私の新気功は、いかに筋肉を動かすかにある。

人の病気の原因をつくっているものは「筋肉のコリ」である。とは私の持論でもある。不治の病、難病、あるいは細菌性の病気に於いても筋肉のコリは大きく関わっている。

固まった筋肉をほぐそうとするとき、多くの人はストレッチングをする事が有効だと考えている。おそらく100%の人がそう思っているだろう。(私の教室の生徒さんは別)運動をする前の予備の運動にストレッチをする事は、スポーツをする人なら当たり前だ。

私は、37年前に椎間板ヘルニアを患った。治癒させるに15年の歳月を要した。その間、読者が思いつくほとんどの治療法や施術を経験した。そして最後に病気を克服してくれたのは気功で、現在の私の財産である。

経験した治療法や施術法で、多くの治療法を経験してきた。それらは身体を伸ばす、広げるといったストレッチが主体で、病気が改善されるという方向にはなく、むしろ悪化していったと思っている。

特に整形外科で受けた「牽引」は最悪であった。受けた瞬間は気持ちよくなっているが、時間をおいてくると前にも増して痛みを感じた事を記憶している。

多くの治療法や施術法は、筋肉が収縮して固まってしまったものだから、伸ばせば治るという単純発想なのだろうが、無理矢理引っ張ればそれに筋肉が抵抗する事を知らない。引っ張った瞬時は伸びてもいるだろうが、時間がたてばより以上に強く固まってしまうということに気がつかない。固まったから伸ばすという発想は、現象をとらえた対症療法的発想で、現代医学的発想になっている。

ストレッチといえば、競技場の直線の走路を指すし、伸び縮みする布地や素材を示すが、ストレッチングと定義すれば、筋肉や関節を伸張させるということである。

つい最近はストレッチ□□等と言うものも出てきているようだ。他の運動法の批判をするつもりはないし、誹謗中傷するという考えは私には毛頭ないが、ピラティスとかヨガなどをみてみたり、紹介されている本を見てみると、ストレッチングをメインにしている。これが現代人の考え方にマッチし、流行している要素ではないかと私は思っている。

しかし残念ながら、無理なストレッチングをして、身体を痛め、それを治したいと私の処へ来ている人も少なくない。

固めた筋肉は多少伸ばした位では緩まない。固めた筋肉は伸ばすのではなく、優しく動かしながら解していくことが最高の方法なのである。

ストレッチを行うと身体が柔らかくなると考えがちだがなかなか問屋はそうは卸さないのである。

また男性と女性では、平均的に女性の方が筋肉が柔らかいと思われるが、実はそうでもない。

関節の周りには筋肉があるがその量が多く硬いと関節が曲げにくくなる。一般的に女性は、間接の部分の筋肉量が少なく曲がりやすいので、簡単に一定の方向に曲げたり、伸ばしたりするような事が容易になる。だがいくら伸ばして見ても、関節と関節の中間にある筋肉には何の影響もなく、筋肉は固まったままである。ストレッチをする事の多くは、このような意味のないような事をしている。

今日、私の処へこられた人の例では、「毎週ヨガをやって身体にコリがないものと思っていた」といいていたが、極度な頭痛を持っていて、その原因は肩のコリと首のコリにあったが、施術が終わって「嘘みたいにすっきりしました。私は凝っていたんですね」このようなコメントを残して帰っていった。

身体を動かし、ストレッチングをすれば筋肉が解れ柔らかくなると考えるのは、子供の頃から教えられてきた盲信のせいではないかと思っている。

ストレッチングとムービング

私は固まった筋肉を解していくのは、ストレッチングではなく、ムービング、すなわち動かす事であると説いています。しかも身体に優しく動かす事です。関節を動かしても、関節と関節の中間にある筋肉をほぐす事はできません。意識を用い、その部位の筋肉を動かすような動きをつくっていくことで、その動きをつくることができます。それが私の新気功と言えます。