乏尿・排尿困難――筋肉の硬直(コリ)という視点

 最初に現代医学の定義から

乏尿・尿閉・排尿困難とは

乏尿とは、尿の量が著しく少なくなった状態をいいます。成人では、1日の尿量が400mLを下回る場合が一つの目安とされています。

尿閉とは、膀胱に尿がたまっているのに、うまく排出できない状態です。

排尿困難とは、尿意があるのに尿が出にくい、出始めるまでに時間がかかる、尿の勢いが弱い、少しずつしか出ないといった状態をいいます。

このような症状があると、日常生活に大きな支障をきたします。

下腹部が張って苦しい。尿を出したくても出せない。便器に座って排尿しようとすると、脚や臀部に激しい痛みが走る。腹部に膨満感があり、身体全体が苦しく感じられる。

こうした症状に悩んでいる方にとって、排尿は毎日のことであるだけに、その苦痛は計り知れません。

では、なぜこのような症状が起こるのでしょうか。

現代医療では、どのように考えるのか

尿が少なくなる原因は、大きく三つに分けて考えられています。

① 腎前性

激しい脱水、大量の発汗、下痢、出血などによって、腎臓に流れ込む血液が不足し、尿を十分につくれなくなる状態です。

② 腎性

急性腎障害などによって、尿をつくる腎臓そのものの働きが低下している

状態です。薬剤が原因となることもあります。

③ 腎後性

尿路結石や前立腺肥大症などによって尿の通り道がふさがれ、尿を十分に排出できなくなる状態です。

このように、尿量の減少にはさまざまな原因があります。一方、尿意があるのに出にくい排尿困難についても、前立腺や膀胱、神経などの問題が関係していることがあります。

しかし、実際に症状に苦しんでいる方にとって大切なのは、原因を分類することだけではありません。なぜ自分の身体にその症状が現れているのか、どうすれば苦痛を取り除けるのかということです。

私は、そこにもう一つの視点が必要だと考えています。

 

MMSでは、身体のどこに注目するのか

MMSでは、すべての病気や症状について、その背景に何があるのかを考えることを大切にしています。

現れた症状を説明するだけでなく、身体全体を観察し、問題がどこにあるのかを探っていくのです。

私が排尿困難に悩む方々を施術する際に注目しているのは、脚や臀部、股間、下腹部などの筋肉に生じている硬直(コリ)です。

私のところに来られる方の中には、尿意があるのに出せない、出ても少しずつしか出ないという方がおられます。それだけではありません。お腹が張って苦しい、腹部に膨満感がある、排尿しようとすると脚や臀部に激しい痛みが走るといった症状を抱えている方もおられます。

私は、こうした症状を個別に見るだけでなく、身体全体の筋肉の状態と関連づけて考えます。

排尿には、膀胱や尿道、それらを取り巻く筋肉、神経などが関係しています。また、排尿しようとして力を入れると、腹部や骨盤周囲の筋肉にも緊張が生じます。

身体の一部に強い硬直(コリ)がある場合、その緊張が痛みや動作のしにくさに関係している可能性があります。

私は、こうした筋肉の状態を確認しながら、どこに問題があるのかを探っていきます。

なぜ筋肉に硬直(コリ)が生じるのか

それでは、なぜ筋肉に硬直(コリ)が生じるのでしょうか。

その理由は人によって異なり、一概にはいえません。しかし、日常生活の中で筋肉に負担をかける要因として、いくつか考えられることがあります。

歩きすぎ、走りすぎ。 自分の体力や筋肉の状態に合わない運動は、筋肉に過度な負担をかけることがあります。

スポーツや肉体労働。 繰り返し同じ筋肉を使ったり、強く踏ん張ったりする動作には注意が必要です。

身体の冷え。 冷えによって筋肉がこわばると感じる人もいます。身体を冷やしすぎず、無理のない範囲で温めることも大切です。

脚に力を入れて踏ん張る作業。 無理な姿勢や過度な力の入れ方が、筋肉に負担をかけることがあります。

もちろん、歩いたり、運動したり、身体を使って仕事をしたりすること自体が悪いわけではありません。大切なのは、自分の身体の状態を把握し、筋肉

に過度な負担をかけないことです。

 

MMSで注目する筋肉

私が特に注目しているのは、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、縫工筋、ヒラメ筋などの脚の筋肉です。

さらに、臀部、股間、下腹部、腸の周囲についても、筋肉の硬さや緊張を確認します。

これらの部位に硬直(コリ)がある場合、MMSでは、その状態をどのように緩め、身体に余分な緊張を与えないようにするかを考えます。

ただし、筋肉の硬直があるからといって、それが必ず排尿困難の原因であるとは限りません。排尿困難には、前立腺肥大、尿路の閉塞、神経の障害、膀胱の働きの低下など、さまざまな原因があるからです。

そのため、筋肉の状態を観察することと、排尿に関係する器官の状態を見極めることの両方が重要になります。

施術によって、身体はどのように変わるのか

私が施術を行ってきた中で、排尿困難に加え、脚や臀部の激しい痛み、腹部の張りや膨満感などを抱えていた方々に、これらの症状が解消するという変化を経験してきました。

尿を出したくても出せない。排尿しようとすると脚や臀部に激しい痛みが走る。お腹が張って苦しい。

そうした方々の身体を観察し、筋肉の状態に注目して施術を行うことで、私の経験では、排尿の問題だけでなく、伴っていた痛みや腹部の不快感も解消しています。

私は、こうした経験から、筋肉の硬直(コリ)を緩めることが、身体の緊張を和らげ、症状の改善につながる場合があると考えています。

ただし、これは私自身の施術経験に基づく考えです。筋肉の硬直が排尿

困難全般の原因であることや、筋肉を緩めることで必ず改善することが、医学的に確立されているわけではありません。

また、筋肉を緩めるといっても、単に強く押したり、揉んだりすればよいというものではありません。身体の状態を確かめながら、余計な緊張を生じさせないように施術することが大切だと、私は考えています。

もちろん、指圧やマッサージ、整体などの施術を否定するものではありません。それぞれに技術を磨き、優れた施術を行っている方もおられます。

私が伝えたいのは、施術の名称や方法だけで判断するのではなく、身体のどこに問題があるのかを考え、その状態に合った働きかけをすることの大切さです。

 

症状だけでなく、身体全体を見る

尿が出にくい。脚や臀部に激しい痛みがある。お腹が張って苦しい。

こうした症状が重なっているとき、それぞれを別々の問題として見るだけでよいのでしょうか。

私は、身体全体を観察し、それぞれの症状の背景に何があるのかを考えることが大切だと思っています。

MMSでは、筋肉の硬直(コリ)という視点から身体を見つめ、どこに問題があるのかを探り、その状態を改善することを目指します。

もちろん、尿が急に出なくなった場合や、尿量が著しく減少した場合には、

腎臓や尿路などに重大な問題が生じている可能性もあります。そのような場合には、原因を見極めたうえで適切に対応する必要があります。

そのことを踏まえたうえで、私は、筋肉の状態という視点から排尿困難を考えることにも意味があると考えています。

症状を説明するだけで終わらず、その人の身体に何が起きているのかを考える。

それが、MMSを通して私が大切にしている姿勢です。

 

2026/10/09

眞々田昭司

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