病院たらい回し事件がまた起きました。それもまた妊婦の搬送中のものです。他にもたらい回しがあるのだろうが、それらは話題性がないので、話題になるものを取り上げられているという感があります。

現代医療が分化され専門化しすぎて、本来総合的に判断して行うべき医療が、偏った見方しか出来ないもの変ってきています。受け入れを拒否した理由の中に、毎度お馴染みの「空きベッドがない」と言うのと「専門医がいない」というものでした。しかし妊婦が運ばれて来たからといって必ずしもベッドが必要になるとは限らない。

緊急を要するところに一つの専門分野しか判断出来ない医師を置くのは、最初の根底から間違いではないだろうか?現代医学の医師の養成に欠陥はないのだろうか?いや現代医学そのものには問題がないだろうか?

「私は外科医だからその分野は分からない」とうそぶく人もいます。医師である以上、医療に関する全てのことに精通しているのが普通の人の考え方と思うのですが、私の考え方が間違っているのでしょうか。

臨床に当たる際には、現代の医療現場での必要最低の知識と技術を身に付けるべきで、それから先、ごく専門的に研究研鑽していき、その道のエキスパートになるのが歓迎すべきことです。

建築界に於いてもこんな例があります。「私は、鉄筋コンクリート造は解るが木造は解らない」と、うそぶく人がいます。こういう人は得てして建築の本質的なところが解っていない。

人の身体は総合的に考える必要があります。一部分だけで考えてはいけない。人間の身体はいろいろな部位が複雑に関連し合って成り立っています。関りを無視して一部分だけ取り出して考えるから、治せない医療になってしまうのです。

脳の専門家がいないので、専門病院に廻す。まだ患者さんを診てもいないのに何で解るのだろう。医師でない救急隊員の報告。それだけで重篤な病人を判断してもよいものでしょうか。

脳の問題と聞くと、大変難しいもののように聞こえますが、脳卒中を防止するのはそんなに難しいことではありません。ほんのちょっとした手当てで済むはずです。

医師が足りないから、医師を増やすという大臣の談話があったが、偏った知識しか持ち合わせない医師を増やしてどうなるのだろうか?また、人気のない科には人手不足が生じないのだろうか?ただ数を増やしたところで解決をする問題ではないと思うのだが。

怖い脳卒中の原因は

妊婦の死亡原因の2割以上が脳卒中と聞きました。出産時なら、力が入りいきばるので、脳卒中になる危険性は高いとしても、出産前になるのはその原因を前から抱えているからに他なりません。

まず脳卒中の原因は、肩や首筋を固め、脳への血行を阻害することから起こります。総頸大動脈の血管の周りの筋肉を固め収縮させると、血管を圧し、血管を細めます。その先の血流は勢いよく流れることになります。脳の血管や毛細血管は急激な流れに耐えられなくなります。破れれば脳出血、血小板が勢いに押され細い血管に無理やり流れれば、やがてはつまり梗塞を起こします。つまり脳梗塞です。頭蓋の外に覆っているクモ膜下にいき、血管が破れればクモ膜下出血です。

これが脳卒中です。

私は、なり掛けた人を止めた事例を持っています。

その異変が起きたのは10年位前のことでした。私の気功の生徒さんでしたが、普段看てくれというような人ではなかったのですが、「気持ちが悪いので看て欲しい」という要望がありました。他の人もあり順番を待ってもらっていたのですが、急に顔が紫色になり、チアノーゼ現象が出ていました。それに気が付き、他の人の施術を中止して緊急の処置をしました。しばらく首に気を送り解していくと、遮断されていた血液が流れ、顔色が普通に戻ってきました。しかし言葉は既に呂律が回らなくなり、右手、右足が麻痺していました。それから2時間施術し、言葉が正常になり、麻痺した手足も正常になりました。あの時に緊急手当てをせずに、救急車を呼んで病院に運ばれていたら、恐らく命は別にしても、言語障害が起き、半身麻痺が起っていたと推測できます。

もし、不幸な事態が起こっていたら、私は医療法違反で叩かれていたかも知れません。しかしやむを得ぬ事態であったし、人道的にやらざるをえない立場にいました。あまり出くわしたくない状況でしたが、治せるという絶対的自信がそうさせたのだと思っています。

前から脳卒中の後遺症を持った方を多く施術し、改善させてきました。そのような経験と実績から言えることですが、脳障害のほとんどの原因は、肩や首筋の筋肉のコリがつくっていると言えるのです。

脳への障害をもたらすものは「首筋のコリにある」という簡単なことが解らないと脳卒中を防止するどころか、出た障害も治すことが出来ないでしょう。

肩コリ首コリをつくるのは、肩や首の問題だけではありません。それらの部位に大きな影響を与えている部位あります。それは腹部のコリです。腹部を固めると、その緊張が上部の筋肉を下に引っ張ります。すると肩や首が動きにくくなり自由が利かなくなります。それが肩コリ首コリを助長させてしまうのです。

赤ちゃんを産むために

現代人の多くがお腹を固め、肩コリや首コリをつくっています。妊婦さんもその例にもれません。赤ちゃんが大きくなるにつれ、お腹の張りが強くなり、コリを作っている肩や首を一層固めていきます。これで脳卒中の予備軍が整ってしまいます。

肩コリや首コリだったら「指圧院や整体院に行こう」これは早計過ぎます。ただ圧したり揉んだりされては危険極まりません。充分な知識と技術を持った人を選ぶ必要があります。

そのような他力本願なことより食事の摂り方や身体のケアの仕方で、変えていった方がより安全で確実な方法です。

食事法

日々の食事を健全なものにすることで、筋肉を固めずにコリを作らずに済みます。長年の研究で、食べ物の摂り方ひとつで筋肉が変わることが解りました。逆に食品によって筋肉を固めていくものがあることにも気が付きました。

筋肉を固めていく食品

牛乳、乳製品、肉、パン、ケーキ類、チョコレート、加工食品、その他。

長年、多くの病気を診てきました。どこに行っても「NO」と言われる難病の人も数多く改善してきました。難病の多くは、筋肉の極度の緊張と収縮から起こります。筋肉を緊張させ、収縮させて固めていく大きな要因は、食べ物にあることが解りました。ただ人によって差異があり、影響が出る人と出ない人があることも解りました。

言い換えれば、影響は全ての人にあるが、それによって病気になるかならないかです。

人間の筋肉を固めていく食品、それは前記した食品などですが、まだまだ存在すると思います。それに加えて食事の際の食べ合わせによっても筋肉が固まることが分かりました。筋肉を直接固める食品でないものも、食べ合わせを間違うと固める方向に変わっていきます。

「何でいけないの」の質問に直に答えられるものと答えられないものがあります。理由が解ったものもあれば解らないものもあります。今までの多くの経験を通して知ってきたことです。

「食品によって筋肉が固まる」この事を信じる、信じないは読者の自由です。

牛乳

いま牛乳を絶対的に信じている人は少なくなっています。10年前、牛乳批判をしたらかなりの反発を受けました。でも私はこの食品をワースト1に選びます。牛乳に関して賛否両論があります。肯定論と否定論、両論を知ることも必要でしょう。現在牛乳に関して無数の情報があります。詳細を希望する方はインターネットや本で調べてみることです。

牛乳批判の質問を受けた時、私の回答は常に簡単です。「牛乳は牛の赤ちゃんが飲むためのお乳です」

カルシウムが豊富だとかいろいろなことをいう栄養学者や医師がいますが、人間と牛は違うのです。カルシウムの組成も全く違います。その違うものを摂れば身体に当然のごとく拒否反応が起こります。牛乳を飲んでお通じが良くなったと喜んでいる人もいますが、それは早く排泄しようとする反応で下痢の症状なのです。牛乳の中に多くの栄養素が含まれているとしていますが、人間の身体に即、還元出来るものではありません。むしろ違うものが入ってきたために、それを排除しようとする働きを余儀なくされ、相当のエネルギーを費やされることになります。そのような反応か筋肉を固めていくものと捉えています。

難病の強直性脊椎炎、筋委縮症、パーキンソン病などの病気にも大きな影響を与えていることが分かりました。

乳製品

まず母体となるのが牛乳や羊、山羊の乳です。これらの動物と人間とは、カルシウムやタンパク質の成り立ちがまるで違うのです。だから合う訳がありません。私は多くの欧米人の施術をしています。正直いって美しい肌を持っている人はほとんどおりません。食べ物のせいだと思っています。小さい子はまだその影響が少ないので綺麗な肌を持っていますが、年を経るうちに食べ物の影響が出て、肌や筋肉が荒れてくるものと思われます。

欧米人の多くが、牛乳を飲めない人でも乳製品は摂っています。それが肌や筋肉を変えていくのでしょう。

私が勧めている食事法を摂っていくと肌は柔らかくしっとりとし、きめ細かくなります。何より綺麗になってきます。

動物性蛋白質の代表になっている食品ですが、再三言っているように人間と動物では全てが違うのです。同じ肉類でも、牛と豚、鶏では味も違うし質感も違います。肉はタンパク質そのものですから、肉が違うということはタンパク質も違い、摂取してもそのまま人間のタンパク質に生まれ変わる訳ではありません。この点多くの人が勘違いをしています。

肉は身体に入ると、異質なため、一旦アミノ酸に分解され、その後吸収をするという過程を経なければいけません。何と手間のかかる食品なのか、ということになります。ならアミノ酸をそのまま含んでいる、あるいは分解しやすい形で含まれている食品を取った方が、身体の負担にはならず、また効率が良いわけです。

私は動物愛護の形からも肉を避けています。貴方は貴方が飼っているペットを殺して食べられますか?他の場所で殺され、肉になってくるので「美味しそう」なんて食べているのかも知れませんが、ちょっと想像してみるとよいでしょう。牛は殺される前にそれが解り挙動不審になるようです。貴方の食べる牛肉には怨念がしみついているかも知れません。それを食べる勇気がありますか?そのせいかどうか分かりませんが、肉も筋肉を硬くします。

パン

キリストが「人はパンのみにて生きるにあらず」といったとか言わないとか。パンも筋肉を硬くする代表格的な食品です。しかしキリストのいた時代のパンと現代のパンは製造過程で違っています。一緒に考えてはいけません。

同じ小麦粉を使ったうどんやパスタはあまり筋肉に影響を示しません。パンは小麦粉を練って、それに酵母やイースト菌などを加えてオーブンで焼いたものです。この焼いてスポンジ状にしたところに問題があるようです。

ご飯などの含水率は70%以上ありますが、焼きあがったパンの水分は30%以下になっています。この乾燥がいけないようです。パンが胃に入り胃液をスポンジに含んでしまいます。腸に入っても腸液を吸収してしまい、胃腸の正常な働きを悪化させます。パンを常食している十数人を対象に検証してみると、他の食品に比べ一番胃腸の筋肉を固める食品であることが分かりました。パンを食べると腹部全体が固まってしまいます。それが高じればその影響で肩や首も固まってしまいます。

朝、トーストにハムエッグと牛乳。ワーストナンバーワンの食事です。

ケーキ類

これもスポンジ状のものは感心しません。パンと同様の理由からです。また本テーマとは異なりますが、白砂糖を多く含んだものを接種すると、低血糖などになりますので避けたい食品です。

和菓子の多くは焼かず、蒸したりしているので、筋肉にはあまり影響はないようですが、砂糖の摂りすぎには注意したいものです。

チョコレート

これもかなり筋肉を固める食品です。細かい理由はよく分かっていません、避けた方が良い食品です。もし貴方がデリケートな触感をお持ちでしたら、食べる前と食べて4,5時間たった後の腹部の筋肉の硬さを検証してみるとよいでしょう。

加工食品

これはどの食品がと一概には言えません。商品を取り出して検討すしかありませんが、添加物の多いものは概して筋肉が固まります。添加物が身体の中に入ってきた時、「これは私には合わない」と言って、身体が「嫌だ、いやだ」と反応しているのです。選ぶには注意する必要があります。赤ちゃんのためには自分で安全な食事を作るべきでしょう。そう提案します。

以上簡単に述べてきました。悪い食事は大敵です。簡単に済ませようと、出来あいのものばかりを食べていたら、そのツケは必ずあなたの身体に及ぼします。

薬を飲んではいけません

脳卒中を防ぐだけのことではなく、薬も飲むことも避けなくてはいけません。自分の腎機能を壊すだけではなく、赤ちゃんに多大なる影響を及ぼします。風邪などを引いたら自力で治していきましょう、それは赤ちゃんの免疫力にも繋がっていきます。

股間と腹部を柔らかくしておくと出産が楽になる

腹部を柔らかくしておくことは最も重要なことです。何回も重複しますが、腹部を硬くすると身体全体を硬くします。その影響が肩や首に来ることは必至です。脳卒中を引き起こす肩、首のコリを作らせないためにも、常に腹部を柔らかくしておくことはとても大事なことです。脳卒中だけではなく、腹部のコリは万病の元です。

上から少し触れただけで「私は柔らかいわ」これは間違いです。もっと深層の部分にコリは存在します。このコリを取るにはある程度の技術が必要ですが、毎日の食事を健全なものに変えていくだけでなくなってもいきます。

股間のコリは、出産時に参道を開く上で大きな障害となります。腸腰筋、恥骨周りの筋肉、そして澱筋が特に影響します。これらの部位のコリを取る気功をするとよいでしょう。身体をほぐす気功をお勧めします

筋肉のコリをほぐすには気功は一番の方法です。私が作り上げた各種の気功があります。それをお勧めします。詳細はここでは割愛しますが、私の本やDVDがありますので、それをご覧になってみて下さい。

年配のご婦人たちと、このお腹が固まっているのではという話をしたら、こんな答えが返ってきました。

「当り前よ!臍を出しているようなことをしてお腹が冷えてしまっているのよ。女は子供を産むんだから日頃から注意しなくてはいけないのよ」

尤もな答えと私は思いました。ファッションを追いかけている人達が、人間の生理学まで考えているとはとても思えません。着るものだけではありません。どう見ても不自然なハイヒールなど身体に良い訳がありません。

健全な状態で赤ちゃんを産む、育てる。それには貴方自身が健全であるべきです。自分自身が作ってきた不都合の、その付けを医療だけに回すというのはいかがなものでしょうか。