肩コリの原因新発見

その解消法     

「肩コリ? わたし、肩コリなんか知らないわ」

誇らしげに言う人がいます。

「本当かなぁ?あなたには分からないだけかも」

これまでに千人を越す人の肩に触れてきましたが、まだ肩コリのない人に出会っていません。

肩が柔らかく一見コリなどないと思える人でも、「隠れ肩コリ」は存在するのです。

わたしの造語に「水筋肉」と言うのがあります。水筋肉とは、腎機能が落ち、且つ筋肉が固まり静脈の毛細血管が圧迫されてしまうと、静脈から血液が心臓へ戻って来なくなります。それが筋肉内に留まり、筋肉は水を含んでブヨブヨになってしまいます。これが水筋肉です。

水筋肉の人の体に触ると柔らかくどこにも固まりはありません。一見コリのない正常な体に思えます。

筋肉がブヨブヨなら神経を圧迫することはないので、痛みをつくることはありません。しかし、実際には肩が凝っているのです。痛みがないので肩コリ感を感じないだけなのです。

水筋肉の状態を放って置くと腎機能はますます低下し、腎不全を招いてしまいます。最悪は透析ということになります。

水筋肉を見分けるにはいくつか方法があります。

1 肌の色がくすんでいる。

2 上腕に振袖ができる。

3 全体の筋肉が柔らかくブヨブヨ。

4 足が浮腫(むく)んでくる。

5 疲労感を感じ、直ぐに疲れる。

6 手足が冷たい。

7 以前より顔が「ぽてっと」してきいる。

あなたはいくつか当てはまりませんか?

水筋肉になると、筋肉の中に排泄水が含まれているので体が重くなり、筋力が落ちてきます。筋力が落ちると、些細な動作にも正常時の数倍の筋肉を使って処理することになるのでエネルギーを沢山使うことになり疲れやすく、行動性が落ちてきます。

血液循環も悪いので手足が冷たくなり、細胞に充分な血液が供給されないので代謝が悪くなり、老化が進行していきます。

「わたし、肩コリなんか知らないわ」

の中に、このようなことが隠されているのです。

「腎機能を正常にすることはできない」と、言うのが現代医学の常識のようです。薬しか治療法のない医療では無理からぬ話です。薬を飲めば飲むほど腎機能を低下させてしまうからです。

でも大丈夫です。病院では無理ですが、わたしのMMSでは難しいことではありません。むしろ簡単なことです。MMSの治療では、まず水筋肉を無くすことから始めます。水筋肉が取れなければММSの治療はできません。

腎機能を正常にしていくと、筋肉から排泄水がなくなり、全身の筋肉が硬く締まってきます。そして、その時点での本来の筋肉の硬さ(姿)が現れます。この時肩に触れればしっかりと肩コリを確認できます。

(※ 注意、多本数打つ鍼治療を受けると、静脈や神経を切断してしまい、水筋肉になってしまうことが多くあります。鍼治療のやり過ぎはいけません。)

また、肩コリを知らない人の中に、肩や腕神経が麻痺している人がいます。この状態の人は、触覚はあっても痛みを感じません。ゆえに、「肩コリ感」がありません。ひどい人になると触覚もなくなり、触れていても、触れられている感がない人もいます。

さてこれから本題に入りましょう。

「先生、肩コリを作らないようにするにはどうしたら良いですか?」

このような質問を多く受けます。

以前は「難しいですね」と、回答をしていました。何故なら、肩コリはさまざまな状況下でつくられると思っていたからです。

何年か掛け「肩コリの大半は腕がつくる」ことを証明してきました。発表しても良い時期となり、回答が

「腕を多用せず、力を使わないようにすることです」

と変わってきました。

肩コリや首コリのひどい人が、わたしのもとに多く来ます。早くそこを取ってあげようと、直接部位に触れたくなりますが、はやる気をジッと耐えて腕を解していくと、肩コリや首コリが無くなっていきます。むしろその遠回りをした方が時間的に速く肩や首のコリを解すことができます。

これは、多くの人を対象に、直接肩や首を解す方が早いのか、腕を解していった方が早いのかを検証した結果なのです。

そして何より、肩や首のコリを解しても腕のコリは解れませんが、腕のコリを解していけば、同時に肩や首のコリも解れていくのです。

このことが分かった時、必然と肩コリは腕がつくっているのではないかという結論が導き出されてきました。

「腕のコリを取れば肩も腕のコリも解れるなら一石二鳥、プロに取ってもらおっと」

しかし、そう簡単に問屋は卸してはくれません。単に圧したりマッサージしたりしても筋肉のコリを解すことができませんし、肩コリをつくっている腕の部位を知らなければ、腕を解せたとしても肩や首のコリは解れません。

その方法を出し惜しみするわけではありませんが、言葉で伝えることが難しいので、弟子のみに直接指導しています。

「そんなこと言われたらどうしたらいいのよ」

簡単なことです。腕のコリを取る方法を知るのではなく、腕のコリをつくらないようにすれば良いのです。

多くの人が、知らず知らに腕を固めていることをしています。そこで、思いつくままに「こんなことをしてはいけません」と、いうのをいくつか並べてみました。

1 スマホの文字を打っているときに、打っている指以外を曲げたり伸ばしたりして固めている人。

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改善策

打っている指を中指とした場合、他の指は軽く曲げ、腕や指先に力をいれないこと。スマホに近く置いた指で軽く押すことです。

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2 マウスをしっかりと握っている人。

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改善策
掌の筋肉を使って軽く曲げマウスを掴んだ指に力を入れずに型を作り、クリックする人差し指や中指はマウスに軽く触れておき、クリックするときには、力を抜いた指が沈み込むような感覚でクリックします。移動するときには腕に力を入れずに肘関節を支点に動かします。

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3 手に持った荷物を必要以上に力を入れて持っている人。

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改善策

右写真のように握らずに引っ掛けるようにします。また、持ち上げることはせずに、ぶら下げるようにします。

4 文字を書くときに筆圧の強い人。(左側の写真)

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改善策

鉛筆やボールペンを写真のように持つ。そのときに鉛筆やボールペンを摘んで持ち上げたときには抵抗もなく抜けるようにする。書くときや筆圧を掛けたいときは人差し指に力は入れず、人差し指をテコに使っていきます。指に力を入れずに「曲がらない」と思って使うとそれで十分に筆圧を掛けることができます。

5 何をするにも必要以上に腕に力を入れている人。

まだまだ注意事項が出てくると思いますが、基本は出来るだけ腕の筋肉を使わずに処理することなのです。

腕を使わないと、あるいは力を入れないと何の処理もできないと思っている人が大勢でしょうが、わたしは、施術の際も、日常生活の中でもできるだけ腕やその筋肉を使わないようにしています。

わたしの武術は、人を投げたり倒したりするときにも腕の筋肉はほとんど使いません。それが有効に働くことを知っているからです。(詳しくは、著者「筋肉に使い方育て方」に掲載しています)

腕に力が入ると、器用に動かすことや強い力を発揮することができなくなるのです。皆さんの常識とは少し違うかも知れません。

腕を多用し力を入れて固めると、リウマチ、ALS、筋萎縮症などの病気になってしまいます。

肩コリ、首のコリが原因で多くの病気をつくっていきます。腕に力を入れず、多用せず、肩コリの無い生活を送りましょう。

2017年6月15日

眞々田昭司