ウオーキングやジョキングの間違い
自分の身体の不調を感じると「あぁ、運動不足かな、なにか運動しなくては」と考える人が多いのではないでしょうか。
運動することがとても良いことであるという認識を植え付けられてきました。これからその運動について語っていきましょう。それにはしっかりとした運動の定義を知る必要があります。広辞苑から運動の定義を拾ってみます。
物理学的には、「物体が時間の経過につれて、その空間的位置を変えること」とあり、その他にもいくつかの定義がありますが、その一つに「体育、保健や楽しみのために身体を動かすこと、スポーツ」とあります。
楽しんで身体を動かしていくということが運動です。ですからスポーツにいそしむのは運動をしていることに他なりません。
では運動でのスポーツが身体に良いかと言うと甚だ疑問が残ります。全スポーツについて検討をしてはいないので、「スポーツは身体に悪い」とくくってしまっては間違いが生じてしまうのかもしれませんが、大方は間違いのないところです。
身体を動かすことは人間にとってとても大切なことです。人間の身体はタンパク質で出来ています。じぃっと動かさずにいると固まります。また冷やしても温めすぎても固まっていきます。適温で常に動いていることが健康でいられる条件になります。
動くという条件の中に、一番大切なことは、筋肉を動かすということです。人間の身体を構成している筋肉の数は大小含めて400種以上あります。一番小さな筋肉は中耳にある筋肉で、大きい筋肉は大澱筋でお尻の筋肉です。これらの筋肉を万遍なく動かすことが最も理想的なことですが、それは土台無理なことです。身体の奥の、奥の筋肉はなかなか動かすことはできません。ではどうやって動かしたらよいのでしょうか。
運動ですか?しかし運動では動かすことが出来ません。運動というのは、どの運動でもある種の一部の筋肉を主体的に動かします。そして時間をかけて繰り返せばその使われた筋肉のみに負担を掛け、筋肉疲労を起こしていきます。そして使えば使うほどに硬くなり固まっていきます。
硬く固まってしまった筋肉の中にある血管や神経は圧迫されいろいろな障害を作り出していきます。(詳細は他のページに紹介しています)
ウオーキングの検証
ウオーキングを分析してみましょう。足の踵を先に着いて歩く歩行法が一般的ですが、踵をつく際にその足に重心が乗って「ドシン」という形になり、脚に力が入ります。それを支えるために脚の筋肉を固めて対応します。つまりは脚の筋肉を動かすというよりは締め付けて、体重を支えているといった方が正しいでしょう。そして歩いていく時に動かす部分は、股間の関節部分の筋肉や大腿筋の一部の筋肉でしかありません。膝を曲げている人もいますが、それも膝の関節の部分を動かしているに過ぎません。脹脛や大腿部が硬くなってくるので動かしていると考えるのでしょうが、体重やショックに対応するために、その部分に力を入れて硬くしているに過ぎません。硬く締め付けて筋肉が動いているのと、筋肉を動かすということを一緒にしてはいけません。動かすということは意識的にその部分の筋肉を使うことで、ある付随的な動きのために起きる動きとは異なるのです。
「私は両手を振って全身運動をしているから」と思って歩いている方もいるでしょう。しかし本当に全身の筋肉が動いているでしょうか? この動きも腕の関節を動かして手を振っているに過ぎません。一生懸命やれば腕や手に力が入り、脚と同様に筋肉を締め付け固めていってしまいます。ただ腕には負荷がかかっていないので幾分ましというところです。
糖尿病を患い、医師から歩くことを勧められウオーキングをする方が少なくないでしょう。糖尿病は全身の筋肉を、特に脚の筋肉を柔らかくしていくことが最も重要なことですが、ほとんどの人がウオーキングをして足を硬くしてしまっています。歩いた後、一時的に血糖値が下がります。これでウオーキングが良いと短絡的に決めてしまうのはあまりにも軽薄すぎます。本当に良いものなら、糖尿病はだんだん治っていかなくてはならないはずです。「今日も歩かないから血糖値が上がってしまった」これでは西洋医学の十八番の対症療法です。
糖尿病の治療のためにウオーキングをされている方に質問です。「あなたはウオーキングをしていて、糖尿病が治ってきていますか?」もし「治ったよ」という方がいたら是非一報をいただきたいものです。
では、「歩くのは悪いのか」と決めつけないでください。身体の筋肉をうまく動かして歩く方法があります。この方法で歩けば身体に負担をかけずに、筋肉を動かすことができます。(真々田式歩行法)しかし歩くことだけで糖尿病が改善されると考えるのは早計で、筋肉をうまく動かし柔らかくし血行を良くすることなのです。そのためには私の気功法をお勧めします。負荷をかけずに筋肉を動かし。良い筋肉を作ることができます。
ジョキングの検証
ジョキングはどうでしょうか。これは健康のためには絶対にやって欲しくない運動のひとつです。脚の筋肉を硬くし、血行を阻害し細胞を老化させます。脚だけではありません。呼吸する胸筋をいたずらに固め硬くします。充分な呼吸が出来ていないので、全細胞が酸欠を起こします。細胞が老化します。これも皆さんに質問です。「ジョキングをされている方で、肌がピンク色で暖かく血行のよい人がいるでしょうか?」いないのではないでしょうか。大体肌は黒くなり、中には土気色している人もいます。「毎日走っているから日焼けしているんだ」という言葉が返ってくるかも知れません。しかし日焼けしたのと黒ずんでいるのとでは違います。日焼けは赤くなりそのうちに色素が黒く変色してきます。また陽に当たらない部分の肌は白くても良いはずです。
走ると自分の体重の反力を上半身に受けることになります。そこで腎臓を硬くしてしまい腎機能を落としていきます。腎臓は血液を浄化するだけではなく古く余分な水分を排泄させるという大事な役目があります。この機能が落ちると捨てなくてはいけないものが体内に蓄積されます。肌が黒くなるのはこれが原因です。もうひとつ大事な機能は代謝を行うというところです。毎日細胞が生まれ変わっています。この機能が落ちれば細胞は老化していきます。
腹筋や胸筋を固めてしまうので、心筋梗塞、不整脈なども起こしやすくなります。長年やっていたジョキングを止めると全身の筋肉を硬く固めているので糖尿病などになり易くなります。腹部も固めるので消化器系の機能も損ねてしまいます。
走るということは、非常の際に出来れば良いことだと私は考えています。その時の為に走る練習をするなどという考えを、私には持つことが出来ません。もともとマラソンは戦いの勝利を伝えるために走ったことに由来します。長距離を走り続けて、100歳を超えて長生きをされている方を私は知りません。
楽しく動かしていれば運動の定義からは外れません。しかし楽しくやれば全て良いわけではありません。運動は身体のためには決して良いものではありません。
ジムでの筋肉強化はどうなのか
筋肉を鍛え硬くすることが良いことだと思う盲信が多くの方に根付いています。ジムに通ってバーベルを使い腕に筋肉を付ける。割れた腹筋を作る。脚の大腿や脹脛が硬く締まっている。胸は三角形に筋肉が作られた。これが強くなる、丈夫になると思っています。これらは筋肉を大きくしているだけで強くなっているわけではありません。
ちなみに私の腕には筋肉が付いているというほど目立ったものはありませんが、昨日も3対1で腕相撲をしました。勿論勝っているのは私です。筋肉は鍛えれば鍛えるほど老化し、実質的には弱くなってきます。
筋肉は優しく動かしてあげることです。力を入れて動かしてはいけません。そして意識をして筋肉を動かしてあげるととても良くなります。何せ多くの筋肉は随意筋ですから。
筋肉はこのようにして動かそう
私が日ごろ指導している身体使いがあります。それを紹介しましょう。
○手や足を動かす時、腕や脚の筋肉に力を使ってはいけない。
○手や足を動かすには腕や脚以外の筋肉を意識して使う。たとえば腕を上げる時に腕の筋肉は一切使わず、胸の筋肉や小胸筋を使う。
全てこのようにして筋肉を動かしていきます。使おうとする部位の筋肉はまず使わないことです。すると力が抜けているので筋肉は硬くなりません。
眞々田式歩行法
私の歩き方をご指導しましょう。まず前に出す脚を、股間や複斜筋を意識して持ち上げつま先を着地します。そして後ろの足の膝を前に送るようにして曲げると、前足の全面が着地します。着地したら重心を前足に移動します。移動しきったら前足で立ち、後ろ脚を脇に移動しますが、その時にも股間や複斜筋を意識します。今度はその脚を前に出し、歩いていけることになります。
この方法で歩くと長時間歩いても脚の筋肉が硬くなることはありません。ぜひお試しください。ただ、言葉で簡単に書きましたがなかなか自分の癖があり上手く出来るかは貴方次第です。
皆さんにも運動の盲信から目を覚ましていただきたいと思います。