便秘とは、1週間に2回またはそれ以下、あるいは3,4日に1回またはそれ以下の時に便秘と言うようです。しかしこれまで酷くなくても、1日1回出なければ便秘であると考えた方が良いでしょう。その他、排便回数の低下や便の量が少なかったり、硬かったり、硬くて強い力みと苦痛を伴うもの、出きれない残便感を伴うものも便秘としています。

現代医学から便秘の原因と症状について探ってみましょう。二つに分けて機能性便秘と器質性便秘があり、機能性便秘の中に、弛緩性便秘、ケイレン性便秘、直腸型便秘などがあります。

機能性便秘

もっとも多い便秘で、腸の異常が認められないで起こる便秘で、旅行や環境の変化で一時的に起こる一過性の便秘と、何年にもわたって続く常習性便秘がある。

弛緩性便秘

機能性便秘の一つで、全結腸での緊張や蠕動運動が減退するために起こり、硬い便が特徴です。それは腸内に長い時間停滞するため、水分が吸収されてしまうためです。

ケイレン性便秘

下降結腸の緊張が強くて内容物の移動を妨げているために起こります。

直腸型便秘

便は直腸内に充満しているのに便意が弱く、排便しないもの。

器質性便秘

大腸のある部分に、癒着や炎症、腫瘍ができて大腸の内腔が狭くなって、内容物が通過出来なくなって起こるものと、直腸脱や肛門脱の病変のための痛みのなどで排便出来ないものもあり、全身性の疾患、糖尿病、甲状腺機能低下、脊髄損傷、強皮症などで腸管の蠕動運動が低下して起こるもの。薬剤の副作用で起こるもの。妊娠などで腸管が圧迫されておこるものなどがあります。

私の見解

便秘は腹部の腹筋や腸が固まり蠕動運動が出来なくなり、また押し出す力を出せなくなったときにおこる病気と考えています。

今までの多くの臨床を経験して、便秘は腹部の固まりであると考えるようになり、固まっている腹部を解していくと解決されていきます。ただそれだけではありません。食事の摂り方に問題があることも解っています。特にパンや肉類を摂っていくと便秘になり易くなります。

乾燥したパンは、そのスポンジ状の部分に胃液や腸液を吸収して滑らかな消化活動を阻害していきます。それが回腸を経て大腸に至り、その影響が出てきます。肉類は便を硬くします。生野菜を中心とした食事を摂っていくと、便は硬くならず適当な硬さを持って排泄されるので詰まることはありません。それは小腸で消化吸収したあと捨てられ物が大腸に回り、アミノ酸やその他のミネラルを吸収したあと、水分が摂取され硬くなっていきますが、良い水分を多く含んだ食品を食していると、多少の水分が便に残る形となり、必要以上に硬くならないのでしょう。

内腹斜筋や腹直筋を固めコリをつくると、腸を押え一部の腸の蠕動運動を止めてしまいます。これは小腸、大腸に於いて同じことが言えます。

動きを抑制された腸は癒着して更に動きが悪くなってきます。蠕動運動を抑制された大腸の中の内容物は出口の方にスムースに送られなくなり詰まってきます。大腸に長く停滞すればさらに水分が吸収され硬くなっていきます。

硬くなった便を排泄するには、腹圧を必要としますが、張った腹部やコリを作った腹部では腹圧をかけることが出来ません。使われている筋肉は更に使うことが出来ないというものがあります。張った筋肉やコリを作った筋肉は使っている筋肉と同じ状況なのです。お腹に力を入れたとしても、実際には力は掛かっていませんので、便を押し出すことが出来ないのです。