成功術を身に付けよう

空を飛んだり、海に潜ったり、あっちこっち冒険をしたり、武術をしたり、テニスはインストラクターもした。自ら楽器を演奏し、多くの演奏家のクリニックもしてきた。また世界中のいろんな人々の病気も治してきた。海外に友人も知り合いも多い。その人たちと時々世界に出かけ語らいをする。それは今でも結構付き合いが続いている。たが、コロナのおかげで今は小休止。

 

「先生は何でもできるんですね」とよく言われる。確かにいろんなことをやっている。今は、米や野菜を作り、400本以上のオリーブも育てている。いろんなことをやり自ら忙しくしている。確かに何でこんなにいろんなことをやって来られたのだろう。

 

私は若いとき、飽きっぽく、怠け者だった。何をやっても中途半端。これではいけないとあるときから自分にこう誓った。

「自ら手を出したものは、人より上手くなるまで止めない。できそうにもないものには手を出さない」

と、自分に枷(かせ)をはめてきた。それは今でも実行している。

 

「あれも知りたい、これも知っておきたい」と、願う知識者や知識欲の強い人は以外に多い。しかし、失礼だがこの方たち理屈や知ってることのみ話すのだが、実に軽い。

30年近く、気功や武術を教えてきた。しかし、覚えてくれない。

教えている身にとって、何回、何十回と同じことを繰り返して教えてきても身につかない人を観ていると

「教え方が悪いのか」

「説明の仕方が悪いのか」

と自分の指導者としての力量が試されているような気がしてならない。でも、中には優秀な弟子もいるから、どうやら違う所に問題があるようだ。そして、つい最近あることに気付いた。

「この人たち、教わったことを習得することを知らないのだ」このことに気付いたのだ。習得する方法を知らないから出来ないのだ。

何事も上手く処理をし、いくつもの成功を成している人は、実は「成功する方法」を身に付けている。成功する方法が解っているから、このようにしていけば成功すると確信でき、いくつものことを成功させることが出来るのだ。

 

失敗しても諦めず続けていると当初考えた物とは変化はあっても、やがて成功の光が見えて来るものだが、成功したことがない人はここで「俺にはできない」と諦めてしまう。また、教わったことを教わった時点で終了してしまう。これではいつまでも習得できないし成功はしない。

とにかく諦めない、成功するまでやり続ける。すると成功する。これは私の人生の中でいくつか経験したこと。これが物ごとを成功させる「コツ」である。

エジソンは2万回もの失敗を経て電球を完成した。

「どうしてそんなに失敗を繰り返しても諦めなかったのですか」と、いう記者の質問に、

エジソンは

「私は一度も失敗をしてきていない。成功しない方法を数多く発見し続けてきただけだ」

と答えたそうだ。

その後、成功しない方法を知ったエジソンは、それとは逆のことをすることで数多くの発明を成してきた。

 

どうやら知識願望者の人たちの多くは、この「成功しない方法」「習得できない方法」を身に付けてしまったようだ。

知識欲の旺盛の人は何でも知りたがる。しかし、知ったことで満足をし、そのことを実践して完成させることをしない。

100の知識を持っていても何一つ身に付けられなければ何の役にも立たない。

100の知識を得る前に、得た知識を吟味し、自分に取って必要なものであるか不必要なものか、あるいは自分のためになることかならないことかを見極めることが必要だ。。

過去に教わったことを習得していれば、次の術理や方法を習得することが難しくなくできる。習得できていない人は常に初心者。これまで教わったことは「絵に描いた餅」全く喰えないことになる。常にゼロからのスタート、百田尚樹さんの「永遠の0」になってしまう。

 

私は過去に「努力をしてはいけません」と本に書いた。

今では後悔している。

いつも努力をして頑張っている人を見て、そんなに力を入れて事を処していたら病気になってしまいますよ。という意味で「努力してはいけない」と言ったつもりだったが、これを都合良く解釈した人たちが多いようだ。

教えたことを実践せず、稽古もせずにいる人をみると、どうやらこのことが仇になってしまった。

そして、たまの稽古日にやってきて教わって帰っていく。復習はせず、次回、同じことをやっても出来ず、

「出来ないです」

と、平然という、だからまた前回と同じことを繰り返すことになる。

「体を壊すくらい努力をして稽古をしてみろ」と言いたい。

これは、完全に「成功しない方法」「習得できない方法」を身に付けてしまった人たちのようだ。

これから脱出するには、やりかけた事を完成させ、技なら習得してみることだ。次からは習得する方法が解っているから割と簡単に事が成せる。

 

また、教えたことを実行するときに、やたらと自分なりに解釈をする人がいる。これも「成功しない方法」を身に付けた人たちに共通である。

「考えるな。コピーしろ、しかも完コピー」これが学ぶ時のコツ。

私は、新しいものを皆に教えるとき、これまでに教えてきたことの上にスキルアップされたものを教えている。ゆえに、毎回、前に教えてきたことを白紙にして学ばれても私の教えは習得できない。

私は、これまでに数多くの術理を創ってきた。持っている術理を研鑽していくと、さらにスキルアップした術理が生まれてくる。また、全く別の方法も生まれてくるから不思議である。皆にこのことを知ってもらいたい。

物事は習得した先に会得がある。言われたことを記憶したとしても身体で覚えなければ会得などは先が遠い。技は、普段の生活に生かされ初めてその真価が解るものだ。

そのことを信じて、毎日毎日時間を惜しむように修行するのだ。そうすると修行することが楽しみになり癖になる。すると自分の身体に変化が出てくる。そこまでやる。これが「成功する方法」である。

「身体が硬くて出来ない、人がいないからできないから練習できない」と言い訳をするな。硬かったら柔らかくすればいい。一人でやることを楽しむのだ。

 

弟子への小言

私が作り上げたことを初めて君たちに教えるのだから、そのことを君たちがどうしようこうしようと考えることは不遜である。何故なら、私が苦労して作り上げたことを、今のあなたたちが、数分の内に理解できる訳がない。私とあなたたちとスキルが違うのだ。

私の技を覚えたいならば、私の言ったことや動作を、そっくりコピーし訓練することだ。その時間は決して短くない。

そして、その技をマスターしたときに.初めて私の技の蘊蓄を語る資格がある。

 

令和3年6月18日

眞々田昭司