胱、子宮、卵巣などが存在しています。この部分に血液が流れなければいろいろな病気がつくり出されます。
運動をする、ハイヒールを履く、薄着をして冷やす(それだけではありません)ことをしていると、腸腰筋、股関節、腸、仙棘筋、臀部などを固めてコリをつくっていきます。それが、子宮動脈や、卵巣動脈などを潰し、子宮や卵巣への血流を阻害していきます。子宮や卵巣は代謝が衰え老化し、ひどくなると萎縮していきます。このようになった子宮や卵巣は、本来の機能を果たすことができません。
子宮に入った精子も、冷え切った冷たい環境では育ちません。卵巣にも届きません。運よく届いたとしても、栄養素もない冷たい環境で育つ訳がありません。精子は、暖かく柔らかいベッドがあって育つのです。
子宮機能の異常
そこに血液が届いていないから起きることで、潤沢な血液を送りこめば直ぐにも改善されます。
卵管の通過異常
腹直筋や腸のコリが、卵管を圧迫して狭めるために起きることです。これらの筋肉のコリを解し軟らかくしていけば通過障害は無くなります。
子宮の異常
腹直筋や股関節のコリを取り、圧迫されている血管を自由にさせて血液を通していけば改善されていきます。
膣の異常
膣の周りの筋肉と、膣の内壁のコリを解していけば、正常になっていきます。

●男性不妊
男性不妊は、精子減少症や無精子症によるものです。精子は睾丸でつくられます。ここに潤沢な血液が流れていなければ元気な精子はつくられません。
腹直筋、腸腰筋、股間、恥骨周り、直腸前立腺、臀部などにコリをつくると、睾丸への血液を阻害します。血液の循環が少し衰えている段階が精子減少症と言えます。ほとんど血液が流れていない状態であれば、無精子症をつくっていきます。
無精子症と診断された方で、小さい頃から睾丸の無い人がいました。触れてみるとそれらしきものは何もありません。圧しても痛みも苦しさも感じません。前述した筋肉のコリを取り、血液循環を正常にしていくことで、睾丸がつくられてきました。触れて軽く圧すと息苦しい痛みを感じるようになりました。快挙といって良いでしょうか。
精子減少症の場合、前立腺にも問題があるように考えます。射精するときに、尿が膣に送り出されないように尿道を閉じますが、幾分、射精する部分の出口も完璧に開いていない場合も考えられます。