現在、国の統計によると高血圧症有病者が3970万人いる。人口の1/3に近い数字である。その内5800人の方が高血圧症で亡くなっている。
高血圧症で「25年も血圧降下剤を飲んでいます。」という人も少なくない。高血圧は一度なったら治らない病気という認識が罹患者にはあるようだ。ある人は「治らない病気なので毎日薬を飲んでます」とあきらめているかのようだ。
現代医療では「治らない病気」と云うより治せない病気の一つになっている。言い換えれば現代医療の得意とする薬物治療では治せない病気である。
原因を正しく掴み、それを取り除いていけば高血圧は簡単に治る病気である。高血圧だけではなく多くの病気の原因も薬物治療ではまず改善されない。
血圧をコントロールする
私は血圧をコントロールする事ができる。血圧計を見ながら思う血圧に近い数値に調節できる。「自分の血圧を自由にできない様では施術者とは言えない」と弟子には云っている。豪語ととらないで欲しい。血圧の仕組みを理解すればできることなのである。
血圧とは
血圧とは、血液が血管壁に当たった時の圧力を云い、心臓から血液が送り出されたとき計測した血圧を収縮時血圧、また血液が心臓に戻って満たされときの血圧を拡張時血圧という。
そしてその血圧が収縮時血圧140mmHG拡張時血圧90mmHgを越えた時に高血圧という。また薬を飲んでいる人を高血圧症有病者というようだ。
1999年WHOの基準が変更され、160mmHG/100mmHGであった血圧が140mmHg/90mmHGに変更された。
その昔、簡単に血圧の標準を目安にする数式があった。年齢に90mmHGを足すと云うもので、50歳なら140mmHG、60歳なら150mmHGである。私は人間溌剌として生きるには、この位の数値があっても良いと思っているが、高血圧は危険という間違った認識がいたずらに数値を下げるきっかけになったのだろう。血圧も恒常的に高いのならば危険はないと云っている医師もいる。
高血圧は危険ではない。しかし高血圧になるような身体でいることは万病に発展する可能性があり危険である。それを一時的に薬によって下げたとしても危険は回避できない。
危険だから基準を下げた。でもその改正によって下げられた20mmHgの差は大きく高血圧症有病者を増やすことになった。そして同時に、一時的に血圧を下げる血圧降下剤を飲む対症療法受給者が増えた。
世界に冠たる薬信奉者
薬信奉者は日本人に多いといわれている。そして特に老人に多い。彼らが育ってきた時代、日本は貧しく物資が不足していた。生活環境は劣悪だった。病気になって、その当時高価な薬を飲ませてくれれば治るという観念を植え付けられてきた。現代みたいに簡単に病院には行かれなかった時代である。また少なかった。薬も同様で現在の様に溢れていなない。そこでのお医者様の言葉は神様の言葉に近かった。この時代の人たちは、子供たちに「薬を飲めば治る」「病院に行きなさい」という観念を植え付けてきた。そして簡単に薬を飲む習慣が作られた。それに拍車を掛けたのがテレビでの薬のコマーシャルである。
だから多くの日本人は、出され薬を疑う事もしない。医師が「やめましょう」と云わない限り死ぬまで続ける忠実な人々である。 基準の改正は、医療機関や製薬会社に、全く手間の掛からない顧客を確保させたことになる。それも10年も20年も通ってくれる顧客をである。基準を下げたのは「製薬会社の陰謀」という人もいるが、私は穿った考えを敢えて持たないことにしている。
何故血圧は上がる
運動時や興奮したときに血圧が上がる事は小さい子供でも知っている。
運動の際は、平常時より多くの酸素や栄養分を全身に供給する必要があるので、心拍数が増え、血圧が上昇する。
興奮した場合には、自律神経が刺激され副腎からアドレナリンが分泌され動脈が収縮されて血圧を上げるという。これは現代医学の解釈である。しかし0.1~0.2mmの細動脈がどうして収縮するかは解っていないようだ。
この件についての私の解釈はシンプルである。
人は興奮したり刺激を受けると緊張する。それは人によってその度合いが違っている。その緊張が筋肉を収縮させる。当然その中に含まれている細動脈も収縮する。これが血管を収縮させる理由である。
何故血圧が上がるのか
血圧を上げる理由は現代医学が考えているような事だけではない。
その1
人間の身体にはいくつかの太いメインの動脈がある。その周りの筋肉にコリを作ると、筋肉は収縮して硬くなる。その収縮が動脈を圧迫して内腔を狭めてしまう。心臓は細くなった血管に血液を送る為に圧力を上げなければならなくなる。心拍数も増える。結果血圧が上がる事になる。
メインの動脈とは、下降大動脈、その先に分岐された大腿動脈、総頸動脈、上腕動脈である。(図を参照)
その2
血圧を上げる理由はまだある。血圧を測る部位は上腕だが、上腕動脈と総頸動脈の分岐点付近の筋肉を固めコリを作ると、動脈の内腔が狭められ、その先の血圧の流れは速くなる。その速くなった血液が上腕の細動脈の血管壁に当たる事になり血圧が上がる。また総頸動脈の通っている首筋の筋肉を固めて脳への血流を阻害すると、その分上腕動脈に流れる事になり血圧が高くなる。この場合、上気したり、頭がフラフラしたり、頭痛などを起こす事になる。また脳の病気、脳卒中を起こす引き金になってくる。
こんな例を出したらもっと理解できるだろうか。
庭に水を巻くホースの先を指で押しつぶすと遠くに水が飛んでいく。それは管を狭めため圧力が上がり、潰され細くなった部分を水が勢いよく外に出たからだ。この状態を以下の様に置き換えてみて欲しい。ホースを血管に水を血液にだ。
その3
血圧を上げる理由はもう一つある。全身の筋肉を固めてコリを作ると、その筋肉の収縮の力で動脈や細かい細動脈を狭める。細くなった血管に血液を流そうとすれば、血圧をあげる事になる。しかしこの場合逆に低血圧になる方が多いようだ。
高血圧を改善するには
高血圧を治すには、全身の筋肉のコリを解せば解決する。でもこのコリを取ることは単純ではなさそうだ。「コリを取るのは難しい」で書いているが、コリを取ってくれる施術者はなかなかいない。むしろ硬く助長されてしまうことも多い。
歩く事や運動することが大事だと主張する医師が多いが、実はこれも問題である。
筋肉を硬く固めている人が歩けば、ますます硬くなる。他の運動も同様だ、固まって硬くなっている筋肉を無理矢理動かせば更に硬くなる。いずれも助長させてしまう。
高血圧症の人は一般的に筋肉が硬く固まっている。まずその筋肉を解すことから始めなくてはならない。
高血圧を引き起こして部位を知ろう
①肩が凝っている。
②首が固まっている。
③胸鎖乳突筋が硬くなっている。
③腹部が固まっている。
④脚が硬くなっている。
先ずこれらの部位を柔らかくすることだ。これらのコリが取れれば高血圧は100%改善できる。ただし一端取ったコリでも直ぐに戻る癖が筋肉にあるので、硬く戻らなくなるまで続ける必要がある。そしてその後身体を固めない動きをすることである。軽く歩くこともお勧めである。それより私の気功をお勧めしたい。
食事療法
あまたの食事法が存在する。読者はどれを選んでよいか選択に悩むかもしれない。
私は食べたものが血となり肉となると考えている。高血圧だけでがなく、他も病気にならないようにするためには血液がきれいでなくてはならない。その血液をきれいにするには、筋肉のどこにも滞りを作らない事であり、良い物を食することも大事である。
筋肉を固めてしまう食品がある。肉やパン、ケーキやチョコレート(カカオは違う)それと動物性淡白質と一緒に炭水化物を摂ることだ。これらの食品を摂ると筋肉が何故か固まる。固まる事はコリをつくる事であり、血行を悪くすることである。これが高血圧をつくる要因になる。そして鬱血した血液が全体の血液を汚していく。
乳製品、肉、食品加工品、ピザだスイーツまたプラスチックオイルを使用した食品などを絶対に避けることだ。これらの食品を食していたら汚い血液を作ることになる。濁ったゴタゴタした血液は血管の中壁を汚しコルステロール作り、動脈硬化を促進させる。そして万病の元になる。
結論
取りあえず血圧を下げるには筋肉を解す事だ。そして高血圧にならないようにするには、食事を正常にすることと、適当に動くことである。
どんな食事法が良いか悩んでいる方にお勧めしたいのがママ先生の食事法である。必ず良い結果がでると信じている。