病気を治すのは二人三脚
「人は死に向かって急ぎたがる」
と、言った人がいる。誰が言ったのかは覚えていないが、この言葉だけは忘れない。
「からだの為に良いことをする」これを常識人がやろうとすれば、ほとんどが、「死に向かって急ぎたがる」へのどつぼにはまってしまう。何故かやりたくなってしまうのだ。
簡単な例を示そう。
1息切れがし、疲れが出るようになってきた。運動不足が原因だ。
2膝が痛くなってきた。スクワットをして鍛えなくては。
3歩かなくては、その内に歩けなくなってしまう。
これは、常識人が持っている知識である。常識を疑おうとする人は少ない。自著「筋肉の使い方育て方」の中で、いくつか間違った常識を指摘してきたが、反響は少なかった。「何言ってるんだあんたは」的な感じを受け取った。私の意見は常識の中にかき消されてしまったようだ。
あげた三つの他に無数にある。それらの行為が、何故死に急ぎにつながるのか?を理解する人は少ないだろう。
1を解説。
息切れや疲れやすくなるのは何故だろう?これが解らなければ、やることみんな無謀である。
腹直筋の根元(鳩尾)と、首の付け根、胸鎖乳突筋の起始の部分を固めると呼吸するための筋肉が動かなくなる。そのために呼吸がし難くなる。その時に階段を登ったり走ったりすれば、その必要酸素量を確保できずに息切れが起きる。
腰を反らせていると腎臓を圧迫して固めていく。踵で着地してつま先で蹴るような歩き方をしていると、体重の反力を着地した時突き上げるように腎臓を固めていく。腎臓を固めるとその機能が落ち、私の造語の水筋肉をつくっていく。(自著 MMSに詳しく説明している)そうなると排泄されるはずの水分が筋肉の中に含んでしまい、本来の筋肉の機能が発揮できなくなる。1つで十分な筋肉を3つも4つも使いことになり、必要以上のエネルギーを使うことになり疲れてしまう。これが原因。決して運動不足の所為ではないのである。
食べ過ぎや腹筋を使った作業や運動、悪い姿勢、からだを冷やすなどが原因でもつくられる。
こんな状態の時に運動をすれば逆効果。全く意味がないどころか体が壊れていく。でも、強く固めていけば神経は麻痺して感じなくなってきて、息切れや疲れも感じなくなるかも知れない。だが心筋梗塞や脳卒中の危険が増してくることは間違いがない。これも死に急ぎである。
2では、膝痛は膝周りの筋肉が固まりコリつくることで起きる。まず、関節の軟骨が減ってとか、半月板損傷と単純にいう人がいるが全く当を得ていない。膝周りの筋肉を丁寧に解していけば解決するものである。それを、スクワットなどを行うのは以ての外である。
膝が痛くて曲げ伸ばしができず、正座も階段の登り降りもできない人に、痛む膝の方を片足でスクワットすることを進めた馬鹿な理学療法士がいた。どんどん酷くなり私の所に駆け込んできた。
「鍛えれば治る」というあまりにも単純な発想。膝痛を治すこととは掛け離れている。しかし中には、鍛えて筋肉が硬くなり神経が麻痺して痛みを感じなくなって治ったと勘違いした人もいたのかもしれない。だが後には痛みが増して歩けなくなってしまうことが起きる。最悪の治療法である。人間歩けなくなっては長生きができない。これも死に急ぎである。
3でも一言ある。歩ける状態を作り正しく歩け。これをただ「歩けば健康になる」と、万人に勧めている困った人たちがいる。
糖尿病患者に「歩きなさい」という医師もいる。歩いた後、血糖値を測れば数値は下がる。しかし、筋肉が冷えて硬くなってくればまた数値はあがってくる。これを繰り返せば糖尿病はますます深刻化してしまう。本質が解っていない。これも死に急ぎである。
このようなことが無数にある。人間の体を良く理解することが大事である。
また、人が病気になると、「飲む」か「食う」ことで治そうとする。薬を飲む。あれは良い、これは良いといった食事を摂る。薬を飲む時間は数病。飲食でも毎日食べる訳だからカウントには入らない。こんな安易なことで治そうというのは、余りにも浅はかと私は言いたい。
病気を治す最も良い方法は「自分で治す」ことである。しかし、いたずらにやれば「死に急ぎに」なってしまうから、正しい知識を持他なければならない。そして他人任せにしないことである。
私は常々、病気を治すのは二人三脚であると思っている。また人にそう説いてきた。
私の施術は病気を治すお手伝い。治すのはあなた。方法が解らなければ、呼吸法と「元気になる。病気が治っていく」と思うことで良い。
ひょっとして、あなたは体に悪いことばかりしていないだろうか?死に急ぎしていませんか。