横紋筋融解症
5月23日の読売テレビの朝の番組。
子宮筋腫の手術を受けた際に用いられた麻酔薬の投与による副作用で、横紋筋融解症になってしまった女性。その女性を高齢の両親が介護している。先行きの希望の持てない深刻な状況を紹介していました。
子宮筋腫の大小にもよりますが、通常放って置いても大丈夫なものです。おそらく「早く取ってしまってスッキリした方がいいですよ」的な感覚で摘出手術をしたのではないでしょうか。 安易な手術が最悪の事態を招いてしまいました。子宮筋腫は、時間を掛けて解していけば小さくなるものです。直ぐに手術をしたがる医師がいます。その人たちの犠牲者になってはいけません。
横紋筋融解症、この病名を知っている人はそう多くはいないでしょう。
横紋筋というのは、骨格筋や心筋に見られるもので、筋繊維が規則正しく並んでいてそれが横紋状に見られるので横紋筋と名付けられています。
芝刈りをした経験を持つ人は多いと思いますが、一方向に真っ直ぐに刈り込み、今度はそれに沿って逆戻りをするという刈り方をすると、芝面に色の濃い面と薄い面ができ模様が作られます。横紋筋の模様はこのようなものと思えば良いのではないでしょうか。
横紋筋融解症とは、横紋筋細胞が融解して、その成分が血中に流出する病気です。
症状としては、筋肉痛や脱力感が現れ、進行すると、疼痛、麻痺、筋力減退が起き、腎機能障害もつくっていきます。力が入らなくなるために動くことが困難になり、痺れや常時痛に襲われるので、大変辛い病気です。
横紋筋融解症は、外傷、脱水、薬剤投与などの要因でつくられると西洋医学では言っています。外傷、脱水はともかくとして薬剤投与は医療がつくりだす医原病です。
原因
力を出す事や様々な動作を行う時、筋肉の筋繊維が収縮して発揮することができます。力を出す事や動作が終了した時、正常な筋肉は元の状態に弛緩していきます。但し、筋繊維の弛緩は意識的に行うことは出来ず、自然と弛緩するのを待つしかありません。そしてその弛緩時間は、収縮の度合いの強弱に比例していきます。
また、筋繊維の収縮は「力を入れる、動作を行う」という事だけではなく、刺激を受けても収縮したり、薬によっても収縮していきます。
特に頭痛薬、消炎鎮痛剤、麻酔薬などは強く固まります。危険な薬です。
また、薬を投与されると腎機能が低下します。水筋肉になります。水筋肉になると実際には硬くなっている筋肉もブヨブヨになってしまう為にそれを発見することができなくなります。水筋肉については、私の著「MMS」をご覧下さい。
件の女性は麻酔薬の投与が直接の原因であったと報じていました。どうして麻酔薬が横紋筋融解症をつくり出すのでしょうか?
麻酔薬を打つと痛みが無くなる理由をあなたは知っていますか?
筋肉の中には無数の神経が通っています。その神経の先端にあるシナプスと他の神経のシナプスが、筋肉の緊張や片側から圧迫されてつながった時に痛みを感じます。
麻酔薬が投与されると筋肉は硬く固まっていきます。そして、筋肉の中に通っている神経のシナプスの周りの筋肉も固まってしまいます。シナプスは動けなくなり、他の部分のシナプスと接触できなくなり痛みは感じなくなります。これが麻酔効果です。
麻酔薬が血液にのって循環し、腎臓によって処理され排泄されていくとその効果がなくなっていきます。そして、徐々に固まった筋肉は弛緩していきます。
しかし、強い麻酔薬を打たれたり、普段から筋肉を固めコリをつくっていたりすると、麻酔効果が強く働き筋肉は異常に固まってしまいます。そうなると、麻酔薬の効果が切れても、筋肉は弛緩せずに固まったままになってしまいます。
その筋肉の中にある毛細血管は潰されて血液循環がなくなります。筋肉細胞に栄養素が届かなくなれば筋肉細胞は壊死して腐っていきます。腐ったものは流れ出し静脈を通して処理されていきます。その時点で血液検査をすれば、融け出した筋肉細胞が見つかることになります。
病院や医師が、手術後、麻酔薬によって固まった筋肉を解す技術を持ってさえいれば、横紋筋融解症という病気になることはないでしょう。手術後のケアをしない病院や医師に問題があります。
病気になってしまったらどうするのか
萎縮し硬くなった筋肉を解し、血液循環を回復することです。筋肉を解す技術さえあれば難しいことではありません。血液循環が良くなってくれば萎縮した筋肉も軟らかくなり、筋力を回復していきます。症状も無くなっていきます。