9月25日付けの読売新聞の「医療ルネサンス」中で、“「足外来」で壊疽防ぐケア”という見出しが目に入った。 糖尿病による合併症についての記事である。

内容は、合併症のひとつの神経障害があり、足先がしびれて痛みが感じにくくなり、ちょっとした傷などの発見が遅れ、そこにバイ菌が感染すると、身体の抵抗力がおちていて、血行も悪いので治りにくく、最悪の場合は組織が腐ってしまう壊疽に至り、切断することになる。というものでした。また壊疽により足を切断した人は年間3000人に及ぶという。

そんな足の合併症を未然に防ぐために「フットケア」に取り組んでいて、ある病院では、月1回程度の受診を奨励しているようだ。

そこでは、神経障害や傷などがないかを調べたうえで、傷の元になりやすいウオノメ、タコ、水虫のひび割れやじくじくした部分、靴擦れなどの手入れをするといったものだ。また、「壊疽の予防のためには患者さんに自分の足に関心をもってもらうこと」だと担当している看護師長さんの話がありました。患者自身が日ごろ自分の足に異常がないかよく観察し、不潔にならないように努める「セルフケア」を身につけてもらうのが目的だともいう。

この記事を見て、正直いってあきれ果てました。あまりにも稚拙な医療です。糖尿病になってしまう原因にはいろいろあります。(詳細は私の他のページに記載してあります)一番多いのが、脚の筋肉を固めてなってしまうケースです。脚の筋肉が固まってしまうと、その筋肉の中に通っている神経や血管を圧しつぶします。血管を細くすれば血液の流れが悪くなってきます。血液の中に含んでいる糖分を筋肉が吸収してエネルギーとしています。血液の流れが悪くなって、正常時の半分しか血液が流れてこなければ、筋肉はやはり半分しか糖分を吸収することができなくなります。糖分だけではありません。他の成分も入ってこなければ代謝能力が落ち、筋肉は老化していきます。半分しか脚の筋肉が糖分を吸収できなければ残りが余ってきます。それが血液の中に溜まっていて、検査をすれば血糖値が高い状態になり糖尿病であるということになります。

勘違いしていただきたくないのは、糖尿になって脚が硬く血行が悪くなるのではなく、脚を固めて血行を悪くするから、糖尿病になるのです。

糖尿病になり、医者に勧められて毎朝ウオーキングをしているという話をよく聞きますが、これは糖尿病を助長していることにほかなりません。何故かというと、硬く固まってしまった脚に力の入る動きをすればますます筋肉が硬く固まっていきます。歩いている時には動かしているので少し血行がよくなり、血糖値も下がりますが、時間が経つと前の状態よりも硬くなります。脚を動かすことは筋肉をほぐす意味ではとても良いことなのですが、負荷をかけず、力を入れずに動かすことが大事なのです。

糖尿病で神経障害がある。まずこれを治すことが最初にすべき治療です。そして血行を良くする。実はこれは分けて考えることではなくて、脚の筋肉をほぐして柔らかくしていくと同時に解決することなのです。

傷をつけたことも感じない。だから常に足に関心を持つようにする。まさに対症療法です。感じられるようにしてあげることです。

傷口からバイ菌が入り感染し壊疽する。だから常に衛生的にしておかなければいけない。血行がよければ免疫力がバイ菌を退治してくれます。傷口も直にふさがります。

私の知り合いにも足を切断された人がいます。知人が壊疽になってひどい状態のとき、これなら少しくらい時間をおいても大丈夫だと思う程度に脚を治しました。私が10日間くらい外国に出かけた時に、少し悪くなって痛みだしたら、医者が「腐って他にも移ってしまうから早く切らないとだめだ」といって切ってしまったそうです。まぁ本人も家族も同意したのだから仕方がないと思っても、「なぜ脚の血行を良くする程度のことが出来ないのだ」というのが私の本音です。あまりにも稚拙な医療です。

硬くなった筋肉をほぐし血液の通う脚にしてあげれば、脚が暖かくなり肌のつやも戻ってきます。神経障害も壊疽になる心配もありません。傷口をきれいに衛生的にする。そんなことでは根本的な解決にはなりません。

これでは国民の総医療費が上がっていくのは当然のことです。