抗体とは、身体に侵入してくる異物に対して抵抗できる力を身体の中に持っているという事である。つまり抗体の出来た病気には掛からなくなる。そして一端身に付いたものは一生存在すると言われている。
抗体は、免疫グロブリンというタンパク質でできていて、分子構造と機能によって、G,M,A,D、Eの5つに分けられている。外部から侵入してくる異物(抗原)に合わせて5種類の内のどれかが対応して放出され、異物を退治する。これを抗原抗体反応という。とは現代医学の解説である。
風邪を自己の力で治していくと抗体ができる。そして死ぬまで存在する。それは風邪に対しての免疫グロブリンが身体の中に保存し続けているという事だろうか?至極尤もらしい説だ。本当にそうなのだろうか?残念ながら風邪を自力で治してもまた風邪を引く。何か納得できないものが残る。風邪の種類が違っているから?
ある国に、攻めてきた侵略者がいたが、制圧され、改心させられその国に住んでいた。しかし後にその侵略者と同じ人種の人間が多数で攻めてきた。「でも我が国は大丈夫だ、改心した同じ人種の人間がいるし、相手の武器に対して用意もあるし」と高を括る事ができるだろうか。本当に侵略されないだろうか?
いつも自分たちの学説を都合良く考える人がいる。侵略された理由を彼らならこう答えるかもしれない。「人種が微妙に違っていた。武器も新しいものだった」。
現代医学の抗体に対する考えはこのようなものではないだろうか?
アレルギーなどに対しても都合よい理論を展開している。「抗原抗体反応が特異な反応をし、本来有利であるものが過剰に働いた為に逆の事が起きる」それがアレルギー反応だという。真実は一本の道だ。途中で脇道には反れない。その場その場で考え方を変えていく。それは仮定が間違っているからだ。
もっと簡単に考える事ができないだろうか。ある部位が緊張しコリを作る。そこに異物が侵入し刺激を与えると、その部位が異常に反応し更に硬く固っていく。硬く固まった、つまりコリをつくった部位は、血液の流れが悪くなり、代謝も衰える。当然ホルモンの分泌も変わってくる。神経系も異常をきたす。その結果いろいろな症状を作り出す。これが私のアレルギーの対する考え方である。
抗体現象は、ある種の異物に対して筋肉が過剰な反応を示めさなくなった状態である。あらゆる筋肉に対して言える事だが、何回か同じ様な事が繰り返されると、筋肉は慣れ反応しなくなる。そしてその事を筋肉は記憶する。そして次に異物が侵入されたとき筋肉が判断し以前の様な反応をしなくなる。
通勤の途中、怖い犬がいる。怖くて身体が萎縮してしまう。しかし毎日通っていると慣れてくる。「また吠えている」と思うようになる。その内に怖くなくなる。身体も固まらなくなる。犬もあまり吠えなくなる。普通の犬なら気にしなくなる。これが抗体現象だ。しかし犬が怖いと言って、回り道をして避けていたらいつまでたっても犬は怖い。 風邪を引いたときに、薬を飲んで症状を消してしまうと、筋肉に病原菌の正しい情報が伝わらず、記憶されない。再び同じ種類の風邪が侵入して来たとき、また新しい奴が来たとデフェンスして筋肉を緊張させ反応してしまう。結果症状をつくり風邪を引く。薬を飲んでいなければ、生の正しい情報が筋肉に伝わり記憶される。筋肉は過敏な反応をしなくなる。
「風邪は自己の筋肉の過敏な反応が作る」というのが私の考え方だ。
過去に同じ種類の風邪に掛かった経験を持つ時、その病原菌に対して自己は既に顔なじみである。侵入してきても「また知ってる奴が来た。なかには違った奴もいるが」と各部位の筋肉は反応しなくなる。反応せずに硬くならなければ各種の症状はつくられない。抗体現象とはこのようなものである。
埃りの中や杉林の側で仕事をしている人もいる。でも花粉症にならない。花粉や埃に身体が慣れている。筋肉が慣れていると言った方がよいかもしれない。だから反応はしない。 埃もない。もちろん花粉も存在しない空間にいる。清潔にと殺菌した部屋にいる。よく手をまめに洗う。うがいを欠かさない。
これでは異物という敵に対して、何の防衛手段も取っていないし、護身術の訓練もしていない。自分を守る術を持っていなければ敵に蹂躙されてしまう。また甘えた環境を作ってそこに住んでいれば身体は益々ひ弱になっていく。埃や花粉を避けるのではない。細菌を殺してしまうことではなく、平気でいられる身体を作ることだ。抗体を作るということは、何に対しても動じない身体を作る事である。
怖いと思っていれば、益々からだは硬くなり、必要以上に反応する。痒くなると思っていると痒くなってくる。これを食べるとお腹が痛くなると思っていれば痛くなる。身体が自分の意思を越えて反応してしまう。これを防ぐには、怖くない、痒くない、痛くならないと強い「思い」を持つことである。思いは筋肉をコントロールする事ができる。しかしもっと有効なのは知らん顔する事だ。
「インフルエンザに掛からないようにするには」と、その時期、ワイドショーの視聴率が上がる時だ。司会者は予防注射を勧め、うがいや手洗いをするようにと胸のマイクに唾を飛ばす。これではインフルエンザを避ける どころか呼び込んでしまう。知らん顔をしていることだ。バカ騒ぎに反応しない事だ。「インフルエンザには掛からない」と強い思いを持っていることだ。