心筋症に画期的な療法?

 

「IPS心臓病治療 幕開け」5/17(木)の産経新聞の第1面。新聞各社も似たような見出しが躍っていた。

阪大の臨床研究は、重症の虚血性心筋症の患者に、京大が作製、備蓄しているiPS細胞から作ったシート状の心筋を重症の心不全の心臓にを移植すると、心臓の働きが20%程度良くなる。虚血性心筋症の人には朗報。これから臨床が始まっていく。と、言うものであった。

虚血性心筋症について日本心臓財団が解説しているので引用してみると、(心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この収縮・拡張する心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。

虚血性心疾患とは、この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です。)と、ある。

確かに、ノーベル賞を受賞した山中氏の「IPS細胞」素人の私でも、使い方次第では未来に期待できるものであると思っている。しかし、医学界、何でもかんでもIPS細胞に頼ってはいないだろうか?

心不全や心筋症、心筋梗塞、心房細動。心臓病というと、他の分野の病気に比べ難しい分野との印象がある。

現在の医療では、心臓病に対して投薬と手術という二本立てで対応しているが、心筋症に対しては特効薬がないらしく、これまで心不全の治療は思わしい結果が出ていない。それ故に、心筋シートを移植したらより良い治療効果があるではないか?と、期待する動きがあるが、それを否定する動きもある。

心臓に、IPS細胞でつくった心筋シートを移植することは、単なる対処療法にすぎない。更に言えば姑息療法である。(姑息とは、根本的に解決するのではなく、一時の間に合わせにする・こと。辞林の引用)

心筋に血液が流れ無くなると、その部分は壊死してしまう。壊死の部分が大きくなると心臓のポンプ機能は失われ、命にかかわる危険な状態になる。早急に対処する必要はある。そうからと言って、冠動脈にステントを入れれば済むと簡単にはいかない。全てが成功している訳ではなく、異物への拒否反応で多くの人が苦しんでいる。出ている結果だけを追いかけている対症療法の負である。

「原因があって結果がある」ジェームス・アレンの言葉である。私の好きな言葉である。その場に対応して右往左往している者に注意を喚起するときに良く使う。

この言葉が語っているように、冠動脈の詰まりという結果は原因があってのことだ。原因を「動脈硬化」程度しか考えられないのは、あまりにも視野が狭い。

西洋医学は、古くから心臓病だけではなく、高血圧などや脳卒中なども動脈硬化が原因。と、しているが、未だに動脈硬化を改善する方法を確立していない。治せないものに原因を押し付けるのは現代医療の常だが、人の所為にししてはいけない。実は、動脈硬化も冠動脈の詰まりも原因は同じところにあるのだが、結果だけを追いかける医療では想像できないだろう。

西洋医学の全ては、出ている結果(病気、症状)を何とかしようとする対症療法的思考である。

自分たちの世界から出て広くものを見れば、違ったものが見えてくるのだが。対症療法的考察を捨てることだ。(こういうのを井の中の蛙と言わなかっただろうか)

虚血性心筋症の原因

西洋医学は、虚血性心筋症の原因を教えてくれない。しかし、探究心のある読者はそれを許してはくれないだろう。その人たちの為に、真の原因をMMS流に解説してみよう。

心臓は、人間の臓器の中で一番強い臓器。その心臓の動きが悪くなることは余程のことだが、どんな強い臓器でも動くためにはエネルギーの元である血液が必要である。

心臓の周りには、肋間筋(肋骨と肋骨の間にある筋肉で解決呼吸をする際使われる筋肉)、胸筋、腹直筋、肝臓などの筋肉がある。これらの筋肉にコリをつくると、その緊張収縮が心筋を圧迫する。また、胸鎖乳突筋の起始(筋肉の根元の部分)部のコリも同様である。

肋間筋や胸筋のコリは冠動脈も圧迫する。腹直筋や肝臓のコリは、心臓を下に引っ張っぱり、冠動脈を圧迫する。圧迫されたり、下に引っ張られれば、心臓は動けなくなり、冠動脈も潰される。これが冠動脈を詰まらせる原因なのだ。

これを確認する方法がある。鳩尾から首に向かって、その長さの1/3程度いったところを両手を添えて軽く圧迫してみると良い。苦しくなり心臓の動きも制御されることが分かる。これは冠動脈を圧迫したことで起きているのだ。また、鳩尾の部分を軽く下方に圧迫すると、この時も苦しくなり心臓の動きが悪くなってくる。

胸鎖乳突筋の起始の部分を両手で指で軽く圧迫すると、呼吸ができなくなり、心臓も動きが悪くなる。大元の血流がストップするからである。

話のついでに動脈硬化の原因と治療法述べてみよう。

動脈硬化とその改善法

血管は心臓から送られてくる圧力で常に振動している。それを他の力によって圧迫されてしまえば動けなくなる。振動することで血管壁についた汚れたものが振るい落とされる。(コレステロールやプラーグ)

血管も常に新しいものに生まれ替ってくるという代謝が行われている。その為には、血管にも中に流れている血液ではない代謝するための血液が必要である。その血液を運ぶ血管が様々な筋肉の圧力によって潰され流れなくなってしまえば、代謝が無くなり、血管は老化し硬くなってしまう。これが動脈硬化である。動脈硬化を改善するには、血管に血液を送っている血管を潰している筋肉の圧力を取ってやる。つまり筋肉のコリを取れば良いだけの話なのだ。

心臓病は、周りの筋肉の影響によって作られていると言って過言ではない。年月とお金の掛かる難しい研究(的外れ)をする必要は全くないと思うのだが。

心不全には、浮腫(むく)みが付いて回る。その原因も知って欲しい。その前に予備知識として浮腫みに付いて説明していこう。

浮腫みの原因

浮腫みの原因で最初にあげられるのは、腎機能の衰えである。腎臓は、血液を濾過して尿をつくり排泄する役目を持っている臓器で、血液の10%程度が小水として排泄されている。腎臓を動かす為の血液不足と濾過のフィルターの役目を持つ糸球体が硬く固まってしまうと、濾過と尿をつくることができなくなり、それまで排泄されていた老廃物や水分が捨てられずに逆戻りして筋肉の中に留まってしまう。それが私の造語「水筋肉」である。浮腫みの一種である。

浮腫みは更に進んだ状態。浮腫みが多くできる部位、例えば脚などの筋肉を硬く固めてコリをつくると、その緊張収縮が筋肉の中に含んでいる毛細血管などを潰していく。

浮腫みをつくる時の筋肉のコリはさほど強いものではないので、動脈は影響されず、静脈の細血管や毛細血管を潰していく。血液は、動脈の毛細血管から静脈の毛細血管に流れて循環をつくっているが、静脈の血管が潰れてしまうと流れがストップして循環が無くなるが、それにお構いなく血液は動脈から流れてくる。

正常な状態の血液循環は、動脈からの圧力によって老廃物が静脈に流れ込んで心臓から腎臓へと流れていく。しかし静脈が潰れてしまえば、循環がストップしてしまう。老廃物や捨てられるべき水分はその場所に溜まり、更に流れ込んでくる血液と相まって筋肉を膨らませていく。これが浮腫みである。

胸水は

脚が浮腫んで、それ以上膨らまなくなると、胸の胸水の中に流れ込み胸水を溢れさせ心臓を圧迫していく。

心不全、虚血性心筋症と浮腫みの関係

心臓の動きが低下すると、血液を圧し出す血圧が低下し血管を膨らませている圧力も低下するので、筋肉の緊張する時の圧迫力に耐えられずに、静脈は直ぐに潰れてしまう。そして、先に述べている理由によって浮腫みがつくられていく訳である。

心筋シートを貼って心筋の動きをカバーしていく。それだけを取れば画期的なものかも知れないが、それは、心臓を治すものではない。ステントを入れなくて済む、またペースメーカーを埋め込まなくて済む程度のものである。

また、自分の細胞からつくっていくのでは時間が掛かり緊急を要する人には役に立たないから、既に保管して育てた他人の心筋シートを移植するという。そうなると、免疫の問題から拒否反応が出てくるが、拒否反応の少ない健常者の細胞で作ったものを使うので拒否反応は少ない。と言っているが、拒否反応を起こすのは移植を受けた側の問題。拒否反応の原因も解っていないようだ。また、優れた新薬が出てきたからそれで補うという。いずれにしても免疫抑制剤を飲み続けなくてはならなくなるだろう。そして、免疫抑制剤を使えば、病原菌やウイルスなどに免疫が働かない。また、腎不全のリスクも背負いこむことになる。

それに、ガンになっていくリスクが高いと憂えている人もいる。何か前途多難な様相を呈している。これで良いのですかね?

もっと安全で簡単な方法があるんですよ!

 

2018/05/22