何故骨粗鬆症になるのか

女性ホルモンとの関係は?

「天皇陛下が骨粗鬆症になってしまった」という報道(2008・2・25)がありました。前立腺ガンの治療の女性ホルモン(エストロゲン)の投与の後遺症と主治医が発表したとかしないとか。

女性ホルモンの投与を続けると、体全体がふっくらとし、体毛なども無くなってきます。時には胸も膨らみ女性化してしまったようになってきます。動作も緩慢になります。考え方も変わってくるかも知れません。

私は、何人もの前立腺ガンの人のケアの施術をする機会を持ちました。その中には女性ホルモンを投与している方が少なくありません。投与を受けている全ての人が前述している状態になっています。

しかし女性ホルモンと骨粗鬆症がどのように関連しているのでしょうか。

それにはまず骨粗鬆症とはどのような病気かを知っていきましょう。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、「骨の量が減少し、骨の構造が劣化し、骨強度が低下し、骨折を起こしやすくなった状態」と定義されています。以前は加齢によるものと考えられ、注目されませんでしたが、最近は生活習慣病の一つとして考えられるようになってきました。

骨は常につくりかえられています、骨の代謝です。骨のどこかで破骨細胞による骨吸収と、骨芽細胞による骨の形成が行われています。この一連のサイクルを、「骨のリモリデリング」と呼ばれています。このリモリデリングに於いて、骨の吸収が形成を上回ると骨量が減少し、骨の微細細胞も劣化して骨がもろくなります。

現代医学では、何が原因よくわかっていないというのが現状でしょう。リウマチや内分泌疾患、女性の閉経後、老化などをあげていて、どれにもあてはまるような理論立てをしています。

私の考え方は、まず正常な代謝が行われなくなったことによるものであると考えています。ではなぜ正常な代謝ができなくなるのかです。

○骨への血流が不足すること。

○腸がカルシウムなどの正常な吸収ができなくなる。

○必要な筋肉運動がなされないとき。

などあげられます。

以上のことが問題なくクリアーになった時に、骨の正常な代謝が行われます。

現代人の考え方は、骨粗鬆症になったというと、単純にカルシウム不足と考え、カルシウムを多く含んだ食品やサプリメントを摂取しようとします。これは大きな間違いです。現代人に植えつけられた短絡的な発想のなせる技で、20代や30代に普通にとっていた食品で骨粗鬆症にならなかったのに、少し年齢が加わったといって、「食品のカルシウムが足りなくなる」、というのはおかしな話です。

なぜ足りなくなるのか?それは吸収する能力が欠けてきたことによるものなのです。食品からカルシウム吸収するのは小腸です。この機能が落ちたと考えるのが正しい考え方です。

小腸の機能がなぜ落ちてくるのか。それは小腸を固め、あるいは汚し、そして蠕動運動を阻害することで起きてきます。また小腸の代謝が落ちて、古くなっているからです。

腸の蠕動運動の阻害を起こすものは、腹部にたたみこまれている小腸の癒着が主な原因です。

この腸の癒着を解き、腸を汚さないきれいな食品を摂っていくと腸の正常な機能が戻ってきます。

女性ホルモンの投与を受けると、筋肉が締まったように少し硬くなります。けして女性の体を形容するように軟らかくなる訳ではありません。そしてこの状態を放置しておくと、筋肉は硬く締ってしまいます。また圧縮されているといってもいいかもしれません。

筋肉細胞の中には、血管、神経、リンパ管といったものが含まれています。硬くなった筋肉はそれらを圧縮し通りを悪くしていきます。自由性も阻害します。つまり簡単にいえば、血行が悪くなるというわけです。

血行が悪くなれば、代謝が悪くなり、細胞は老化していきます。

人間の骨格を成している骨は、毎日毎日つくられ生まれ変わっていきます。一年半ですっかり変わってしまうといわれています。

骨粗鬆症というと、直ぐにカルシウム不足と考えがちですが、骨粗鬆症はカルシウム不足だけで起きるわけではありません。骨も代謝によって産生されるには、その大元となる血液が必要となります。

骨の一部に穴があいていてそこに血管があり、それが動脈とつながっています。その管が詰まったらどんなことになるでしょうか。それは誰にでも容易に想像つくことです。

骨にいく血管は詰まりやすいと想像できます。骨の周りには筋肉が覆っています。筋肉が軟らければ、骨から飛び出したようになっている血管に問題ありませんが、筋肉が硬く固まってしまうと、筋肉は収縮しています。その収縮が骨から出ている血管をある方向に引っ張ることになります。しかし骨の血管を通す穴が大きくあいている訳ではありません。ゆえに血管をつぶして細くしてしまいます。これでは血液は流れにくくなります。あるいはまったく流れなくなってしまった部分も出来てきます。

これでは骨を再生できるどころか現状を維持できるかが問題になります。この状態が骨粗鬆症といえます。

改善するにはどうしたらいいのか。簡単な話は、筋肉を軟らかくすることしかありません。そして筋肉を硬くしている原因を除去しなくてもいけません。女性ホルモンは当然中止すべきです。前立腺ガンの再発を心配するなら、前立腺への血行をよくすることで解決します。血行が悪くなり、細胞のバランスが崩れてガンになったのですから、血液を流してあげることで、ガンは消えていきます。

ただし、筋肉を軟らかくしろと言うと、筋肉を弛緩させるような弛緩剤を考えるでしょうが、これはもっとも危険な方法です。

正しい方法は単純に筋肉をほぐすことです。まず小腸をそして全体の筋肉をほぐし柔らかくしていけば、骨粗鬆症は解決していきます。