また、新種のインフルエンザが流行しそうだと、人々の恐怖をあおる様な、新聞やテレビなどの報道があります。「早く予防注射を受けことが必要だ」などと製薬会社の宣伝をしているような番組もありました。

本当に予防注射に効果があると皆さんは考えているのでしょうか。私はそうは思っていません。

私のお世話になった人に薬好きの方がいます。毎日、何か分かりませんが数種類の薬を飲んでいます。インフルエンザが流行しそうだという情報があると、誰よりも早く予防注射を接種してきます。しかし面白いことに、誰よりも早く、毎年数回風邪を引きます。そしていつもかなり重症です。

私などは、予防注射などは打ったこともなく、薬も飲んだことはありませんが、寝込むような風邪は引きません。風邪にかかってはいるのでしょうが、ほんの少し咳をする程度の軽いものです。

薬好きの彼には、何回も「予防注射は身体を弱らすだけで効果がありませんよ」と忠告しましたが、耳を貸さず、薬信仰を打破することは出来ていません。

子供の難病を治すために、いつも親子二人で来られる方がいます。先日、お母さんが、

「先生、今日は私をお願いします」

と申し出られました。

「とにかく先生、頭が痛くて、数秒おきに激痛が襲ってきます」

ということでした。実はその2日前に、インフルエンザの予防注射をした後、二人で私のところへ来た時、お母さんには問題がなかったのですが、子供さんはけだるそうにしていました。触れると全身の筋肉が硬く固まっていました。おかしいと思い

「お子さん、何かされたのですか」と聞くと

「インフルエンザの予防注射をしてきました」

と答えられたので、身体に異常がつくられ原因は分かりましたが、しかしこれほど身体を痛めるのかと、改めて予防注射の恐しさを知りました。

子供さんの硬くなった全身の筋肉をほぐしてあげると、いつものように元気になりました。お母さんは次の日から具合が悪くなったようです。

「予防注射が良いものと思いますが」

とお母さんに言うと

「先生、子供が受験で、予防注射を学校で勧められるんです。やらないで他の子供に移すと非難されかねないのです」

こんな答えでした。しかしおかしな話です。みんな予防注射しているなら、風邪が移る訳がありません。打っていない子が移るのなら訳が分かるのですが、矛盾した話です。

日本人の薬信仰には凄いものがあります。身体の不調や病気を治してくれるのは、薬しかないと思いこんでいる人がほとんどです。

多くの人に、薬が身体に悪いことを説いてあげても、その時は納得しているようでも、風邪を引けば、薬を飲むし、頭が痛くなれば薬を飲みます。

私も30年ほど前に、ある未開の地に探検に行くことになり、予防注射を受けたことがあります。この時のことをいまだに覚えていますが、だるくて、頭が痛くて、最悪の状態で出かけた記憶があります。

予防注射は人工的に作った抗体を植え込むようなものです。打たれれば一時その病気になります。そしてそれが自分の身体に抗体となっていくと言われています。その真偽の程は私には分かりません。しかし病気になることは確かなことです。

予防注射を打った人の言い訳を聞くと、「予防注射しておくと軽くて済むのよ」まったく訳のわからない答えです。

インフルエンザや風邪にかかった時、薬を飲まずに自力で治すようにしていくと、その病気に対して身体の中に抗体が作られます。それが作られれば次回からはかからなくなります。またかかったとしても軽いものとなります。この積み重ねをしていくことで身体が強くなります。

風邪の予防注射は、あるウイルスを想定して培養菌を作り抗体薬を作ります。しかし予想が外れ、違ったウイルスが侵入すれば全く効き目がありません。

都内にある有名病院の血液検査室の話です。スタッフが6人いるそうですが、予防注射や薬を飲んでいる人が4人いて、現在風邪を引いているのはその4人で、風邪を引いていない2人は何もしていないそうです。風邪を引いている4人に囲まれて仕事をしていても何ともないようです。

人と競って予防注射を接種して貰う。また勿体ぶって打ってくれる医師もいるということです。何か変な世の中です。