神経麻痺と逆流性食道炎

無神経な人が多い。「こんなことを出だしで書くなんて、もっと言い方があるでしょう。文章を書くときは気を付けて」と娘に叱られそうだ。無神経という言葉は適切ではない。神経が通(かよ)っていない。麻痺している。と言うのが正しいのかも知れない。

「先生、腕が痛くて夜眠れないんです」

「脚が痺れて痛く立っているのも辛く、夜は脚の芯の方が痛くて眠れません」

「全く食欲がありません」薬を飲んでいるのですが。

「便秘と下痢を繰り返しています。病院には何箇所も行きましたが治りません。どこでも薬を処方されるのですが全く効果がありません。何とか治して下さい」

このような症状を持った人たちが多い。

 

神経麻痺状態

上腕二頭筋の通常痛みを感じる部分を圧し

このような人が多い。これ実は、腕にある痛感神経に神経が通(かよ)っていない状態、つまり麻痺した状態。同様に腹部や脚も「大丈夫です」となる。

「肩コリはしたことが無い」と言う人。でもこれ、ほとんどの人が神経の通っていない麻痺している人である。

神経は、触覚を感じたり痛感を感じたりするだけのものと軽く考えてはいけない。

神経が通常に働いていれば、神経を通して全身の部位の情報が脳に伝わる。便意をもよおす、尿意をもよおす、も神経が通っているからで、神経が麻痺していれば、それが感じられなくなる。便意がなければ便器に座っていても出てこない。便秘の人に多い例である。

 

正常に神経が繋(つな)がっていれば、どこかの部位に支障が起きたとき、その情報が速やかに脳に送られ、脳は部位の修復や正常な働きをするように修正していく。これが「自己治癒力」。私の作った造語である。

そして「病気はこの自己治癒力を失った時に起きていく」というのが私の理論である。つまり神経麻痺を起こして、不具合を起こしかけている部位の情報が脳に届かず、自己治癒力が働かなくなった状態つくると、いろいろな症状や病気をつくりだしていく。ということである。

さてここで終わってしまっては医学得意の研究成果発表に過ぎなくなってしまう。何が原因で神経麻痺をつくっていくのだろうか?

首の根元、僧帽筋の下、鎖骨の下側にある棘上筋。この筋肉を固めてしまうと神経麻痺を起きてしまう。

この棘上筋を固める原因には、腕を上に上げて寝る。(つまり万歳の格好で寝ること)とにかく肩を挙げていることに起因している。肩は上げない。沈めている。これがベストである。

また首を前に折り曲げて、本を読む姿勢、スマホを操作する姿勢。よく電車の中で首を90度程度に曲げて眠っている姿を見かける。これもいけない。

この棘上筋を固めるとそこを通っている神経を圧(お)し潰し麻痺させてしまう。体の前面から腕神経、腹部神経、脚神経を麻痺させ、背面では、脊柱にそっての神経、臀部、脚の裏側を麻痺させていく。

司令塔である脳から脚方向に向かって神経が延びている。そして脳から首筋の胸鎖乳突筋の中央部にあるポイントがある。この部分に突起したようにコリがありこのポイントを圧すると痛みが生じる。神経麻痺起こしている人は胸鎖乳突筋を脚方向に向かって圧していっても痛みが感じない。腕の上腕を強く握っても痛みを感じない。腹部を圧しても痛がらない、脚も前面を強く握っても痛みを感じない。これが特徴である。

これを正常にするには高度なテクニックが必要であり、間違えば失神などしかねない。危険性があるのでここでは紹介は省くが、誰でも出来ることは、前述した万歳姿勢、肩を上げること、首を前に折り曲げる姿勢を即刻止めることである。

 

逆流性食道炎

近頃逆流性食道炎と診断されている人が多い。この病気を神経麻痺、密接な関わりがある。しかし、逆流性食道炎と診断されている人をみると必ずしも逆流性食道炎ではない場合が多い。冒頭の例の4番目の人も気持ちが悪いと言ったら逆流性食道炎と診断された。

逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して食道を傷をつけて炎症を起こしてしまうもので、痛みや胸焼けなどの症状がある。しかし、逆流性食道炎と診断された多くの人は、「気持ちが悪い。吐き気がする。ときには嘔吐(おうと)してしまう」などの症状だが、これは逆流性食道炎ではない。疑 逆流性食道炎と言えるだろう。(これ以後疑逆流性食道炎と言うことにする)

何故このような状態が起きるのか?詳しく説明していく前に、その時の体の状態はどうなっているかを説明しなくてはならないだろう。

私のつくった造語に「顎(あご)出し姿勢、臍(へそ)折り姿勢」というのがある。顎出し姿勢をしている人が前に屈(かが)むと臍部分を中心として曲がっていく。これを臍折れと言っている。腹部に横にスジが入っている。ひどい人になると4本のスジが入っているので直ぐに分かる。

臍折れをすると、腹部にある小腸、大腸、肝臓、膵臓などの臓器を圧迫してしまう。日常の生活の中で常に臍折れを行なっていると、腹部を突き固めてしまい腹部全体が固まってしまう。これは即、胃腸障害を起こして食欲不振、太れないなどが現れる。肝臓も硬くなってしまう。また、背部にある腎臓も引き伸ばして固めてしまうので腎機能障害も起こし、肌の色が黒くくすんでくる。便秘や生理痛などにもなっていく。とにかく臍折れは良いことは何もない。

 

疑逆流性食道炎の人のほとんどがこの臍折れをしている。つまり腹部が固まった状態なのだ。常に屈(かが)んだ状態をつくりあげている人が真っ直ぐに仰臥(ぎょうが)(上を向いて寝ること)すると腹部を引っ張ることになる。チューブを引っ張れば内径が細くなる、それは上から圧迫することと変わりない。硬い腹部を圧迫すれば吐き気が起き気持ち悪くなる、ときには嘔吐もしてしまう。

逆流性食道炎の場合は、胃底部分が固まりそこに食道と胃の境にある噴門弁を固めて閉まりを悪くして少し開いているときに、胃酸が逆流して食道に流れ込み食道を傷つけて起こす病気である。

 

何故疑逆流性食道炎をつくるのか?

寝る姿勢や姿勢の悪さがつくることは述べたが、1番の原因は神経麻痺にある。

神経麻痺を起こすと、腹部の状態が的確に脳に伝わらない。脳は悪くなった胃腸などを修復しようとしなくなる。自己治癒力が働いていないのだ。この状態が長く続けばますます胃腸の状態が悪くなり、脳への情報伝達は皆無となり、胃腸を自分でコントロールすることができなくなる。

顎出し姿勢や首折れ姿勢をしていると、神経麻痺をつくる棘上筋を固めてしまう。同時に腹部も固めてしまうので最悪の姿勢である。それに加えて万歳寝をしていればさらに最悪となる。

 

検証

立って顎を出した姿勢や首を前方に曲げた姿勢で前屈。腹部の臍付近が凹んで折れていることを確認。

次に、顎を引き、首は胴体から真っ直ぐに伸ばした状態で前屈。腹部が真っ直ぐになっていることを確認。

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