腎機能低下は死に直結。低下した腎臓を改善つながっていく
セラはグッタリとしている。もう二日間こんな調子である。
「セラはどうなってしまったのでしょうか?」
「腎不全です。もう長いことないので大事にしてあげて下さい。猫でも犬でも腎がダメになると長いことありません。」
「腎不全は治せないのでしょうか?」
「現在の医療では腎臓を治すことはできません。」
24、5年前の話である。当時可愛がっていたセラという猫が腎不全になり、死にそうになっていた。
よし、それなら腎を治してやろうと獣医師に
「先生、腎臓は何処にあるのですか?」
獣医師から聞いた腎臓の位置に「気」を送り、手技を用いて固まっている腎臓を解していった。1時間もしないうちに、セラに元気が出てきた。そして歩き出した。その後2、3回手当をしていくとすっかり元の元気な猫になった。
セラの時代が過ぎ、カラスに追われて逃げていた乳離れをしたばかりの猫を救い育てることになった。その猫は雌猫、名前はララと名付けた。間も無く、ストレスで円形脱毛症になっている雄猫が我が家にやってくる。名前はニコロにした 。二匹は兄妹のように、そして夫婦のように、私たちの家族になった。
それから7,8年して雄犬が家族に加わる。犬種はイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル。名前はアンディ。ララとニコロに育てられた。さらに6年ほどして、ゴールデンレトリバーの虎太郎も我が家族に加わってくる。
この家族構成に乱れが生じてきたのが4年前。ララが19歳で亡くなった。そして昨年、ニコロが22歳で愛妻の下に逝ってしまった。
この子たち、何度も腎不全になりかけ、その都度治してきた。彼らは、猫の寿命としては長い年月を生き、苦しまず安らかに「もう充分」と言わんばかりに旅たっていった。
後を追うようにアンディが、風邪を引き、その後腎不全になり14歳で死んでいく。
「この犬種で14歳まではなかなか生きられません」
と、いう獣医師の言葉も、その時の慰めにはならなかった。近頃やっと、悲しみが思い出につながるようになった。
都内のある有名病院。そこにYさんが、腹腔鏡でのガンの手術を受け、腹膜炎と敗血症を併発し危険な状態に陥っているという。身内の方から
「何とか救って欲しい」
と頼まれ、病院の承諾を得ることを条件に受諾をした。
Yさんは、41度の熱を出し、腹水が溜まり、脚は丸太のように浮腫(むく)んでいた。腹水を抜くためだろうか複数のドレーンが取り付けられている。(腹水はタンクに溜めた水とは違う。引力で落ちてはこない。)
Yさんは担当の医師に
「我々にはもうやれることはありません。」
と、告げられた。
「最悪の時にそれはないよ。貴方に薦められた手術の結果が悪くてこうなったのに。どうにかしてよ!」
と叫んだそうです。
「先生(筆者)に頼るしかありません。」
Yさんの声は、聞き取れにくいか細いものだった。
「大丈夫ですよ。すぐに楽になりますよ!」
応じた。治せる自信があった。
腹水や浮腫は、典型的な「腎不全」の状態である。古い昔から、腹水が溜まると危険な状態と言われている。一刻も早くこの状態を変えることが生死を分ける。
うつ伏せや横臥姿勢が取れないYさんに、背に手を差し込み、上からは邪魔なドレーンを避けながら施術をしていく。
1時間ほどで腎臓が動き出し、徐々に腹水や浮腫(むくみ)が取れてきた。腹水が引き腹部が柔らかくなった。腹部全体の緊張と、肝臓、腸を解していく。これで敗血症も多分消えているはずだ。
土気色した顔に赤みが差し、呼吸も正常になってきた。危険を脱したようだ。
最後に体温を平熱にして、その日の施術終了。施術を始めてから2時間少々。良(い)い仕事をした。
動物も人も、その多くが最後は腎不全を起こしていく。腎機能障害は死に直結している。
「肝腎(かんじん)要(かなめ)」という格言がある。(肝心要とも書くがここは肝腎でいく)正に腎は臓器の要。腎機能が正常であることが健康の要である。動物も人間も同じだ。
「腎不全を起こしますよ。肝硬変になったら大変ですよ」
とは、医師が、患者にいう常套手段である。
裏を返せば、現代医療では腎不全や肝硬変は治せない病気なのであろう。だからなったら大変なのである。でも、なったら「治せば良い」という医術があれば何も恐れることはない。
ある患者さんが掛かり付けの病院の医師にこう言った。
「先生、私の腎臓は治る。と、MMSの先生に言われました。」
「医学も知らない人の言うこと信じてはいけません。」
と、言下に否定されたようだ。
これは無理のない話なのかも知れない。悪くなった腎臓を治すことはできない。と、思っている人たちに、余程の権威者が言ったことなら兎も角、一介の施術者が言ったことなど、いくら口を酸っぱくして述べても馬耳東風になるだろう。
「腎臓は治すことはできない 」という現代医療での環境下、検査結果でクレアチニンの異常値が出れば、直ぐに人工透析や腎移植となる。これがパターン化している。イージーに人工透析が行われている。だが、ここに社会問題がくすぶっている。
現在、透析は無料で受けられる。では、その費用負担は? 保険、地方自治体、国が持つことになる。その医療費だけでも2兆円を越す。
先の衆議院戦の自民党の公約のトップに消費税の2%アップがあった。これが2兆円ほどの増収になるらしい。たまたま同じ数字が出てきたが、腎臓を治せれば、消費税を上げなくても済む話にはならないだろうか。
腎移植を受けた人。提供した人。この人たちが健全であれば問題はないが、かなりリスクを負った人もいる。
人工透析を受ければ、生涯、週2回から3回透析を受けなければならなくなる。その拘束が仕事を持っている人に取ってかなりの負担である。自由に旅行にも行けなくなる。
セラの腎不全を治して以来、多くの人の腎臓を治してきた。先日、長年腎臓を傷めて苦しんでいる人を救うためにドイツに行ってきた。
20数年、世界の各地に出かけて施術をしているが、「こちらでは、腎臓も他の臓器も治していますよ」と、いう話は聞いたことがない。どの国でも透析や臓器移植である。機能障害をもたらした腎臓を治せるのは、世界で私だけなのだろうか。
少しずつ世の中が変わりつつあることが感じられる様になった。つい最近、NHKでは、腎臓について特番を組んでいたようだ。
腎臓が脳を介在しないで、他の臓器や細胞と直接コンタクトを取り動いていく。と、いうような新解釈だったらしい。私は観ていない。
早くも、その波に乗ろうと「めちゃくちゃな理論」をかざしている人も出てきている。そのことには肯定できないが、多くの人に関心を持たれてきているということでは、良いことである。
腎機能低下を知るには
早期発見、現代医療の常套句。このことに異論はない。早期に悪い部分を知り適切な治療を施す。治せる医療であれば問題はない。
一般的に腎機能低下を知るには病院での検査ということになる。だが、初期、中期の機能低下の時点では、この検査は役に立っていない。
腎機能が低下して深刻化しているにも関わらず 「腎機能は問題ありませんよ」と、いう診断を得ている人が少なくないからだ。
ある女性が体験したこのような例がある。
腰痛、頭痛、浮腫があり、体調不良の悪い状態で病院に行って検査をしてもらったが、どこにも問題がないと診断され帰された。調子が悪いのに問題はないとは不思議な診断である。
実際にはこの方、かなり腎機能が低下していた。それが治った時点で全ての症状が消え健康体に戻ってきている。
「嘘のようだ」と話している。
診断した医師には、腎機能低下がもたらす諸症状についての知識がなかったのだろう。視診や触診してみれば直ぐに解ることなのだが。
そこで簡単にチェックできる判断基準を披露しよう。
1 顔だけではなく肌が黒ずんできている。
2 皮膚や筋肉がブヨブヨしている。水筋肉。
3 小水の出が悪い。
4 頻尿になっている。
5 浮腫(むくみ)が出ている。
6 腰が痛い。
7 疲れる。
8 痒みが全身におよぶ。
以上のような症状が現れたとき、腎機能低下を疑ってみる必要がある。
皆さんにもできる腎機能回復
機能の落ちた腎臓を復帰させるには、それなりの技術が必要であり、見様見真似だけではできない。でも、少し機能が落ちてきた程度の腎臓なら回復できる方法がある。
前回、「老けてしまいます」というコラムを書いた。皆さまから、かなりの反響があり、その中で、
「具体的にどうすればいいの?」
「MMSテクニークってどういうの?」
などの質問。
それに答えていきたい。
Youtubeで後ほど発信します。
動画では八段錦と言っているものがMMSテクニークの一部分で、1段から3段が腎臓をケアするのに有効。
それを実行しても変化がないとしたらやり方に間違いが。正しく行えば必ず良い結果があるはずである。是非試して欲しい。