人間には外側から、表皮、真皮、線維性結合組織があって筋肉となります。
神経は筋肉から苗木のように表面に伸びてきて真皮の中に入っています。
私は常々触れるか触れないかの微妙なタッチで相手を倒すことができないかを考えていました。
力をいれて倒すには、体力差や体重の差が大きく影響します。体力差に関係なく倒すことです。
筋肉を使うことになれば、屈筋だ、伸筋だ、あるいは勁力だということになり難しいことになります。
人間の表皮を動かすことで、押すことや引くこと、さらに倒すこともできることがわかりました。
表皮をその表皮が支配している部分のある方向に表皮を伸ばすと簡単に動かすことができ、
それを組み合わせると投げ技にすることができます。右のわき腹の表皮を手前に引き、
左のわき腹の皮膚を廻すように押すと右に倒れていきます。
相手の手を引っ張るとき、強く握らず皮膚のみを引くようにすると皮膚が伸びきったときに、楽に引くことができます。
表皮を引っ張られてもその下にある筋肉には何の緊張も与えていないので、
筋肉がそれらの力に対応できないで動いてしまうと考えています。また筋肉の表面を皮膚によって引っ張られるので、
力を入れようと筋肉が収縮しようとしても緊張できないためとも考えられます。
表皮を引くためには力の入った指や手では引くことが出来ません。なぜなら、
力が入ると手や指の筋肉が緊張し硬くなり、表皮が引っ張り、伸びた状態になっているので、
相手の表皮を引こうとしても滑ってしまって引くことができません。
すべては力の入った身体からは微妙な技をつくることは出来ません。