飲んべいにとって、肴も大事なものである。酒があれば何でも良いと言う、外道の飲み方はあまり好きではない。

馴染みの店をいくつか持っているが、それぞれ違う味わいができるお店を選んである。座れば黙って好みのものが出てくる。何と贅沢な人生だろう。

また一週間に一度は散歩を兼ねいろいろな所に出かけて行き、おいしそうな店を探すのを楽しみにしている。散歩は散歩ブームの火付け役となった「ちぃ散歩」をもじって「昭(小)散歩」と名付けている。

自宅に居るときは酒の肴は自分で作ることが多い。愛妻家、いや恐妻家である私には当然の仕儀である。

飲む酒はオールマイティであるが、近頃は好んでビールを飲んでいる。これには理由がある。

ゴマブックスから出している「コリとる気功術」の拙書のなかに「酒は身体を硬くする」と書いているが、その所に原因があるからである。

酒が身体を硬くする理由は拙書を読んでいただきたいが、実は酒の肴がそれを助長することが解ってきた。

これは長年の自分自身による人体実験を繰り返し、多くの研究費を投じ得たもので、そう簡単に話せるものではないが、ここだけの事として世間に宣伝しないと約束の上で、ぶつぶつと酒飲みの話として聞いて頂く分には問題はないだろうと思う。これから先を読むか読まないかは読者の自由である。

日本酒は米でできている。焼酎は麦、米、芋とその原料がいろいろだ。ワインは葡萄。こんなことは誰でも知っている。改めて私が言うことではない。酒にはまだウイスキーやブランディとある。

でも普通の人は、この先には踏み込まない。ここから先が私の真骨頂。

食べ物を摂るとき、食べ合わせが重要なことを知っている人は少ないだろう。その点の詳しいことは「私のお勧め食事法」を参照していただきたいが、動物性タンパク質と炭水化物やでんぷん質を一緒に摂ることは最悪であることは読者なら知っていることでしょう。このような食事を摂ると消化吸収が悪くなり身体が固まってきます。これが酒と肴に問題が生じてくるのです。

日本酒は米と麹でできている。炭水化物を原料としている、なら動物性タンパク質を持つ、魚、肉は組み合わせとしては私の持論で言えば最悪である。「バカをいっていけない。酒の肴は刺身がぴったりだ。いや穴子やキスの天ぷらも良い」このような反対意見を聞くことは承知で書いている。

私もそう思い、長年の人体実験と研究費をつぎ込んでと前述したが、犠牲を払って得た結論なのである。

日本酒を飲む際、動物性タンパク質を避け、煮染めや野菜の天ぷら、生野菜、ゴマ豆腐などで飲むと、次の日には何の影響もなくすっきりとしている。この禁を破ると、うっとうしい朝を迎えることとなる。

ワインの原料は果物である。やはりこれも動物性タンパク質とは合わない。焼酎も同様である。

ワインとチーズという組み合わせはポピュラーであるがこれも好ましくない。

「それでは魚は食べられないか」と言うことになるが、それで私は美味しい肴を食する時にはビール一本やりにしている。「ビールも麦でできているわけでこれは大丈夫なのか」という質問が出てくるのは当然であるが、少量なら不思議と酷くなることはない。アルコールの濃度によるものではないかと思っている。

酒量を控えめにして、美味しい肴を摂り、身体に負担をかけずに飲酒する事が、楽しみを長年続けられる「コツ」ではないかと思っている。