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今や日本の食品自給率は40%を切っている。ここ50年の人工増加は3000万人を越えている。そして農業から工業そして商業と就業人口の移り変わりがある。

物作りの日本であったのが、ITを駆使して持っていないお金を動かして金儲けをしている。物を作らないで儲ける時代にもなってきた。何かが間違った方向に向かっている。アメリカのサブプライムから始まった不景気は物作りを忘れた人類への神の警告とも取れる。

せめて我が家からでも、自給率をあげようと始めた。目標は自給自足だ。しかし最初から完全にはいかない。徐々に自給自足にスライドしていこうとの試みだ。

まず米を作ることから始めた。しばらく休んでいた休耕地を使っての無農薬米つくりである。手間のかかる田の草取りは私たちには時間がなくて無理なので、草を発生させない農法を取り入れてみた。大成功である。食べた米の味が、化学肥料、農薬漬けの米とは雲泥の差であった。

野菜作りは前からやっていたが、去年から種類と作付けを増やした。せっかくだからきれいに作ろうとガーデンスタイルで。もともと野菜は完全無農薬、有機野菜作りである。

これだけやっても自給自足にはほど遠い。味噌、醤油もつくろう。家族も大賛成だ。「酒も造ろう」と言い出したが、家族の反対を受けて断念。素直に引き下がった方が得策である。

米や野菜作りは他の章で紹介する事にして味噌作りを披露しよう。

まずレシピから

味噌の材料となるのは大豆、麹、塩である。 大豆作りもしたかったが、今年から始めることにした。

まず国産大豆を仕入れた。麹も残念ながら市販の物、塩も自分では作れない。この点は素直に妥協する。今年から麹作りから始めようとも考えている。しかし限られた時間内の仕事なのでどこまでやれるか、無理をしない範囲の自給自足へのスライドだ。

味噌作り

今回は手始めに3kgの大豆で味噌作り。

大豆    3kg

麹     3kg

天然塩 460g

である。桶は杉の一斗樽を用意した。

桶、しゃもじ、大きめボールなどは良く洗浄し、熱湯消毒をしておく。

まず大豆を洗い桶入れ水を張る。浮いた大豆を除いておく。そして水に浸して12時間以上置いて下準備。(大豆を蒸かす前日に行った)

次の日、いよいよ味噌作りだ。まず釜を用意し、お湯を沸かす。沸き上がったところで、1.5kgの大豆をセイロに入れて釜にかけてて蓋をする。後は軽く親指と人差し指でつぶれる位になるまで蒸すだけだ。

その間に塩と麹を満遍なく混ぜ合わせる作業を行う。塩をよく揉む、塩切りという。乾燥麹を使ったのでこれもよく揉みほぐす。1.5kgの麹と230gの天然塩をむらのないように混ぜていく。大豆がふけそうになってからでも遅くない。

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大豆が良い加減の柔らかさになったら、それを満遍なく潰していく。私のところには、餅付器があるのでそれで潰していく。大豆が堪らない良い臭いを醸している。

 充分に潰れたところで、大きめのボールに入れ、そこに前に用意した塩麹を混ぜていく。これも満遍なく混ぜるようにしなければならない。そこに蒸した時に下の釜の中に残った蒸し汁(煮汁)をかけながら柔らかさを加減していく。釜やセイロがない場合は鍋でにてもかまわない。

 熱湯消毒をして乾かしてあった樽の底に白くなる位に塩を撒く。これはカビを発生させないための工夫である。 

 その樽に、大豆と塩麹を混ぜた物を拳大に握り、樽の底の角をめがけて叩きつける。これは空気が入らないようにするため。角が決まったら平らなところも同様にしていき、麹大豆を樽に詰めていく。

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最後に水平に平らにし、白くなるくらいに塩をふる。そしてラップを敷き詰める。ラップが小さければ方向を変えてもう一枚置くようにすると何とかふさがる。そこに中蓋を落とし重石を乗せていく。(私は3kgの味噌作りで15kgの重石を乗せた)そして蓋をするが当然置くだけの物となってしまうので、大きめのビニール袋を被せ埃が入らないようにする。ビニール袋をきつく結んではいけない。麹が発酵するのに空気が必要である。後は一ヶ月後まで常温の場所で管理する。

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1ヶ月後少し水があがっていたら大成功。水を取り、天地返しをする。もし水があがっていなかったら塩を少し振りかけながら天地返しを行うと良い。天地返しをする際に大きめのボールかそば台みたいなものを用意すると良い。当然きれいにしたものでなくてはならない。

 返し終わり表面を平らにしたら、塩を撒きラップを施し、重石を乗せて置く。後は1ヶ月単位で様子を見ることだ。一番大事なことはカビを発生させないことだ。8ヶ月位したら食べられるが、もう少し待って食べた方が味噌らしくなってくる。でも若い味噌は麹の香りがして最高でもある。

 読者も手前味噌作りをしてみたらいかがだろうか。日本の自給率を上げるためにも。