人間の骨格を形成している骨格筋は横紋筋と言い、意識で動かすことのできる随意筋という筋肉です。血管、腸、尿管、食道、気管、胃、子宮などは平滑筋。心臓は心筋と言い、これらは自律神経やホルモンで動き、自分の意思で動かすことができない筋肉で不随意筋と言います。
随意筋の骨格筋から説明しましょう。筋肉にはまず筋繊維あり、その筋繊維が収縮し筋肉を動かします。筋繊維を何本か束ねた物を筋束といいます。筋繊維や筋束は筋膜という膜で覆われていて、筋肉の働きの強弱によって他の筋束と筋膜同士がくっ付き働きます。協力し合う筋肉を協力筋と言い、その度合いを測るのは小脳です。
使った筋肉を解くには、その働きに拮抗した筋肉を動かします。これを拮抗筋といいます。しかし完全に戻しきれず、それを解すには自然と弛緩するのを待つしかありません。
強い力を発揮する時は筋束が強くくっ付きます。長時間同じ動作をした時筋束はその間くっ付いたままになり、筋膜同士は癒着し離れなくなります。
次に同じ動作する時、前に使った筋束は癒着していて使えず、同作用をする筋束を使うことになります。これ繰り返えすと最初に癒着していた筋束は解れることなく、固まったままになり硬くなります。これが“コリ”です。
平滑筋にもコリが作られます。腸を例にします。腸は蠕動運動があり常に動いています。冷たい物や刺激物を食べると、その刺激で腸が緊張し固まります。また腸の周りの筋肉が固まっていると善導運動を阻害しコリを作っていきます。
筋肉の特性
筋肉は一度固めてコリを作ると中々解すこと出来ません。解しても直ぐにその前の固まった状態に戻ってしまいます。またコリを解そうして強く圧したりマッサージしたりすると筋肉が反発し逆にコリを助長していきます。
筒状に巻いてあるカレンダーを壁に下げると丸く戻ってしまいます。何回か巻きを戻して下げておくといつの間にか真っ直ぐになっています。コリも同じで徐々に取るしかありません。
コリと病気
コリを作った筋肉の中には血管、神経などが入っています。硬く固まった筋肉が血管を圧迫すると、毛細血管は潰れて血流が阻害されます。筋肉細胞は衰え、ホルモンの分泌は狂い病気を作ります。神経を圧迫すれば痛みが出てきます。
肩や首のコリは、脳の働きを悪くし、頭痛、脳卒中などの病気を作ります。いろいろな処に出来るコリが多種の病気を作っていきます。全ての病気はこうして作られます。