偉大な歌手の厄介な病気

歌手のセリーヌ・ディオンさん。偉大な歌手である。娘も私も共に大好きな歌手で、あの声量には痺れていた。オリーブ園の手入れなどをしているときに、彼女の声をイヤホンで聞いていると元気がつきやる気がひきだされる。

時々イヤホンを忘れiPhoneのまま流している。その光景を見た人は、きっとイカレタ親父と思っていたに違いない。

ラスベガスで歌っているという情報を得て、コロナ前にアクセスしたら休演。勝手に単なる休養かと思っていたら、今回、筋肉の痙攣などを引き起こすスティッフパーソン症候群(SPS)に罹っていたという。その発表を受けて驚かされた。SPS。難病である。

あれだけの声量を確保するために、全身の筋肉を使って歌っていたのだろう。忙しさの疲れも重なり、その結果の発病ではないだろうか?

でも治せば良いこと。希望を捨てないでいただきたい。

スティッフパーソン症候群

とはどのような病気なのか?

体幹を主部位として、間欠的に筋硬直や筋痙攣が発生し、さらには全身へと症状が進行する自己疾患である。とは西洋医学の見解。

間欠的とは慢性的に症状あるものではなく一定の時間を置いて不規則に症状がでる疾患をいう。

セリーヌの映像を見て内臓まで硬直している様子が窺がえ、かなり重症であると判断した。

何故この様な筋肉の硬直が起きるのか?自説を述べていこう。

 

病気の原因

筋肉の最小単位にアクチンフィラメントとミオシンフィラメントがある。

動きや動作を行おうとする時、細いアクチンフィラメントが太いミオシンフィラメントにスライドして引っ掛かり筋肉が収縮して力を発揮することができる。強い力を発揮する時は、アクチンラメントは深く入り、スライド巾を大きくする事で成立つ。

動作を終了し、また不自然な姿勢を改めたとき、筋繊維は元の状態に戻っていく。それは、アクセルフィラメントがミオシンフィラメントから離れてスライドして元に位置に戻ることであるが、能動的にできることではなく、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが自然に離れてくるのを待つだけである。

長時間の動作や不自然な姿勢でいると、筋繊維が収縮したままとなる。その状態が長く続くと、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントから離れなくなり筋肉は固まったままとなる。

 

動作や自然な姿勢が短時間であれば、筋繊維の収縮が容易に解けて元の状態に戻るが、力の加わった動作や極端な姿勢が長時間続くと、なかなか筋繊維が元の状態に戻らない。次に筋繊維がすっかり元の状態に戻った時に同じ筋肉を使えば何な問題は無いのだが、戻ってない時に同じ動作をすると、筋繊維は固まっている状態の筋繊維に上乗せして固める事になる。これが繰り返されると筋繊維は更に硬直してしまい固まったままになってしまう。

筋繊維は束になって存在するが、次に同じような動作をするときには近くの束になっている筋繊維を使って動作を処理する。それもまた同じような経緯で固めてしまうと硬直してしまう。そのような状態を私は筋肉のコリと定義付けている。

また、現在任意の動作に使用している筋肉は、その動作を解放しない限り同じ目的には使えない。という不文律が存在する。

硬直して固まっている筋肉は、筋繊維の束である筋束が癒着している状態であるため、使用している筋肉と同じ状態なので使用することができなくなる。

次に同じ動作をする為には

、本来その目的に不得手な筋肉を使わざるを得なくなる。しかしその筋肉は、本来使うべき筋肉より力が落ちるので、より力を使い緊張させて対処するため硬直を作りやすい。これを続けていると硬直した筋肉が増え全身に広がってしまう。非常に疲労感が伴われる。

筋肉の老化と神経伝達

筋肉の中には、血管と神経が走っている。その血管と神経を硬直して緊張している筋肉が圧迫し血管を潰してしまうと、筋肉に栄養を運ぶ血液が流れなくなり筋肉は代謝されず細胞は老化し萎んで縮んでしまう。つまり萎縮である。内臓などの筋肉を固めてしまうと、栄養の吸収ができなくなり痩せてくる。ますます萎縮が助長される。

一方神経は、筋肉の硬直の圧力で潰されて脳へ身体の情報を送る伝達が阻害され、動作をする筋肉に命令が届かず命令を遂行できなくなる。また時に神経への圧迫が緩み命令が筋肉に届いても、硬直した筋肉は本来の動きができなくなっているので動作にタイムラグが生じてしまう。

例えば、歩いている際、急に「止まれ」と脳が筋肉に命令しても、1、2秒遅れて届き、更に筋肉がスムーズ動かないのでおかしな動作になる。パーキンソン病の症状である。

痙攣

硬直している筋肉は、何とか自力で元に戻そうとする働きがある。その時に他の筋束にも影響を与え別々の動きが起こり不随意な動きをつくる

。それが不規則となり予測できない動きが起こる。これが痙攣である。

痛み

硬直度の強い筋肉は、強い力で痛感神経などを圧迫しているために強烈な痛みを作る。

その起因は、大きな動きだけではなくごく些細な動き、あるいは刺激によってひきだだされる。緊張し硬直している筋肉はそれを敏感にキャッチし神経に伝え強烈な痛みを作っていく。これは予測が難しくまさに間欠的に起こるのである。

 

治療法

この病気は、硬直し萎縮した筋肉をほぐして正常にすれば治癒する病気である。

しかし、そのような治療法を西洋医学は持っていない。

東洋医学の漢方薬などの投薬や鍼灸、マッサージや指圧といった治療でも硬直した筋肉をほぐすことはできないだろう。

できる者にとっては難しい治療では決してない。ただ、時間がかかるだけだ。時間は、硬直の状態にもよっても違ってくるが根気よく続ければほぐれてくる。

 

機会があるならセリーヌ・ディオンさんを治してあげたい。そして再び生の歌声を聴きたい。そう思っている。

 

2924/06/29

眞々田