鍛えると強く丈夫なるは嘘。

 昔から「肉体に負荷を与えて鍛えれば強く丈夫になる」と言われてきた。多くの人々はその考え方が刷り込まれている。誰も疑いもしない。
 筋肉が締まって、硬くなってくる。多くの人は強くなったと錯覚する。過去何千年来の思い込みである。それより鍛えれば不器用になる。
 最初、200メーター走ったら息切れがし疲れがひどかった。「これではいかん」と毎日走るようにしてきた。そのうちに
2キロや3キロ走っても平気になってきた。でも、これは体が強くなったわけではない。少ない酸素量に体が慣れてきただけの話。
 潤沢にある空気を吸い慣れてきた身体が、いきなり走ればその運動量のエネルギーを得るため、多くの酸素が使われてしまう。その供給に間に合わなくなれば苦しくなる。息切れと疲れの原因である。
 しかし、毎日続けていれば少しの空気量でも筋肉は動くようになる。でもこれは細胞を老化させていく。
 高地の空気量の少ない所に行くと最初は息切れし異常な疲労感が現れてくる。でも何日か過ごせば体がそれに順応してそれらは徐々に感じられなくなる。でも強く丈夫になったわけではない。錯覚してはいけない。
 多くの人が健康になると思ってやっていることに自転車がある。それで体を害した人がいる。それを紹介していこう。
 当人たちは、思いもしなかった2つの例である。
例1
 臀部(お尻)と脚の痛みがひどくその治療に毎週来られる人がいる。毎回痛みがなくなり軽やかに帰っていくのだが、次の週になると
「先生、また同じカ所が痛みます。今の仕事が私に合わないのでしょうか?辞めなくていけないでしょうか?」
 かなり深刻である。
「勤め先は何処にあるの」
「近くなので自転車で通っています」
 という返事。これで合点がいった。
「自転車の乗るとき脚に力を入れないようにゆっくりと漕ぐことですね」
「でも先生、坂道が多いので一生懸命漕がないと駄目なんです」
 
例2
「先生、ここの処疲れて食欲がなくて」
 5キロも痩せて、顔はげっそりとして黒ずんでいる。
「何かやったの?」
 と聞くと、
「特別にこれといったものはないのですが、最近勤務先が変わり近くなので自転車で通勤しています」
「どんな自転車に乗っているの?」
「体を作ろうとスポーツタイプの物に乗っています」
 この言葉で、この件も合点がいった。
 自転車に乗ることは健康的。おそらく90%以上の人がそう思っているだろう。誰も悪い事はしていないと思っている。
 15年以上前、家族で近くをサイクリングしていた事がある。2回ほどで皆「私には向かない」と中断してしまった。今やその自転車は我が家の粗大ゴミと化している。
 かつて私は若い時に自転車通勤していた時代があった。何十年かの時を経て自転車に乗ってみると「これは今の私には向いていない。今も残っている脚の不具合はこの時に作られたようだ」と悟ったのである。
 脚は硬く固まり、腹筋も硬くなり食欲がなくなった。人々のケアしている身からすると、自転車に乗ることを、決して人に勧めてはならない物と判断した。
「体が締まって健康的になった」と思い込んでいる人から見たら「なんとだらしない」と思うかも知れない。

 自転車に乗っていて不具合をつくる部位としては、脚全体、特に外側の筋肉。臀部、腹部、首これらの部位の筋肉を硬く固めてしまう。
 特に多いのは、自転車のサドルが当たる臀部の痛み。それが助長されると次に脚の外側、外側広筋、長趾伸筋の痛みが襲ってくる。
 そして腹部を固めると胃腸障害が起き、いくら食べても吸収できずに痩せてくる。スリムになったと喜んでいる場合ではない。
 現代医学は、血流と筋肉との関係は無視している。副作用の多い薬やサプリメントを飲むよりも筋肉を柔軟にし、血液循環を良くすれば解決することである。この方が細胞は若返り健康になる。
 日焼けしたように黒い肌。鍛えている人の特徴。それは血液循環が悪いため。
 自転車に乗るならゆったりと走る。坂道などの多いところはアシスト車にするとかの工夫が必要だろう。
 
 

 

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