ラジカット式思考法・原因を見過るとき
ラジカットは、有害なフリーラジカルを除去し、酸化ストレスを抑えることで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行抑制や脳梗塞急性期の症状改善に用いられる医療用医薬品です。
しかし、ラジカットによってALSを完治させることはできません。また、失われた神経細胞や低下した筋力・身体機能を元に戻す効果もありません。一般的には「本来ならもっと進んでいたはずの病状の悪化を遅らせる」ことが期待されている薬です。
フリーラジカルとは、不対電子を持つ原子や分子の総称であり、酸化ストレスとの関係が指摘されています。
私のもとには毎週二日間、ALSの患者であるSさんが施術に通われています。いつも付き添っていたお母さんが硬膜下出血で緊急入院されたため、Sさんも約三週間病院に入院することになりました。
三週間後に再会したSさんの姿は大きく変わっていました。体は痩せ、首下がり症は悪化し、以前は手すりにつかまれば移動できていた脚も動かなくなっていました。腕もほとんど反応しません。
病院に入院しているのだから安心だと思っていましたが、実際には大きく症状が進行していました。治療として行われていたのはラジカットの投与が中心だったそうです。
私はこれまで薬とは無縁の立場で施術を続けてきました。ラジカットという薬を知ったのもこの時が初めてです。そこで、その作用
や考え方を調べてみました。
しかし、私にはALSの原因に対する説明が十分に納得できるものには思えませんでした。そしてSさんの三週間の経過を見る限り、少なくともこの症例においては、ラジカットが病気の進行を抑制しているようには見えませんでした。
この経験から、私は認知症治療との共通点を考えるようになりました。
過去に認知症の新薬が大きな話題となったことがありました。しかし、その一方で副作用に苦しむ患者さんがいることも報じられています。製薬会社は認知症の原因を脳そのものに求めていますが、私の臨床経験では、脳への血流低下によって脳機能が十分に働かなくなった結果として認知症が起こると考えています。
そのため、脳への血液循環を改善すると症状が回復していく例を数多く見てきました。
もし認知症の原因に対する考え方が異なれば、そこから生まれる治療法もまた異なってきます。私はラジカットについても同様の疑問を抱いています。
筋肉が硬直し、全身の機能が失われていくALSという病気が、フリーラジカルの除去だけで十分に説明できるのだろうか。原因の捉え方そのものに見落としはないのだろうか。
もちろん私は医薬品開発を否定したいわけではありません。しかし、病気の原因に対する考え方が異なれば、治療の方向性も変わります。現代医療の中に別の視点を取り入れることで、救われる人が増える可能性があるのではないかと感じています。
なお、私が調べた限りでは、ラジカットには重篤な副作用は比較的少ないようです。その点は患者さんにとって救いであると思います。
2026/07/27
眞々田昭司







