疫療法の間違い

 

またこれかという免疫療法。

「高いサプリメントを買って飲んでいるのですが、あまり変わりないように思うのですが、先生どう思います」

「知らないよ、そんな事、あなたが勝手に信じたんでしょう」これは、私の心の声。

解っていない。作っている人も?売ってる人も、買って飲んでいる人も。

 

免疫療法、流行り出したのはいつの頃だったか?16,7年前と記憶を辿るが定かではない。

ガンも消えていく免疫力。安保徹氏の免疫に関する本がベストセラーになっていた時代である。

「血液中の白血球の数が35%程度が良い」というのを、安保徹氏の本から知った事がある。その割合をつくるための食事療法やサプリメントが売れ出した時代でもある。

 

どうも多くの人たちは、飲んで何とかしょうとする発想から抜けきれないでいる。確かに飲んだり食ったりしただけで、健康状態が守れるのなら、それほど簡単な事は無い。

 

免疫療法については、偉い先生方も良く解っていないようである。何でもかんでも免疫力万能の考え方は余りに軽佻(けいちょう)浮(ふ)華(か)( 考えが浅くうわべだけで実質がないこと)である。

 

ガンにも免疫力が有効?である。ガンは自分の細胞が狂って出来た細胞である。それを万能な免疫力がやっつけるというのだろうか?

そもそも免疫とは、自分では無い非自己のものに対して働くものである。そう、西洋医学は定義したはずだ。

しかし、しばらくすると、自分のからだを自分が攻撃する自己免疫疾患というとんでもない学説をつくりだす。滅茶滅茶である。学説は一貫してもらいたい。信じて読んでいる者は頭の中がよじれて仕舞いかねない。軽佻浮華である。

 

免疫をつくるのは血液である。このコラムを読んでいる方なら誰でもご存知だろう。しかし、この先の事は理解していない。免疫力を働かせる為には、必要な部位に血液を運ばなければならない事を。

 

爪の根元を注射針で突くと免疫力が上がる。ガンにも有効?ある臨床医師が発見し、本が出版され一時話題になった。しかし、その理由についての説明は全くなかった。中国に古くから伝わる刺絡法と変わりはない。

これを私なりに解説すれば、指先の敏感な部分を刺激すると、その緊張が全身に走り筋肉を一時的に動かす。その事で、血液循環が促され、それまで通らなかった部分にも血液が通い、一時的に免疫力が上がると考えられる。

 

免疫は、ウイルスや異物が侵入してきたときに、それらと闘い、あるいは捕獲して処理してしまうという働きである。 その免疫の力を付ければ、それだけ体を守ってくれると考えがち。頭の良い?知識偏重型の人が陥りやすいところである。

 

免疫は血液の中に含まれているものである。いくら強い免疫力を持った血液でも、ウイルスや異物が侵入してきている場所に運ばれなくては意味はない。

 

この点を西洋医学の医学者や医師は見落としている。血中の白血球の割合を云々しても、血液循環の滞りに付いての議論は全く見当たらないからだ。

血液循環が正常でなければ、いくら免疫力のアップする食事をやサプリメントを摂ったとしても意味の無い事なのである。

 

筋肉にコリをつくり硬くなると、そこに含んでいる血管を押し潰し狭めて、血液の流れを止め血液循環を阻害する。

血液循環が落ちた血液は、うっ血や虚血をつくり、その為に血液は汚れて老化し、免疫力の無い血液となっていく。

また、白血球の主な働きは細胞の修復。血液が不足し傷ついた細胞を修復する為にだけ多くを白血球を費やせば、免疫力低下を及ぼす。

筋肉のコリを取り、滞り部分をなくして、血液循環を良くし、腸を正常にしていけば免疫力は高まっていく。

「免疫力は食事やサプリメントでは高まらない」と、免疫療法に狂っている人に教えてあげて欲しい。