大腸ガンの原因と予防
日本人の死因で最も多いがん。その中でも大腸がんは増加傾向にあり、女性ではがん死亡原因の1位となっている。 (読売ルネッサンス引用)
この大腸ガンも、筋肉のコリが起因しています。
まず、大腸の働きを説明していきしょう。
小腸が食べ物の栄養素を吸収した後、残りの物は排泄物として回盲弁を経て大腸に運ばれていきます。大腸は、栄養素を再吸収した後、水分を吸収して便にしていきます。水分は尿として排泄されます。
回盲弁から出た排泄物は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門を経て便として外部に排泄されていきます。
上行結腸では、まだ水分を含んでいますが、横行結腸を経て下行結腸に至る時点で水分が無くなり、下行結腸で有機化して固まって便となります。
小腸や大腸は、食物や廃棄物を運ぶために、蠕動運動(筋肉の収縮によって生じたくびれが波のように徐々に伝播していく形の運動。小腸、大腸、血管に見られ、内容物を下方に運ぶ働きをする)をしています。
この大腸の働きを完全にするには、大腸への血液循環が正常である必要があります。そして働きだけではなく大腸を健全に保つには、常に代謝が行われ新しい細胞に替わっていかなければなりません。
しかし、血液循環が良ければ何の問題もありませんが、血液循環が悪くなって血液が不足すると、機能の方に優先され代謝の方に向けられなくなり、大腸の細胞は古くなり老化していきます。老化が進んで来ると細胞は萎縮して縮まっていきます。そしてその細胞にはますます血液が流れなくなり老化が促進される事になります。
細胞が老化して萎縮していく例として、若い時には大柄だと感じた人も、ある程度の年齢になると小さくなってしまいます。そのような事で老化と萎縮が理解できるのではないでしょうか。
体全体の細胞が老化していくのは老齢化ですが、時には体の一部分の細胞だけが老化していきます。これが様々な病気を作り出していきます。 ガンはこの過程のものです。老化し萎縮し血液循環が絶たれた時、細胞は飢餓し特異な細胞に変異します。これがガン細胞をつくる過程であると考えています。
さて、大腸ガンはどのようにつくられるのでしょうか?
そんな事をしていたら大腸ガンになっちゃうよ
1 腹筋をきたえている人
2 お肉大好きな人
3 乳製品に目が無い人
4 いつも便秘している人
5 へそ折りしている人
とにかく大腸への血液循環が悪くなり代謝されずに大腸が老化していくことから始まります。
まず、腹筋、特に腹直筋などを固めていくと、その筋肉に抑えられて、大腸、小腸の動かなくなりが蠕動運動が無くなります。お腹が「ぐうぐう」というのは蠕動運動の現れです。あなたのお腹はどうでしょうか?
左の図を見ながら説明します。胃の下に赤い太い血管があります。下行大動脈と言い、青く太い血管が下行大静脈といいます。そこから枝分かれして結腸動静脈が出てそれが無数に大腸に結ばれています。この動静脈が大腸の機能と代謝を行っている血液を運ぶ血管です。この血管が詰まり血液を断つような事が起きると腸は老化してしまいます。
下行大動静脈から結腸動静脈へ分岐している部分の上にあるのが腹直筋で非常に強い筋肉です。腹直筋にコリをつくって固めると、その緊張収縮が結腸動静脈を圧迫し血流を落としていきます。大腸の側面に取り付いている血管には血液は流れにくくなり、大腸への血行不良が起こります。結腸動静脈は無数にありますが、その内の1本が詰まって流れなくなって、血液が細胞に送られなくなれば代謝が無くなり老化し飢餓してガン細胞になっても不思議はありません。
また腹部には、胃や腸を外に飛び出さない様に覆っている大網(だいもう)、その上に内腹斜筋、外腹斜筋とあります。それらの筋肉のコリが小腸を圧迫すると、小腸の平滑筋にコリがつくられ膨張してきます。また、刺激性の強い食べ物や食べ過ぎなどでも小腸は膨張します。それが大腸を圧迫して結腸動静脈への血流を阻害します。また、腹筋によって大腸が押さえつけられれば蠕動運動が出来なくなり便が運行出来ずに便秘となります。便が大腸に留まっていれば腸壁は汚れ糜爛(びらん)し傷付きガン細胞をつくっていきます。また、大腸の代謝が落ち老化すればポリープや憩室が出来ます。
腹筋にコリをつくって固める事は、小腸、大腸の機能と代謝を貶めてしまうのです。
腹筋が硬く締まってきた。腹直筋が4段筋になったと喜んでいてはいけません。最悪の事態になりかねません。尚、外腹斜筋は、過度に使った時や鍛えた時に固まり、内腹斜筋はストレスなどによって固まります。
今年、俳優の今井雅之さんがお亡くなりになりました。あの方も元気な頃の写真を見ると腹部に筋が入っていました。左下の写真は腹筋を鍛えている男性の写真です。腹が出てブヨブヨしている人より強く頑健そうに見えますが、筋肉を鍛えてはいけない事を知っている人から見たら「何て不健康な事をしているの」としか思えません。
へそを中心に体を前に倒す事を「へそ折り」と言っています(私の造語)。特徴的なのは、へその上下に3、4本の筋ができます。へそ折りをする人は、前に屈んだり椅子に座ったりしている際に、胃や腸を下部に圧し込んでしまう為に腸は圧し固められ固まります。大腸への血行も悪くなってきます。
背中を丸くする猫背、昔の便器で用便をする様なスタイルでいる人がいます。これも腸を圧迫して固めてしまいます。腹部が凹み肌の色がくすんでいる人が多い。
まだまだ大腸を固めてしまう例を探せばあると思いますが、腹部を固める事が、大腸ガンをつくると言っても過言ではありません。
大腸ガンを治していく
通常は手術+抗ガン剤というパターンになるのでしょうが、その療法を受けて治るという保証は全くなくリスクの方が高い。何もしない方が長生きできると、近藤誠氏は盛んに説いています。
大腸ガンをつくっている原因は腹部の筋肉のコリと言って過言ではありません。まずそのコリを取る事からスタートです。そして次のようにしていく事でしょう。
1 体を鍛えるような事はしない。
2 肉食を止める。
3 野菜食をメインとした食事法を行っていく。
4 夜の遅い時間の食事はしない。
5 暴飲暴食はしない。
6 呼吸法を取り入れた身体法を行なう。
一人で治す事は大変ですが、優れた施術者の力を借りて二人三脚で治していけば難しくありません。
大腸がんの予防
常に腹部を軟らかくしておくことが必要です。かといってブヨブヨの水筋肉(私の造語)のお腹ではありません。そして、腹筋を鍛えるというような愚かな事をしてはいけません。便通は常に正常であることに努める事です。下痢状態も便秘状態もよろしくありません。便秘や下痢の改善は私の著書MMSに記載しています。
食事はできるだけ肉食や乳製品を避けた食事を摂る事です。肉は消化が悪く長時間腸に留まることで腸壁が汚れ代謝を損ねます。乳製品は腸壁に付着して腸壁を汚して行きます。これも代謝を損ね、ポリープ等を作っていくとも考えられます。
腹部を冷す事もよろしくありません。夏場の衣服や冷たい物を食べるなど気をつけることです。
世界的に有名なオーケストラのチェリストが、手術+抗ガン剤という治療を受けて今年初秋(2015年)に亡くなってしまいました。彼とは大腸ガンの手術を終え抗ガン剤治療を受けている時に知り合いました。既に肝臓に転移していました。
日本とヨーロッパという環境下、彼が来日した時、私が向こうに行った時にしか施術が出来なかったのですが、肝臓のガンも小さくなり体調も好転し治癒も難しくない状況になりました。しかし、遠く離れていて不安にもなっていたのでしょうか、医者の勧めでガンの患部にスポット的に使う抗ガン剤を受けたようです。その後一月も経たない内に亡くなってしまいました。何か試された様な感があります。抗ガン剤治療をせずにあのままでいてくれたら、今頃はワインを片手に談笑していたと、全く残念でなりません。
私の友人の一人に抗ガン剤の営業をしている人がいます。彼曰(いわ)く「抗ガン剤は治す薬ではない。少しでも延命させる為のもの」と言って憚(はばか)りません。
いつか「危険な治療法に替わる安全な治療法」が世に広がっていく事を念じてこのコラムを書いています。